テオフィリン屋さん | todakaclのブログ

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呼吸器内科開業医(救急救命15年/呼吸器40年)
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当面【gooブログ】で消失した過去ログ掘削が主です

テオフィリン屋さん

2006-09-19 00:25:33 | 健康・病気

というのは、小生の造語。勝手に自分の事をそう呼んでます。

その前に、お断り。本家のまじめなホーム・ページの掲示板BBSで、「疲れた、締めます。」と言った舌の根も乾かぬうちに、こっちのブログの方書いてます。分析すれば(大げさな言葉使うなや)、強力な無視するわけには行かない発言が、さらっと書き込まれたもんで、必死で【防御的・防衛的】に敬意を損なわないように、言葉を選んで返信してたのが、結構ストレスだったみたい。防衛的というのは、読んでくれてる読者を守るため。偉そうかもしれない。

で、こっちだと、言いたい放題の発信源なので、自説を好きなだけ一方的に語れるから、開放感がある。そういえば、アルコール入れてなかったのも自粛とはいえきつかったかな。

【本題】テオフィリン屋さんの自己主張。喘息治療の多様性・選択性。の2つです。

オジジは、歴史から語ります。小生の現場の経験がある歴史は20年でしかないが、その中でも革新的な治療法の進歩がありました。後で語ります。もとは、16世紀あたりから、コーヒーが喘息に効くというのが注目され始めました。18・19世紀にカフェインよりも微量だがコーヒーに含まれてるメチル・キサンチンというものが、効果が20倍くらいあるということで分離して服用しようということになったけれども、これが、高く付くので、実用化にはいたらず。生成するのに費用が掛かりすぎるので、一時あきらめムード。ドイツの学者さんがキサンチン類の代表であるテオフィリンに関しての論文の最初だったかと思う。相変わらず、本を横に置かずに書くので、多分、が多い。

ここから、近代史。1940年頃相次いで、テオフィリンと、β-2刺激剤という喘息治療の2本柱が産声をあげた。治療薬として、実用レベルの精製度と、費用の妥当な生産性を手に入れたのです。ベータのほうは忘れちまいましたが、テオフィリンは確か尿酸治療薬の生産過程あたりで副産物として、尿酸そのものの修飾物(化学バケガクでは、○○其を変換とかいう)として結構安上がりで造れるようになった。アミノフィリンというのもこの頃だったと思う。こいつはテオフィリンの兄弟・いとこに当たる奴で、水溶性があるために、テオフィリンの弱点だった点滴治療に活躍してる、現在も。

β-2というのは、話が長くなるが、自律神経のうち交感神経というのが、ヒトを種としての動物としてみると、例えれば原始時代の、狩猟で集団を組んで獲物を追い掛け回してる状態に優位になる神経で、酸素をたっぷり取り込むために呼吸は深く・大きくなり、心拍は増加して多量の酸素とブドウ糖を血液を介して全身に送り込む。特に筋肉に。皮膚も筋肉から発せられる熱を最大限に処理して熱がこもらない様に働く。目・耳・鼻の感覚器官も研ぎ澄まされる。替わりに、胃腸は休憩モード。こいつらは獲物をしとめて、洞窟で安心して食事をするときに活発になる。他の器管・臓器を休ませながら。

その交感神経のレセプター(受容体)にαアルファーとかβベータがあって、アドレナリンやノルアドレナリンという伝達物質がくっつくことで、それぞれの臓器が役を演じる。で、βには心臓に関係するβ-1ワンと、気管支・呼吸に関係するβ-2ツーとがあって、各々に働きを増強させます。

分かりやすいので、発作止めハンド・ネブライザー、スプレータイプを例えに出していうと、メジヘラという第一世代のものは、精製技術の制約で、β-1とβ-2がほぼ半量ずつ働いてしまうため、発作が楽になるのは良いが、ついでに動悸が起きたり、心臓の負担がリスクとなっていました。(個人的な非難、たまに同意見の先生もみうけますが。ストメリンDとかいうものが、ステロイドと合剤にして、ステロイド離脱用とか衣を替えて、羊皮の狼、未だに市場に出回ってるのは許せません。新世代の改良薬が手に入る現代だから。)

