2018/12/14:投稿
2022/01/05:更新
このたび、鉄コン其古卍に番外編を設けることにしました。
これまで、ボツ案件を含めると、鉄コン其古卍シリーズで見て回った建築は50を超えたくらいになりました。
著名な建築を見るのは、確かに楽しい体験ではあります。一方、わたくし自身が遠出して、建築をみて、ブログにアップすることにどれほど意義があるか、看過しがたい疑念が生じました。建築、中でも「スター建築」の語り部は、わたくし以上に適任の方々が五万とおられます。
ついては、今後、このセンターの様なマイナー案件をお伝えする方に、心の軸足をシフトしたいと考えております。
これまでを振り返ってみても、メジャーな建築のレポより、真岡市総合体育館、カトリック日立教会、メイプルカフェなどのように、建築界やアート界の手垢がほとんどついていない物件を取り上げた時の方が、わたくし個人の達成感は断然上を行きます。また、「記録」という観点からも、マイナー建築の方が後世で役に立つでしょう。
といった次第で、鉄コン其古卍・番外編 Part 1、常陸太田市自然休養村管理センターをお届けします。

本センターを訪れたのは全くの偶然。思い出いっぱいの宿泊施設《里山ホテル ときわ路》の廃業(2018.8.31閉館)の報に驚き、急ぎ同ホテルに行った弾みで、この建築とご対面しました。
「ときわ路の奥に、こんな建築があったのか!」とビックリ。

円柱の外縁をV字型に駆け上がる造形が特徴的。
来訪時は草ぼうぼうで荒れ放題。

月並みですけど、芭蕉の
─── 夏草や兵どもが夢の跡 ───
の句が脳裏をよぎります。なぜって、2016年秋には↓こんなたったんです。
芸術を通じた地域振興を錦の御旗にして予算を貪る役人と、そのおこぼれに群がるアーティスト…
「静寂の痕跡」とは聞いて呆れます。

中まで荒れ放題。これでは「乱痴気騒ぎの後」と形容する方がふさわしい。
「これでアーティストを責めるのはお門違いだ」とのご指摘もあるでしょう。しかし、制作時のアーティストの真意や行動とはかけ離れた視座から芸術作品が評価されることは、ままあることです。たとえば、ナチスとともに参照され、ときに否定的に語られるリヒャルト・ワーグナーなどはその一例です。
このご時世、アーティストが公的な資金やイベントに関わる際は、事が終わった後どうなるかまで冷静に見据えて、コミットの是非を決めて頂きたいと思います。ちょっと熱くなってしまいました。失礼、失礼。
ちなみに、市の担当部局に照会したところ、

このセンターができたのは1980年で設計者は不明とのことです。
まるで「鶴翼の陣」のような

この建築のファサードには

自明のモチーフがあります。
それは、常陸太田市の

市章。流麗な造形の参照先は、この市章とみてよいでしょう。
ときに、このトンガリ部分、車寄せの屋根に当たる部分に設けられているのですが、それにしてはいささか低過ぎるような。

ワゴン車でアプローチするとガリっと行きそうです。人の出入り口は「両翼」左右に別途あるので、トンガリの下は車両進入禁止なのかもしれません。
丘に登って斜め上から

落葉しきって見通しは良い方だと思いますが…


いまいち全体像がわからないので、
Google先生の助けをかりて、衛星写真で真上から見てみましょう。
本格的なマウンテンバイクコースが隣接しており、ここはその受け付けとして使われている(いた?)ようです。衛星画像や地図に「ふるさとの森MTBトレール受付」と表示されるのはそのため。
「トンガリ」周りの点景をいくつか。





門外漢が短時間で外から見た限り、掃除すればまだ使える感じがしました。
2022/01/05:更新
このたび、鉄コン其古卍に番外編を設けることにしました。
これまで、ボツ案件を含めると、鉄コン其古卍シリーズで見て回った建築は50を超えたくらいになりました。
著名な建築を見るのは、確かに楽しい体験ではあります。一方、わたくし自身が遠出して、建築をみて、ブログにアップすることにどれほど意義があるか、看過しがたい疑念が生じました。建築、中でも「スター建築」の語り部は、わたくし以上に適任の方々が五万とおられます。
ついては、今後、このセンターの様なマイナー案件をお伝えする方に、心の軸足をシフトしたいと考えております。
これまでを振り返ってみても、メジャーな建築のレポより、真岡市総合体育館、カトリック日立教会、メイプルカフェなどのように、建築界やアート界の手垢がほとんどついていない物件を取り上げた時の方が、わたくし個人の達成感は断然上を行きます。また、「記録」という観点からも、マイナー建築の方が後世で役に立つでしょう。
といった次第で、鉄コン其古卍・番外編 Part 1、常陸太田市自然休養村管理センターをお届けします。

本センターを訪れたのは全くの偶然。思い出いっぱいの宿泊施設《里山ホテル ときわ路》の廃業(2018.8.31閉館)の報に驚き、急ぎ同ホテルに行った弾みで、この建築とご対面しました。
「ときわ路の奥に、こんな建築があったのか!」とビックリ。

円柱の外縁をV字型に駆け上がる造形が特徴的。
来訪時は草ぼうぼうで荒れ放題。

月並みですけど、芭蕉の
─── 夏草や兵どもが夢の跡 ───
の句が脳裏をよぎります。なぜって、2016年秋には↓こんなたったんです。
芸術を通じた地域振興を錦の御旗にして予算を貪る役人と、そのおこぼれに群がるアーティスト…
「静寂の痕跡」とは聞いて呆れます。

中まで荒れ放題。これでは「乱痴気騒ぎの後」と形容する方がふさわしい。
「これでアーティストを責めるのはお門違いだ」とのご指摘もあるでしょう。しかし、制作時のアーティストの真意や行動とはかけ離れた視座から芸術作品が評価されることは、ままあることです。たとえば、ナチスとともに参照され、ときに否定的に語られるリヒャルト・ワーグナーなどはその一例です。
このご時世、アーティストが公的な資金やイベントに関わる際は、事が終わった後どうなるかまで冷静に見据えて、コミットの是非を決めて頂きたいと思います。ちょっと熱くなってしまいました。失礼、失礼。
ちなみに、市の担当部局に照会したところ、

このセンターができたのは1980年で設計者は不明とのことです。
まるで「鶴翼の陣」のような

この建築のファサードには

自明のモチーフがあります。
それは、常陸太田市の

市章。流麗な造形の参照先は、この市章とみてよいでしょう。
ときに、このトンガリ部分、車寄せの屋根に当たる部分に設けられているのですが、それにしてはいささか低過ぎるような。

ワゴン車でアプローチするとガリっと行きそうです。人の出入り口は「両翼」左右に別途あるので、トンガリの下は車両進入禁止なのかもしれません。
丘に登って斜め上から

落葉しきって見通しは良い方だと思いますが…


いまいち全体像がわからないので、
Google先生の助けをかりて、衛星写真で真上から見てみましょう。
本格的なマウンテンバイクコースが隣接しており、ここはその受け付けとして使われている(いた?)ようです。衛星画像や地図に「ふるさとの森MTBトレール受付」と表示されるのはそのため。
「トンガリ」周りの点景をいくつか。





門外漢が短時間で外から見た限り、掃除すればまだ使える感じがしました。