day after tomorrow「Selection Best Album」
懐かしい？アルバムをいくつかアップしていきます。今回はday after tomorrowのファンベスト「Selection Best Album」を取り上げます。なお以前のブログで一度アップした記事をもとに、リメイクしたものを書いていきます。
【各曲紹介】
緑：素晴らしい曲(以前の評価では★×4.5～5.0)
青：良い曲・まずまずの曲(以前の評価では★×3.5～4.4)
黒：普通・及第点の曲(以前の評価で言うと★×2.5～3.4)
赤：イマイチな曲(以前の評価で言うと★×1.5～2.4)
茶：駄曲(以前の評価で言うと★×1.5未満)
１．Starry Heavens
6thシングルA面曲。まさに非の打ち所がほぼ無い曲です。間奏・Aメロ・Bメロ・サビのすべてがドラマチックで哀愁感漂う極上の仕上がりとなっており、その曲の雰囲気に合ったmisonoのボーカル(少し音程ズレている所もありますが)、そしてタイアップ先の「テイルズオブシンフォニア」のための書き下ろし曲だけあって、「旅立つ男の子をそっと支えようとする強気な女の子」からの視点で書かれた歌詞は見事にシンフォニアの世界観に合っています。僕の今までの音楽生活における最高の曲は今でもこの曲です(ちょっと大げさ？)。そして初めて買ったCDかつ音楽に興味を持つきっかけとなった曲です。
２．faraway
1stシングルA面曲。ライブ向きのアゲアゲナンバーでまさにmisono自身の「若さ」が前面に押し出されている曲だと思います。聞き手を元気にさせてくれるような前向きな歌詞にも注目ですね。ちょっと切ないメロから一気に突き抜ける「夏」一色のサビ部分への流れはうまく場面転換できています。
３．そして僕にできるコト
9thシングルA面曲で「君がピンチなら僕が助けてあげよう」という恋愛にも友情にも取れるテーマを持つアップテンポナンバーです。後期の彼ららしいバンドサウンドに傾倒しており、それでいてかなりリズミカル。サビを中心として畳み掛けるようなメロディ展開になっていて曲自体が持つ切なさも一緒に響いてます。misonoの歌唱のツメが若干甘いかなと感じる以外は完璧の内容。個人的には1番のサビ終わり→2番のAメロに行くときの間奏が一番好きです♪
ちなみにこの曲、PS2版「テイルズオブシンフォニア」主題歌というタイアップが付いてますがもともとゲームキューブ版の主題歌は「Starry Heavens」でした。そのゲームキューブ版の時に「Starry Heavens」に合わせて作られたOPムービーを、PS2版でも使うために実はこの曲は「Starry Heavens」とメロディの刻み方が全く同じになってます。これは大ちゃんよくやったなあ…
４．My faith
2ndシングル曲で月9主題歌にもなった曲。「遠距離恋愛」をテーマとしたミディアムバラードになっており、クリスマスのような？幻想的でかわいらしいアレンジに仕上がっています。透き通るようなmisonoの歌声には力強さや切なさが感じられ曲の雰囲気に合っていますね。特に伸びやかなファルセットが響く最後のサビ部分の歌唱はかなり良いです。また少しメルヘン風味がプラスされているメロ部分から、「君に会いたいしこの愛する想いを伝えたい」という気持ちを切々と唄っているサビ部分へという二部構成になってるところもおもしろい！
５．ユリノハナ
11thシングルA面曲で「失ってから初めて気づく大切な人の存在」をテーマとした曲。とにかくドラマティックで音程の上がり下がりの激しい打ち込みサウンドが続いており、それを見事に歌いこなすmisonoの歌唱には感服です(もう少し力強さがあってもいいけど)。特に最後のサビでの畳み掛けは聞いてて鳥肌が立ちます…後期の彼らの曲の中ではダントツの出来！
６．君と逢えた奇蹟
10thシングルA面曲。「タイプの異なる親友との出会いと感謝」を描いた、リズミカルなサウンドが印象的なアップチューンになっており、ダークテイスト・退廃感を薄っすら感じさせるメロ部分から広がりを見せるサビ部分への場面展開はうまく成されています。misonoの歌唱のツメの甘さは出てたりメロディの印象は薄いですがしっかりと仕上げてきてます。
７．lost angel