そして、歴代の研究者・臨床家・技術者、患者さんたちの努力の成果で、今の新世代の【メプチン・エアー】がβ-2の働きが殆どの薬剤(選択性といいます)として流通してるのです。製薬会社の努力もあり、全国区です。

【サルタノール】も忘れてはいけません。選択性でやや劣りますが、生体の妙というか、選択性が一番のメプチンには一つ欠点があります。というのは、β-2というのは指先の微妙な・繊細な動きのコントロールにも関係しているらしく、効果が余って、10人に1人くらいは、手・指の震え・振戦を覚悟して使ってるのです。存在を知らないものだから。医師が知らないケースがほぼ全部で、患者さん側はただの不運です。精製度がやや低いのか、薬剤そのものが違うための特性なのか、サルタノールでは小生の実感上100人に1人もいません。交換にトライすべきでしょう。

【ベロテック】も個人的に3番手に挙げます。これは、古くからの生き残りです。全2者が効果として、10とか9.5だとすると、速効性において、12くらいはあります。古いので動悸も有りますが、頼りになります。小生の患者さんでも、サルタノールを通常用、この発作は厳しいと思ったときはベロテックと使い分けてる方が案外います。(軽いときに使うと、「グッ」ときて、きついからだそうです。)まじめに治療に取り組んでる患者さんにとっても存在すべきものなのです。7年ほど前のことだったでしょうか、このベロテックをある高名なキャスターがロクに学習・検討もせずに、【悪役】のクスリとして扱った時期がありました。このクスリが喘息患者さんの命を奪ったかのように。このクスリさえなければ、死なないという、児戯にも劣るご高説。ナイフを取り上げれば、子供がヒトを殺さなくなりますか。刃物の使い方、自分自身を怪我させるものであることを伝え・教えることが本道でしょう。

このことは、ある現役の大学教授がご自分のホーム・ページで、そのキャスターのご高説に乗っかった人物たちとご自分の全身全霊をかけて戦った記録を残されてます。その上、そこには、すごすごと引き上げていった、そのことで、自説の間違いを公表してしまったことになった、偏った意見の持ち主たちが登場します。興味のある方はご覧になってください。消えていった、尿を飲む健康法、何年か周期で繰り返される2リットル水飲み法。と似たエビデンスの信頼度の低さが故の、儚ハカナさです。この教授の熱意にエール。患者さんを守るために想像を絶する労力を割かれたことだと察します。ご苦労様、今後もご活躍ください。

今日のは、いつにもまして話題が飛ぶ飛ぶ、地下壕を掘ってたかと思うと、遥か高空に舞い上がって空中戦だ~。戻します。

テオフィリンとβ-2はほぼ同時期に出回ったのですが、それぞれに違う形で、実用性に手が加えられて行きました。β-2は今話した、短時間作動型の選択性を増す事による、効果・福作用のバランスを良くすること。そのほかに、長時間作動型の開発。内服では数多くありますが、吸入は2剤のみ。一方は、治験段階かも。

テオフィリンはというと、その効果は、当初より、発作止めとしても、発作の頻度・重さを減らす長期管理薬としても認められていたが、いかんせん元々作用時間が短い。それで、徐放剤が開発される。1960年頃、アメリカの現シェリング・プラウ社の前身である会社で作られたのが走りだそうです。その後、1980年代に日本では、その技術を多分ライセンスとして、三菱ウェル・ファーマ、日研化学がテオドールとしてデビューさせ、前後して、エーザイからテオロングが発売になった。徐放剤というのは短時間で血中の働きが消えてしまうクスリを、主に小腸での吸収をコントロールすることで、8時間とか12時間とか長い時間効き目が続くようにした剤型です。他にも、前駆体型とかいって、体内で徐々に効き目のある形に変化していくタイプもあります。まだあったかも。

小生が、テオフィリンといってるものでよく現場で使ってるのは、このテオドールと、後発品ゼネリックのテオスロー、それに状況でテオロングの3剤が殆どです。テオスローは後発品にしては良く頑張っていて、10年前は親のテオドールだったら600mg/日でコントロールするような中等度の方でも、900mgつまり3錠を3回も内服してもらってトントンでしたが、いまは9掛けの感覚です。この性質を使って、男性にテオドール、女性にテオスローを初回は減速にして使い分けてます。テオロングは、若干の立ち上がりの速さと、効果の切れの早いことを実感に、テオドールと違ったタイプに使います。偉そうに言ってますが、実際のところ、テオドールよりテオロングのほうが自分の身体に合ってるという患者さんも結構いて、歴戦の勇士の言葉なのでおとなしく処方してると、本当にコントロールがよいのです。これが、また、喘息の治療関係の機微・難しさのひとつになるのです。このちがいが、決して無視してはいけない事と、感じるだけのセンサーが医師側に要求されるのです。

