紅く染まった桜の木




普段見せないあなたのその姿に




切なさを感じ、いっそう美しく見えるのは




いわば必然で




突然の寒さに




ただ黙って、じっと耐えて




それがよりいっそうあなたを美しくさせたわけで




要は、私があなたに




惚れたと言うわけです。

足場の悪い道を




すこしヒールの高いパンプスで歩いた




ぐらついてあしくじいて




ずっと足元ばっかみてた




転ぶのが怖いから




小さい頃は転ぶのが当たり前だった私は




いつから転ぶことを恐れるようになったのかな




大人になっていくにつれ




脳にいろんなしわがふえていくんだね




要らないしわなんてない




そういいきかせて




保守的な私を肯定しながら




下を向いて歩く




昼下がりの砂利道。

嗚呼ロミオ、




アナタは如何してロミオなの




アナタが貧乏なせいで




お父様やお母様は大反対よ。




でもお父様、お母様、




そんなに反対されたら、




そんなに反対されたら…




燃えちゃうわ!!!




絶対にこの愛は守りきってみせる!!!




なーんて思っちゃうわよ。




さあロミオ!!




今晩夜12時に




私のベランダに迎えに来なさい。




2人きりになれるところへ行きましょう・・・。

『自分』




という言の葉に合うコードが




みつからない。




書き途中の譜面を置いた




朝焼け。




鳥のさえずり、




新聞配達のバイク、




静かな風、




それぞれの音色を奏でる。




周りを見渡せば




美しく鳴り響く音達・・・。




ため息をつきながら無駄に急いで作ってしまった




朝ごはんは、スクランブルエッグ




ケチャップをかけた




譜面に紅い音符が落ちた




『ミ』




未完成、未知、道、実




私は未完成で、未知な道を進み実りを付ける




私はミの音。




適当にこじつけた




徹夜明けの勝手な脳。

微かなる灯りが見えた




夢の中であったとしても




確かにそこにあった光




掴みかけてすり抜けた




私はそれを物体としてみていた




それは物体であって物体でない




手では掴めない何かを




必死に、掴もうとした




ただ、掴もうとした




それが初めての恋でした。