9thシングルA面曲で「ホントの自分を見失ったら故郷に帰ってもう一度自分を見直してみよう」というメッセージがこもっているミドルテンポソング。今までの彼らの曲とは少し違ってかなり重厚なバンドサウンドが終始続いています。それでいてそこにキーボード音(出だしと終わり含めて)やさりげなく入っているアコギ音とがうまい具合に絡まってる感じですね。それによって哀愁さが増したと思います。サウンドプロデューサーの五十嵐さんによる歌詞も含めて「大人な曲」という雰囲気があり、この曲を一言で例えると「夏の終わりのある曇りの日の夕方を迎える前」といった感じ。個人的にはあとこの曲は「灰色」という色を持ってるような気がしますね。どちらにしても素晴らしい曲だと思います。
８．for you
1stミニアルバム収録曲で甘い恋を唄った曲。デビュー当初の曲だけあってELTっぽい打ち込みサウンドがメインになってます。misonoのクールで初々しい歌声が印象に残りますね。デビューし立ての頃に「a-nation」に出演した彼らでしたがその時にこの曲を最初に披露しました。その映像を見てると「ここから彼らの伝説は始まったんだな」と個人的には感じますね。メロディと歌詞が一体となった場面転換もさすがといったところ。
９．Dear friends(album version)
7thシングルA面曲のアルバムVer.(シングル版のレビューはこちら )。
ボーカルの再録やアレンジの厚みが変わってたりしてますが、なんかこっちはサラっと歌いすぎている感じや音程が露骨にズレているなどで微妙…絶対シングル版の方が良いですね。しかしシングルベストやコンプリートBOX・ファンベストに収録されている「Dear Friends」は全てこのアルバムVer.。なぜシングルVer.を収録しないのか全くもって理解できません(結局シングルVer.はシングルでしか聞けない状態です)。
１０．Stay in my heart
4thシングルA面曲で「悩んでる時や苦しんでる時に手を差し伸べてくれた周りへの感謝とこれからの未来に対する決意」を唄ったミディアムバラードソングです。少し明るめながらもセンチメンタルさも見えるメロ部分→回想と自己への言い聞かせが込められてるBメロ→そこから一気に哀愁が爆発するサビ部分…この一連の流れでうまく歌詞とメロディが一体となって場面展開を成してます。キーボードセンスも相変わらずさすがといったところですが、この曲で特に注目したいのはmisonoの歌詞と歌唱。どこを切り取っても心に響きまくりのフレーズにはホント驚かされます。そして歌唱は、抑え目なメロ部分と一気に感情を出すサビ部分との対比が素晴らしい！結構音程を外してますがこれは「敢えて」感情を出すために外したんだと感じます。個人的にはデイアフの曲史上最もmisonoの歌唱が光ってる曲だと思いますね♪聞いててホント胸が締め付けられる時があります…
１１．futurity
3rdシングルA面曲。「ただひたすら君と二人で夢を叶えていきたい」という気持ちが込められているアップチューンです。デイアフ初期の真骨頂である「キーボード音主体の切ないサウンド」になっており、メロ部分を中心としてダークさ・影の部分を感じ取ることが出来ます。またこの曲、音程の上がり下がりが激しいんですがそれをサラッと歌っている歌声はスタイリッシュな感じがして良いと思います。間奏や出だしの音の刻み方もちゃんとツボを押さえており、何か荘厳さを感じます。
１２．螢火
8thシングルのA面曲で愛しい恋の気持ちを唄ったバラードナンバーです。出だしのいかにも「クリスマス！」と言わんばかりの幻想的なSEがすごく良い感じです♪全体的にも鈴木さんの作曲だけあって非常に繊細さがにじみ出ており、それでいて情景的・ほんのりとした温かさやほのぼのとする歌詞とミックスされることで幻想的かつメルヘンなムードが漂っています。またサウンド的にはキーボード中心の広がりのあるものになっており、コーラスが至る所に挿入されてるのもその雰囲気をさらに盛り上げる要素となってます。misonoの歌唱がいつもよりツメが甘いのを含めても珠玉・会心の作、雪が降ってる時にぜひ聞いてみたい一曲！
１３．イタズラなKISS
5thシングルのA面曲。デイアフの曲の中で一番？アイドルチックなテイストに仕上がっている、女性の恋模様を描いたアップテンポソングです。アニメ「犬夜叉」の主題歌にもなってたので聞いたことある人は多いと思います。変に甘ったるくなることなく意外とサラッと聞けるとこが良いですね。ちなみにこの曲のPVはハジケまくりで彼らの仲の良さがよく分かる内容になっています。