テオフィリンを使ってると、匙加減、患者サン個々の個別性、その時期の同じ患者さんの状況により1日量ばかりでなく、内服のタイミングまでも考えないといけません。

そう、語らなかったテオフィリン製剤には1日に近い20時間くらいを目標にした、超徐放とでも言うものが多々あります。【サーカディアン・リズム】という言葉が必要です。喘息発作は、自律神経を主に、ほかホルモンなど、日内変動の影響を受け【発作の頻度は、明け方前の4時にピークで、逆に16時はもっともボトム】というエビデンスがあります。これは、古くから実感・経験で知られており、なおかつ、2000年代でもきちんと高い評価をうけてる発表・エビデンスがあります。このサーカディアン・リズムを背景に、夕方・夕食後に超徐放タイプのテオフィリンを内服すれば、1日のうちで半分の発作の多い時間帯を濃く守り、残りの比較的安全な半日を薄くてももいいのではと設計され、理論的に強固に世に出たのです。

が、ここからは独り善がりかもしれない戸高の私見ですが、皆が4時4時(16時)ではないのです。統計上4時に発作が多くても、寝入りばなに多いヒトも、夕方前15時から発作が多くなる人もいます。統計の最頻値(中央値でもなく、算術平均でもない)でさえも、医療は個別性の壁をもって答えます。そのときに、200mg2錠を夕食後と処方しても、なかなか、現場では上手くいかない患者さんが結構な数でいるのです。100%の患者がこれで良くなると、開発に携わった人たちは小躍りしたかもしれません。臨床医の日々の熟慮の労苦を取り除いてあげられるとも。

でも、これが現実です。目の前で発作で苦しむ方、夜間一人で苦しんだ後に、今は発作でないけど、この先生は理解してくれるのだろうかと不安な方。その全てをたった1剤で治せればとても喜ばしいのですが、今のところ存在しません。というか、臨床家に限らず、研究者も、こと喘息という【不可思議な病気】の治療薬は果てしなく戦いつづけるものではないかと予感してはいませんか。戦った歴史が個々人で長いほど、そう思える気がします。

不可思議なんです。生きるために大事な呼吸・気管・気管支が何を勘違いしたか暴走して、苦しめる。呼吸困難・息苦しさ・息が吸えないつらさは最大の苦悩の一つです。はては、イノチを奪うことさえあります。近年日本では3000人まで低下させることが出来ましたが。ことは、イノチだけではなく、発作の頻度・重さ、臨時の受診、入院もへらすことが治療の長期的な目標です。イノチの問題だけ話題にして、恐怖を用いるのは医師として、医療側の人間として正しくないと存じます。最近は、そのような発言が目立ちます。一般の方々、患者さんの人格を幼児として侮蔑してるようにしか思えません。そんなには、医師は偉くないし、神でも、教祖でもありません。思いあがりもはなはだしい。また、怒りで矛先が変わったので戻します。

ココからも、小生が今までの経験と修練のなかで感じてるだけの、私見に過ぎず、エビデンスとしては最低レベルです。心得てから、読んでください。

【治療の多様性・選択性】

必要なので、また前フリです。医師としての自分史を読んでみてください。喘息の講義を大学で受けた記憶は30分か1単位の90分だったような気がします。サボってることが多かったので確信はもてないのではありますが。

なのに、経歴にも書いてる、大手の研修病院に勤めたら、来るは来るは、外来でターンと、入院でも次から次に喘息で困ってる方が。これは、ある意味仕方ないことで、最高学府は、研究の場で臨床の現場とはズレが生じる。にしても、せめて半人前としてでも役に立つようになるまで、よき師匠たちに恵まれた好運をもってしても、結構な年月を要しました。

