咳喘息 | todakaclのブログ

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呼吸器内科開業医(救急救命15年/呼吸器40年)
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咳喘息

2006-06-23 07:27:54 | 健康・病気

【咳喘息】と【標榜科目、専門医・認定医・指導医】について語ります。久々に真正面から。

咳喘息

に関し、ネット上で【語り】の似非医師が多い。おかげさんで、読者の方々の混乱たるや悲惨なものがありまする。怒りの修正・是正発言です。

そもそも、最近になって急に出現した病気でもないし。命名も、古くは1980年代後半には、旧国立療養所 東福岡病院で【咳型喘息】と分類されたものが既に存在してました。小生の知りうる範囲ですので、まだ古いものがあるかもしれませんが。

正確にいうと、咳型喘息は、咳喘息として最近注目を浴びてるものとは少々異なり、本家気管支喘息の亜型です。

本家とは、呼吸困難(息苦しい感覚ではなく、本当に吸いたいと思った空気の塊の10のうち7とか8しか吸いきれない状態)が急にもしくは緩徐にやってきて、10分くらいから数時間以上まで、長く苦しむ喘息発作を繰り返すものです。この呼吸困難の存在が【気管支喘息】本家・典型の特徴で、これを伴わない場合は、たとえ喘鳴があっても基本的には咳喘息という遠縁の疾患やその周辺の疾患(アトピー咳)と診てよいでしょう。この本家には、日ごろ健常な方と変わらない暮らしができる代わりに、発作時はかなり苦しむという特性もあります。咳喘息が、日ごろだらだらと咳に悩ませられる替わりに、緊急の手当を殆どが必要としないのと好対照です。この点でも鑑別(病気の種類を見分けること)できます。

細かい話になりますが、マニアックな戸高なのでご勘弁くだされ。【咳型喘息】というのは、戸高的には咳喘息と本家の気管支喘息の中間というより喘息本家の中に含まれます。これは、咳き込みの発作のあとに、実際の呼吸困難の発作がやってくるものと考えてください。咳き込みが、スイッチもしくは前徴症状として呼吸困難発作の前方に存在するタイプの本家喘息の中の特殊形と診ると良いでしょう。つまり、呼吸困難をともなうことで、本家の喘息に分類・組み込むわけです。これが、小生の21年の喘息治療にかかわった中で初学者のころから、認識されており(師匠の吉川先生の教えが大きい)喘息患者さんの中に、このような咳き込みが、発作に関連するタイプがあって、発作・咳き込み両方にたいしてコントロールの微調整を要する、師弟にとって、いわば腕の見せ所でした。

てな、歴史があるわけで、20年前から喘息に係わって、旧タイプの吸入ステロイドで悪戦苦闘していた喘息医たちにとっては、製薬会社のMRさんたちも思いは同じで、喘息本家そのものが、今の新世代の3社が提供する吸入ステロイドのおかげで、99パーセントのコントロールになり、ましてや軽症・類縁疾患である咳喘息は、もっと容易にあつかえる、夢の時代を迎えたのです。やっと!

そのホッとした、歴戦の勇士(医療関係者・闘病の長い患者さんたちも含む)に冷や水を浴びせることが多々あり。嘆かわしい。

標榜科目

先ずは、標榜に関して、腐します。今の医療制度では、医師免許さえもってれば、一度も呼吸器科の研修をしてなくても、「呼吸器科」を看板にあげることが許可されています。風邪くらいは診れる、肺炎ぐらいなら見落とさないのレベルです。でも、考えてみてください。喘息の大発作の方が飛び込んできた時、慌てずに効率の良い治療、心理的安定を提供できますか。なめんな!ほかにも、肺がん(腺癌、気管支癌、中皮腫、悪性リンパ腫など)、慢性呼吸不全疾患(肺気腫、肺線維症、塵肺など)見落とさず、的確に専門病院に時期を失せず紹介できますか。だとさ。

べつに、標榜に法的規制を望んでるわけでもありません、小生は。個々のドクターのモラルです。別に、風邪の患者さんの冬季の来院を見込んで、呼吸器科の看板を挙げるのは大きな罪ではないでしょう。ただ、患者さんたちは、そんなことまで知らないので、彷徨います。少なくとも、頼れる呼吸器科医に紹介を欠かさないで欲しい。抱きしめる、引っ張る、医師として恥ずかしく、患者さんに最も不利益をもたらすタイプです。喘息、癌、慢性呼吸不全そのどれでも、苦手な分野であれば、衒いなくすぐ紹介することにモラルの高さを証明してみませんか。「生活のため」なんていったらぶちのめしますよ、少なくとも言葉で。医師の生活なんか、患者さんの病苦と比べるべくもないレベルでしょう。最高学府をでたとかいって、ハイソとかいって威張るくらいのニンゲンなら、何が本質か見失わないことでしょう。それが、本物のエクゼクティブの証。「武士は食わねど・・・」のプラス解釈版。誇りを持ちませんか、同業者の方々。

ちなみに、小生は、胃カメラは独り立ちですが、大腸ファイバーは師匠からショートなら良いといわれたセミ免許皆伝者でしかないので、近場のプロにバシバシ紹介してます。やはり、評判いいです。その先生が診てくれた患者さんは、本当に良かったといって、たまには小生のところへ受診の要もないのに報告に立ち寄ってくれたりします。こんなモンなんです、都市型クリニックの共存は。

