2018/10/24:投稿
2021/12/22:更新

 鉄筋コンクリートの建造物を巡る旅・鉄コン其古卍 Part 2、真岡市総合体育館です。

真岡市総合体育館の屋根を仰ぎ見る

 真岡市総合体育館の受付で頂戴した竣工当時の施設案内パンフレットによると、
──────────────────
竣工:1977年
設計:(株)荒川功雄建築設計事務所
施工:熊谷組北関東支店
──────────────────
真岡市総合体育館を駐車場越しに見る

となっています。しかし、時の経過のせいか、設計を手掛けた荒川功雄氏に関する情報は、Google先生もダンマリです。

 本館で特筆すべきは、花を伏せた様な屋根のデザイン。曲線美がいいです。上空から見ると、

八角形状をしています。なんとなくシドニーのオペラハウスを彷彿とさせるような?

 さて、視線を屋根から下げると、軒下にある通路の様な造作に目が留まります。

真岡市総合体育館の近景、左上に空

「二階席への動線にしては大仰だな…」と思いつつ、パンフレットを参照したところ、実はコレ、全長200mのランニングコースでした。

真岡市総合体育館の近景、右上に空

 大きくせり出す軒下を利用して、雨でもランニングできる屋外周回路が設置されているのです。着想の大胆さ、設計&デザインの直截さには、高度成長期の息吹を感じます。

 この周回路と地上を結ぶ階段の一部は、

戦後昭和建築ではお約束の『螺旋構造』になっています。

 ホワイエから二階席に向かう階段周りの意匠にも
真岡市総合体育館のロビーと階段

真岡市総合体育館の階段のアップ
昭和感が漂います。

 外の螺旋階段といい、ホワイエの階段といい、この頃はコンクリートやモルタルで曲線を描くのが流行ったようですね。

 ホワイエを飾る陶板は、
真岡市総合体育館入口の陶板装飾
益子焼・藤原郁三氏によるもの。

 ブドウ房型の照明からも
真岡市総合体育館内の照明。ブドウの房のような形
昭和の香りがプンプン。個人的には懐かしい感じがして好きです。

 昭和レトロ好きな方にはお薦めな建築です。