1985年(昭和60年)が入職だったので、先輩たちからはロクマルと呼ばれてました。奇しくも徐放剤のデビューと前後。何と、知名度が低くて製薬会社の苦労してた第一世代の吸入ステロイド、ベコタイド(グラクソ・スミスクライン)、アルデシン(シェリング・プラウ)の2剤が産声を上げてすぐだったという話を、半年ほど前にMRの古参の方から聞きました。小生のミニ講演会の後だったので、中堅の担当MRの方と盛り上がった覚えがあります。

懐かしんじゃいますが、ロクマルの中で元気だった小生は、10年目を待たず飛び出しちまいましたが、一人は、循環器科で穏やかだが自信にあふれた医師に(小生に言われたら終りかもしれないが、ちょっと変わってる九大現役組)、一人は外科⇒麻酔科の職人になってます(やや年喰ってるのと、生来の自己犠牲がはまった九大物理の先輩でもある)。誇らしい同期です。

その当時、長期管理薬の代表は、テオドールと内服ステロイドのプレドニン。インタールというパウダータイプの抗アレルギー剤が特に小児でエビデンスを持ってましたが、他は、有象無象の抗アレルギー剤。厚生省・製薬メーカーの方針とが相まって、効果は疑問だが、副作用がないから、ま、いっかのクスリ達。去痰剤というのも結構使ってました。

成人は、アレルギーの要素が少なく、喘息の病態も主体は気管支の可逆的収縮・粘膜の浮腫・粘液の過剰分泌と解釈されていたので(今もこの解釈は含まれています)、それに有効なテオドールと、β-2の内服薬を用量・用法を工夫して、プレドニンは、重いヒトには定期で、1錠を1日おき(隔日投与という)になるまでコントロールするのを目標に使ってました。それで、発作がでたら患者さんが自分で対処できるように、β-2のスプレーを持たせてたのがその頃の医療レベルです。最善のはず。それでも、発作が重くて自己治療が及ばなくなった時は、患者さんが来院して、先ずはNBLネブライザーでβ-2、息が吸えないほど重ければボスミンの微量を皮下注(そう、あのボスミン。心肺蘇生の静脈にバシッとボーラスで1Aアンプルもいれる。同じ物ですが全く違うことを期待して、全く違う使い方)。

そのあとは、お決まりの点滴。アミノフィリンの量、サクシゾン=ソル・コーテフやソル・メドロールを考慮して、1本目で無理だと思ったら、24時間の持続点滴や、酸素吸入で、そうなると入院しか手はない。最悪、人工呼吸器を使わないともう自力では疲れ果てて、精神的にも、横隔膜の筋力にも限界がきてるので、呼吸器科の専用室かICU集中治療室行き。これはもう、一人のちっぽけな医師にとっては無茶苦茶厳しい状況ですラ。目の前で、日頃外来で親しく語ってたヒトが、逝くかもしれないのです。プロの医師としても、友人・知人としても治療には恐ろしい重み・決断を迫られる。この世界は、いつか日を改めて語ることがあるかもしれませんが、半端な気持ちでは戦いつづけることは出来ません。

この患者さんの戦いと、それを援助する医師・他の医療人の戦いを、現在どれだけの方が、理解できますでしょうか。想像できますか。

なめて欲しくないなー。病気は、ヒトに挑戦状をたたきつける猛獣・モンスターなのです。

人工呼吸器の患者さんに、初期の吸入ステロイドを弁つきのTピースという道具を使って、蛇管の途中から、1日4回8パフ(吸入)を送り込んだ時、たったの800μgで。サクシゾンの1000mg、2000mg、ソル・メドロールの1000mg(数字は記憶がボヤケてます)、テオフィリン濃度が20を越えて25前後まで、ボスミンの皮下注が3とか4回ではなく、10回を数えたような恐ろしく医師が追い詰められていた時に。効いたのです。その驚きと感激は、小生ばかりではなく、ICUの協力者・看護婦たちのものでも有ったのです。確か、患者さんは人工呼吸器と自発の呼吸がけんかする(ファイティング)のが治療に妨げになるので、意識を落としてた(セデーション:その病院では3剤併用が主流)から、あとで話を聞いてご自分の幸運さを感謝してたことでしょう。

