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【喘息と糖尿病】服薬指導の提案 2

2006-09-12 21:46:41 | 健康・病気

いつもの、嘘つきドク・ホリディですラ。

続きは新たにここに起こします。最近、ブログというには小生のは長すぎるとか、不評らしいので。それに、テンポもまばらで、気まぐれですよね、自覚はあるんですけど。

で、【糖尿病】で検索してこのブログにたどり着いた方々へ、ささやかなメッセージ。

ここ数年糖尿病の治療学は飛躍的に進歩の時期を迎えてます。たまたま喘息のここ数年と相似性があります。

主流は、相変わらず、第2世代SU剤(スルホニル尿素・ウレア:ダオニール、オイグルコン)と、αーグルコシダーゼの組み合わせ。使いやすい、量の調節である程度までは賄いきれるので、これさえ知っておけばと、一般内科では結構使われてます。ちゃんと長所があるので主流です。この考え方は大事です。ポリシーのしっかりしたものがない分野ではそうすべきです。

ですが、ちょっとばかりジレンマがある療法なので、一言。主にSU剤の性格から来るのですが、医師の間で衆知なのは、大量に長期使ってると、結局インスリン分泌不全を招きやすく、インスリンの注射に移行せざるを得ない弱点があること。インスリン抵抗型に対しては、無力・効果がうすい。の2点。

そして、小生が指摘しておきたい3番目の事実は、臨床の現場で多々起きてる、患者さんの不運としか言い様のないやり取りです。というのは、SU剤が主ですが、すい臓を刺激してインスリンを多めに出させるようにするため、体内のインスリンの効果が上がり、結果として、脂質をしっかり蓄えてしまうのです。つまり、まじめに治療薬を飲んでるヒトほど太ってしまう傾向があるのです。それを、不勉強・バッシングにためらいのない医師が、よりによってマッチ・ポンプのごとき「ちゃんと食事制限してるのか?運動してるのか?」と。叱責してる診察室でのやりとりのなんと情けないことか。お医者さんあんたが愚かなのに、何で、まじめで、懸命な患者さんをとがめるの。SU剤で血糖をコントロールする場合は、肥満のリスクも知らなくちゃ。素人サンを苦しめちゃ罪ですぜ。

最近は、第三世代のアマリールが注目で、勉強してるドクターは結構これを主剤にしてきてます。というのは、インスリン分泌の促進が強すぎず、かつ体内でのインスリン節約のまま、糖の有効活用を促す作用を併せ持ってるのです。個人的には画期的な次世代薬と思ってます。

でもって、主流にまで放ってないけど、BG剤(ビグアナイド:メルビン)はインスリン抵抗型のとき、低血糖のリスクもなく、服薬タイミングに神経質にならず、安価な治療薬が、復刻版で見直され始めてます。ま、腎臓に弱点のある方に関しては要注意ですが、大概において、500mgから750mgは結構使いでのよい薬です。欧米は派手でもっと多量です。

アクトスっていうのは、これまた慎重に設計され、大規模なエビデンスを手に入れた新薬です。インスリンの分泌に全くかかわらずに、血糖値を下げるのです。ある種BGの改良型と考えても大きく外れてないでしょう。高価なのと、Naナトリウムを本来的な腎機能への影響でひっぱって来るために、若干女性に優位に浮腫みやすいのが難点ですが、知ってれば使い勝手の良いクスリです。当世はやりの内臓脂肪を減らすのは魅力ですね。

ごく最近、短時間タイプのインスリン促進型が3製品出てますが、小生は、患者層のためにいまいち処方が伸びません。食後の過血糖を防ぐのが、動脈硬化(脳梗塞・心筋梗塞の危険因子)の一番の予防といわれてますけれども、仕事バリバリの方々には、服薬コンプライアンスを望むのが厳しいです。「箸を両手ではさんで、いただきますの時に服用」お昼の忙しい時、飯食うのもやっとの時に難。夜だって仕事の飲み会で難。

戻って、αーグルコシダーゼは、小腸でブドウ糖=グルコースの吸収をおさえて、食後に急に血糖が上がるのを防ぐクスリ。だが、対費用効果がきつい。HbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シーと読む。ヘモグロビン何たらでも通じます。)の低下率の割に、費用が掛かるのが最大の弱点。副作用が、放屁・腹満くらいで、危ない低血糖がないのは良いのですが、学会の中心的先生方もこの点を憂えてます。高脂血症の分野でも、昨今対費用効果を教授たちも考える時代なのです。「これだけの費用で、これだけの方が良くなる。」今の医療の根幹です。

まあ、それやこれや、いろいろと、皆さんが思ってる以上に、目まぐるしく5系列の薬剤を考慮して処方してるのです。医者って案外頭の中が忙しいんだ。です。

 

 

【喘息】の服薬指導・良質な診療関係とは。

小生のブログ・ホムペは呼吸器が軸なのに、やっと戻りました。要点から言うと、大胆には【いい加減にクスリと付き合うこと】。

絶対勘違いして欲しくない方に忠告。人間自力で治したい、クスリに頼らずに治したい、はては、【特保トクホ】なんちゅう訳の分からんお墨付きの【健康食品】(何が食品や。上手くもない錠剤や液体をゴクンと飲見込んで、おかしくないですか?それ食べてます?【食品】というのは美味しく食べるものしかないでしょう。ウソのクスリなんじゃないですか。保障の無い、危ない。警告しときます。)だけは大量に摂ってる。何かがおかしい。皆さん気付いて欲しい。糖尿病のかたのアンケートに、よく現れてます。クスリとかロクに飲みたがらずに、捨てたりしてるのに、何万も払って健康食品と言う名のクスリまがい物は40、50%の方がやってるのです。

だから、本来「いい加減」という表現ではなく「適切に」が正しいのですが、クスリから逃げたがる人たちと違って、きちんと飲みたがるヒト、飲まないと不安なヒトへのメッセージだからこの形です。体の調子で、減らしたり、ゼロにしたり、通常量・若干増量ができること、そのほうが、長期的にも身体に良いことを、知って欲しい・体感して欲しいからなのです。

【服用を忘れてしまった時こそチャンス。】が小生の決り文句です。そのくらい不安が消えた証拠です。意識して減量した時よりも成功率が勝ります。不調に成ったら、その時点で改めて使えばいいのです。病気との付き合い方は皆さんが思ってるほど、理論的・予測可能なものではないと思ってた方が現実的で、良い結果が得られやすいものです。つまりは試行錯誤・トライ&エラーが順当なのです。

胸を張って、「調子が良かったので、まばらに服用してたもんで、残薬が心細くなったんでもらいに来ました。もらえますか?」5月の末に30日分の処方もらったきり、8月にやってきた患者さんの台詞です。これが、当院の主流派の患者さんです。マスターできてるんです。自分の病状を観察して、程よい治療を自分自身で決定・実行し、なおかつ、クリニックに頼らないで済むような結果を手に入れたからこその、受診ペースなのです。ま、6・7・8月は呼吸器科の病気のゴールデン・マンスではありますが、この時期に、自信を身につけるのも大事なことです。

分かりやすいかのなと思って、喘息と糖尿病を例に取りましたが、

【底流】の治療計画、患者背景の加味、伝わりましたでしょうか。今後、貴方がやむを得ず、医療側と付き合うときの、ベーシックな判断基準にしていただければ幸いです。

ついさっきから酔ってます。いつもすいませんが、時間的に、本業のあとの寛ぎ(クツロキ)゛タイムなんで、甘えたままの戸高でした。自負一つ、酔った割に、誤字、脱字のみ。文章の流れは、多分大丈~夫だ~ってか。お粗末。