専門医・認定医・指導医

こっちの方は、各種の学会が決めた規定です。法的な規制・特典は今のところなく、患者さんたちへのアナウンス効果が主です。これに関しては、「ブラックジャックにヨロシク」でしられたモデル先生、南淵ナブチ心臓外科医が著書の一つ「良い医者、良い病院の見分け方」でくわしく表現されてます。小生も先生のおっしゃってる通り、この3者をはじめとする、学会からの認定系の資格は、学会にとっての功労賞でしかなく、実際の臨床の現場では空振りの箔でしかない。論文やら試験資格のクリヤー、ペーパー試験の合格なんかは、現場での野武士的な実戦経験のあるドクターの証明には何ら係わってない。

ここで、一息。【OK牧場】という専門用語のウンチク。ガッツ石松の方じゃないですよ、心理学の定型理論の一つです。つまり、ヒトには自分の評価と、他者の評価で4分類が適応し、心理学的なその個人の行動の分析の基礎になるのです。具体的には、OKとnotOKをもうひとつに軸にとると、個人のパターンを2×2の4つの正方形(箱:長方形でも)に分けられる。イメージできましたか。

順に、私もOK、あなたもOKから始まって、私はOK、でもあなたはnotOKとつづき、not、notまで。これは、医師・患者関係に直接的に適応も出来ます。が、小生としては、世の中は、この単純な分類から始めることが肝要だと言うことを伝えたい。どんなシーンでも、2つの軸を何かしら考え、4つに分類することから始めましょう。様々な問題解決が、見えやすくなります。OK牧場型分析の超拡大適用に話を進めます。

つまり、認定医をはじめとする、資格は持ってる先生と持たない小生のような医師で、横軸。臨床の経験が豊かで、診断の幅広さ・的確さや治療法の選択枝を豊富に持ってるか、研究分野の経歴が長いために、学会での評価は高いが、現場の経験が医師免許取得歴の割に短いか、を縦軸に。ま、資格と経験が2軸ですわな。ダブルのすごい先生もいますよ。資格がっちり、経験も豊富。ガイドラインの作成にかかわる諸先生方には覆い様に思います。で、多数派が、次の2タイプ。資格が勝るだけの口ばかりで、未熟な医師と、資格とりそこなった経験が豊富な医師。小生は、残念ながら後者です。採るひまもなかったし、熱意もなっかった、少々後悔あり。ま、いっか。臨床では、患者さんの評価が最大・究極。「治して何ぼ」の医師に徹するかな。一種の負け惜しみと採られるのは甘んじて受けましょう。4番目は、話にならん。「修行が足りんわ。あははっ・・・」の「LauChen from Virture Fighter」風。修行しいや~、先生方。医師に生業を求めたからには、日々学ぶこと。それが出来ないものは、ヒトの病苦やイノチに係わるべからず。再褐「生活が・・・>ウンチをお喰らいませ」。少なくとも、偉そうーに、思いつきを語ったり、突拍子もない治療法をサモ権威があるかのように施して、患者さんを地獄に突き落とさんで下さい。

また、思い出した。経口ステロイドのプレドニンをこっそり不適切に処方してる不埒者。

15年前くらいでもう嫌な作業は終わったと思ってました。プレドニン漬けにされた患者さんの離脱。その頃は、先達に罪はなく、夢の特効薬の隠れた将来に禍根を残す副作用に医療側も苦しんで、のた打ち回り、必死で後始末をしていたのですから。これが、医療史というものです。この頃につらい目に合った患者さん達に寛容を望みたい。後輩としての精一杯の詫びです。

で、何なんじゃ。無反省な雨後の竹の子のような新参の医師たちのノサバリ様は。医師がどれほどヒトの運命・幸福にかかわってるのか自覚はあるのか。プレドニンを20・30mgも投与すれば、大概な炎症は治まりますよ。どんな駄目医者が出してもクスリはクスリです。この良き強力な抗炎症剤はきちんと仕事をしてくれます。このクスリには頑張って欲しい時が多々あるんです。【使う奴に間違いがある。クスリに罪はない。】この部分を誤解しないで下さい。

この流れで、腕の悪い医師ほど、不要なタイミングに、過量の内服ステロイドに手を染める。もちろん、その医師には、減量・離脱の力量はない。それでもって、戸高の嘆きが今も続くのです。その駄目医者たちの被害にあった方々が、今ドキの喘息治療の黄金期に(吸入ステロイドの新世代を主流にする)、小生のところに離脱を願って、駆け込んで来る。

吠える!

戸高は、駄目医者の後始末の為に医師になったのではない。喘息、咳喘息の患者さん達に少しでも早く楽になってもらおうと。それが今の戸高の一番の生きがい。もっと前向きの診療をさせてくださいよ。ね、同業者さんたち。

ちょっと、文章が乱れてきました。早朝5時から7時半までキーボードに向かってたら、やはり思考が奔逸かな。本日はこれまで。戸高の【魂の叫び】でした。ご清聴有難うございました。