ま、発作期、急性期に何が起きてるかは、こんなイメージで。もし、一般医家の先生がお読みでしたら、それを体験せずに今があることを、返って感謝してよいと思います。だって、このつらさで、何人も呼吸器科をあきらめるのですから。そして今の時代の、喘息治療薬の発達に感謝すべきでしょう。イノチのやり取り、患者さんにイノチを預けられ、「これから眠りますので、どうぞ、目覚めた時はこちらの世界に戻しててくださいね。」なんてね。お願いされることが、当たり前だった戸高の気力・胆力・志し。察してください。ヒトを助けるために生きてる。その言葉は、このころはそのものだったのです。

現在は、各社・研究・臨床の関係した方々のおかげで、吸入ステロイドの3剤が効率において喘息の重症化を防ぎます。初代の2剤は補助具(ボルマチック、インスパイアー・イース)を使ってさえも確か1割ぐらいしか気管支への分布がなく、使いにくさからも広まらず、我が恩師も苦労してました。そのころは、誰も吸入ステロイドのことなんか耳を貸さなかった時代です。恨み節。それが何かいな、今はネコも杓子も吸ステ。本能的な疑念が湧きます。医師たちに大部分の医師たちに、信念の希薄さを。

まるで、昔から喘息を診て来たように語られると、ジジイの勘ぐりかもしれないが、人間としての信用度が低いのですよ。患者さんよりも同業者の方に疑いを抱く。小生が勝手に不幸なのかもしれないですがね。

まとめの努力

ガイドラインは最低限これを知ってて、患者さんをひどく外れた治療で不幸にしないで下さいというのが、真意でしょう。その中でさえも、2006年版では分かりやすく、吸入ステロイドを第1剤に。併用薬としては、テオフィリン、β-2、抗ロイコトリエンの3剤のいずれかを使いましょう。その3剤に優劣はつけず、実践する臨床家に判断をゆだねてます。

これを基本に、吸入ステロイドといずれかの1剤併用を長期管理に、発作期は当然の如くβ-2の短時間作動型(SABAサバと読む。小生は嫌いな言い回し)を上手に使う。使い方は、よく理解した上で正当なものを知っておくこと(小生のホムペのよくある質問とか、アレルギー学会にあります)。この2本柱が、主軸で、ココからぶれないことが医家のモラルと思います。他に、漢方やら、広義の抗アレルギー剤もそれぞれのエビデンスを持ってますが、今回はこの主力たちの話に限ります。

そのどの組み合わせを好むかは、主治医の裁量権に有るかもしれません。が、この自称テオフィリン屋の戸高でさえも、テオフィリンと吸ステ(これだけでも3×3の)の組み合わせだけではなく、セレベント(現在1剤のみのLABA長期作動型β-2吸入剤)とフルタイド、ホクナリン・テープ(β-2の売れ筋貼薬)と○○、許されることなので、ステロイドなしのテオと抗ロイコ、軽くてコントロールが楽勝の方には、スプレーを充分な本数渡してあんまり続くときはテオフィリンを3日間は内服。これくらいは普通に思い出せるくらい多様性・個別性・患者さんの側からの選択性持たせてます。

絵に描いた餅のように、トラのように、こうすれば消せるなんてなった病気は、有史以来一つも無いと記憶しています。天然痘がほぼ最初の候補ですが、どうかな。返って生物兵器の危惧?浮かれないで欲しい。このクスリさえあれば、この病気は征服できるなんてのは、夢幻ユメマボロシ。戸高は自信家・自信過剰で楽天的面が前面ですが、かなり深いところで慎重派で、【自然】というものに対して畏敬・畏怖は忘れません。人類がねじ伏せるというのは、傲慢で、愚かしさしか感じえません。

最後に、【希望的な話題】

このいつ果てるともない病苦との戦いに、少なくとも医家の中に疲れを知らず前に進みつづける一群がいます。小生もその一人で、決して、疲れたもうやめますなんて弱音は、あと20年は吐かないつもりです。日々修練して、これさえあればなんてかっこいいことはいつまでたっても言えないけれど、親が我が子が立派な社会人になるまで、あれやこれやと、1回1回悩みながら、解答・解決法を見い出すように。そこに、価値があると思います。

こんな灰汁アクの強い奴なんで、相性が悪い方もいます。ご勘弁ください。00:24正味6時間なり