１４．High-Spirit
1stフルアルバムおよび3rdシングル収録曲。畳み掛けるようなメロディ展開はもちろんのこと、前向きな気持ちになれるこの曲の歌詞がとても印象に残ります。ということでこの曲を聞くと「やっぱり彼女は作詞の才能がかなりある」と改めて感じさせられますね…これで歌唱がちゃんとしてれば完璧だったのに(汗)
１５．more than a million miles
9thシングルA面曲。「今までの嘘の自分を捨ててありのままで生きていこう」という気持ちが込められてる壮大なバラードナンバーです。ストリングスをふんだんに用いておりとてもドラマティックな展開を見せてます。それでいて随所に入ってるギター音がとても活き活きしててカッコイイです。淡々としていてダークさもあるメロ部分から、一気に広がりを見せるサビ部分への展開もお見事。歌唱に関してもmisono自身が歌いやすそうで変な力みがなくて聞きやすいですね、やっぱり彼らはやってくれます♪
【総評】
全体の評価は100点満点で、
100点～95点：紛れもなく名盤
～90点：かなり良い作品
～80点：良い作品
～60点：まずまず・及第点の作品
～40点：イマイチ…
それ以下：駄作
評価：９８点
自分の中で、「最強のアーティストを一つだけ挙げて下さい」という質問に迷わず挙げるアーティスト、それがday after tomorrowです。「Starry Heavens」を聞いた瞬間の衝撃度は半端なく、当時音楽に興味がなかった自分が初めてCDを手にとり彼らにどんどんハマっていったのをよく覚えています(ある意味自分の人生を変えた曲と言ってもいいかも)。
今作はそんなデイアフが活動休止して1年ちょっとの時期にリリースされた、いわゆる「ファンベスト」。まずラインナップがすごく豪華！シングル曲が15曲中13曲(ちなみに「Dear friends」はアルバムver.収録)と多いこともあって、テイルズの主題歌や犬夜叉のEDテーマ、昼ドラ&月9の主題歌…と、誰もが一度は耳にしたことがある曲ばかりの内容になっています。個人的には「prize」「grow」「CURRENT」「七つ星を数えたら」「瞑想」…などなども入って欲しかったけど、それは言うとキリがないので仕方ないと思います。
そして曲の方もタイアップの豪華さに負けないくらい作曲・歌詞のレベルが高くて何回聞いても飽きません。決してうまくはないけど表現力では天下一品・またライティングセンスも備わったボーカルmisono、そして質の高い楽曲を提供・アレンジもお見事なものを見せてくれるバックの大ちゃんとまーくん、というこの3人が化学反応を起こすことでもたらされた珠玉の楽曲の数々がそこにはあります。たしかにもっと演奏や歌唱がうまいバンドは他にいるけど、個人的には等身大でありのままを描いた世界観や独自の魅力でここまで惹き付けられたアーティスト・またハマりにハマって熱中しまくったアーティストは彼らだけですね。
そして今回のアルバムの一番の良さは「音質が良くなってること」！デイアフの楽曲はほとんどがCCCDでのリリースだっただけにその音質の改善が顕著にわかります。特にベースとギターの音が際立ってて曲にメリハリがついたように思われます。またファンベストで上位15曲を順に並べただけなのになぜか聞き通すとアップダウンがちゃんとついている点もプラス要素になっています。
唯一のマイナス点は「Dear Friends」をシングルVer.で収録して欲しかったと感じる点。どう考えてもシングルVer,の方が良いし…あとジャケットや歌詞カードが味気ない点はどうにかしてほしいけどどうにもならないような気も。
とは言えそれ以外は完ぺきな内容になっています。シングルA面曲の大半を網羅しているので、今回のアルバムは「真のベスト」という名にふさわしい内容だと思います(シングルベストが前に出てますが欠陥だらけ)。昔からのデイアフのファンの方や最近misonoを知った方のどちらの方にもオススメの一枚で、彼らの良さがひしひしと伝わってくる素晴らしいアルバムだと思います。デイアフを知らない方はぜひこのアルバムを聞いてみて下さい！絶対好みの曲があるはずです。それで気に入った方はオリジナルアルバムの方もどうぞ！
PS：改めてmisonoの歌詞や歌い方を聞いたりしてると、今のmisonoの音楽的な質の堕ちぶりが顕著すぎて悲しくなる自分がいます…