③トッケイと仲良くなる具体的な方法

人なれしていない段階では、特にケージというプライベートスペースに手をいれると防御態勢になり口を開けて威嚇をするなど、トッケイが適切と感じてくれる距離をとりにくくなります。
こういった状況になっている場合は信頼関係を深める事は難しくなります。

理想はゆっくりと時間をかけ警戒されないための距離をはかり、その距離を少しずつ短くしてトッケイに受け入れて貰う事だと思っています。
受け入れて貰うためには、トッケイの呼吸や仕草、こわばりなどよく観察し、それに対し私達がすみやかに対応することが必要になります。

警戒態勢に入ってしまうと、トッケイは逃走か闘争かのモードに入り冷静な判断が出来ない状態になります。人間で例えると怒り狂っている人に何をいっても取り付く島も無い状態でとても仲良くなれません。
人間だとそのような怒り狂っている人でも誠意のある言葉で説得すれば心を開いてくれるかもしれません。お金を渡せば機嫌が良くなるケースもあるでしょう。

ですがトッケイには言葉が通じませんので、他の方法を探さなくてはなりません。
トッケイに冷静でいて貰える状況をいかにして作るかが仲良くなるポイントになると思っています。

我が家では、ケージに手を入れる事での警戒から冷静で居られなくなる場合、軍手や手袋をはめケージから取り出して手に乗せ、その後じっくり時間をかけて落ち着かせる努力をするようにしています。

 

ケージから出しての練習のメリットは、プライベートスペースでないので守りにくい、またトッケイが逃げたいと思った時に、前後左右上下にどこでも逃げられる十分なスペース(もちろん逃げ出さないよう十分注意はしますが)があるので、攻撃行動をとりにくくなります。

ケージから取り出したあとは握ったりはせず、手のひらに乗せて逃げ出すのを防ぐために手を前方にそえたりして手やその場にいてもらう努力しています。


逃走を防ごうとする人間の素早い動きや大きな動きは、トッケイの恐怖心につながってしまいます。人間側の緊張感や筋肉のこわばりも、トッケイに影響を与えますので、できるだけリラックスできると良いです。トッケイには怖い思いをさせないように気をつけることが重要です。

 

 

手に乗っていたけれど、嫌な思いも怖い思いもしなかったと思ってもらえる時間が作れればそのセッションは大成功だと思います。 
なにも起きないことが信頼関係構築の第一歩になると思っています。 
 

トッケイの体調をみながら(食事はとっているか活動的かなど)、毎日手に乗せ、その時間も少しずつ延ばしていきます。だんだんと呼吸も落ち着いて周囲を見渡したり、表情が出てくると思います。

 

練習期間中はケージレイアウトに身を隠すスペースがあると守りに入りやすいようです。当初、シェルター代わりの土管を設置したところあっという間に馴れ度が後退してしまったことがありました。

 

 

 

ハンドリング時に餌などの食べ物を食べてくれるようになると仲良くなるのも加速して行くと思います。人(ハンドリング)=ご飯時間となると、人への印象も良くなり、楽しみに待つようになってくれるかもしれしれません。

食べ物の与え方は、指から直接だと指を噛まれる危険があるので、ピンセットや容れ物を使うのが良いと思います。

トッケイは人をきちんと個体識別しているので家族であっても反応は違ったりします。
出来れば色々な人と関わりの時間を作るのが良いかと思います。