こんにちは!

 

今日、NHKのテレビ中継入りの予算委員会集中審議で質疑に立たせて頂きました!

 

ブログでは、質問を4つの大きなテーマごとに紹介して参ります。今回は、児童虐待についての質疑について取り急ぎ紹介させて頂きます。

 

 

 

この質問をした私の問題意識とその背景から説明します。

 

私は,かねてから,児童虐待罪の創設と児童虐待事案の厳罰化が必要と考えていました。平成15年~平成29年でなんと727人の虐待死事例があるのです。

 

参考:児童虐待罪の創設を!

https://ameblo.jp/tohru-ishizaki/entry-12437913418.html

 

先日,国立国会図書館の協力を得て,海外の法制度を調べたところ,米国・ドイツ・韓国では児童虐待罪という罪刑が日本のように暴行罪や傷害罪とは異なり、独立した罪刑として存在しています。例えば,「危殆罪」ということで、傷害や死の危険を創出したことによっても罪が成立します。お隣の韓国では,児童虐待で死亡させた場合は無期又は5年以上の懲役とされていることが解りました。日本では単に傷害致死罪ということで3年以上の有期懲役に過ぎません。

 

 

注目すべきは,その保護法益で,「身体や精神の健全な発達」や「児童福祉」、「児童の保護と健全な成長」が保護法益とされています。

日本では認められていない保護法益です。

 

この点、日本では,子どもの健全育成を害したといった事情は,量刑で考慮されていると聞いています。

 

しかし、我が国では、子どもが虐待により死亡する例は減っていません(写真ご参照)。そして,何より親などが子どもを死亡させても,死刑や無期懲役など重い刑を受けた例は少ない状況です(下記、画像したの法務省調べ)。以下の資料のとおり平成30年間で死刑判決は1件、無期懲役判決は2件に過ぎません。

 

 

児童虐待罪がない代わりに判決にて考慮する、というのは実際にはなされていないと思います。

 

なお、日本でも,昭和15年の「改正刑法仮案」や昭和36年の「改正刑法準備草案」で,刑法典に虐待罪を創設することが検討されたことがあったようです。

そして、これまでにも,社会における様々な事象に対応する形で,個別犯罪については、刑法や特別法に罰則を設けるという改正や法律の制定がなされてきました。

 

例えば,危険運転致死傷罪の創設については,酒酔い運転や著しい高速度運転等の悪質かつ危険な運転行為による重大な死傷事犯が後を絶たず,被害者・遺族を始めひろく国民の間に法整備を求める声が急速に高まったことが後押しとなったというものでした。また,いわゆるDV防止法は,罰則を含む法律ですが,これは参議院の調査会に設置したプロジェクトチームで数年にわたって検討が進められ,平成13年に議員立法として成立しました。このような立法や厳罰化により,犯罪を犯した人を取り締まることができると同時に,社会の意識も変わると思っています。

 

こうした、児童虐待罪の創設に関する私の思いを,先日,とある新聞で取り上げていただいたところ,多くの国民から賛同の声を頂いております。国民世論が政策を前に動かしたと言えるでしょう。

 

ご参考:「児童虐待罪」創設へのインタビュー記事掲載~本日夕刊フジ1面・3面~

https://ameblo.jp/tohru-ishizaki/entry-12438939333.html

 

このような立法や厳罰化により,犯罪を犯した人を取り締まることができると同時に,社会の意識も変わると思っています。

 

児童福祉司を5,000人に増員することや,総理が法務大臣に検討させると答弁された懲戒権(親が子どもを戒める権利として民法に規定)の在り方の見直しなど,多角的な視点から検討を進めていく必要があると思います。

 

その一方で、こうした様々な観点を踏まえて、児童虐待罪の創設や厳罰化も含めた幅広い検討が必要と考え、安倍総理と山下法務大臣に見解を伺いました。

 

総理からは、子どもの命を守ることを最優先に児童虐待の根絶に向けて、政府全体で総力を挙げて取り組んでいくと、熱い想いを頂いたと思います。

 

また、山下法務大臣からは、児童虐待罪の創設については、既存の刑罰との関係も考慮する必要があるため、直ちに答えを出すことは難しいが、子どもの命を守るため、児童虐待の防止に取り組んでいくことは重要だとの答弁を頂きました。

 

私は、児童虐待への取組みを進める政府の後押しをしたいと思っており、近日中に与野党の先生方と「児童虐待罪創設に向けた勉強会」を立ち上げようと考えています。

 

引き続きご賛同頂ける皆様からの後押しをお願いしたいと思います。

 

衆議院議員 石崎徹