2018/11/14:投稿
2021/12/20:更新

鉄筋コンクリートの建造物を巡る旅・鉄コン其古卍 Part 5、メイプルカフェです。

青空に映えるメイプルカフェのフラッグ

 メイプルカフェは、茨城県日立市にある喫茶店です。と言い切っていいのかなぁ? 最近は、レストラン、カフェ、飲み屋、ビストロ、バル、…入り乱れて、よく分かりません。まぁでも、店名に「カフェ」が入っているくらいですから、主たる用途は喫茶なのでしょう!(^^;

 店舗スタッフによると、コチラは約40年前≒1978年頃、個人の別荘として建設されたとのこと。1階部で通常営業していて、2・3階は、オーダーが入ったときだけバンケット&イベント会場として使用されている、バリバリ現役の建築です。

メイプルカフェの外観

 建物の平面図は「ベルヌーイの螺旋」のような形状をしており、直上からみると、
メイプルカフェを真上から見る地図画像
巻貝の様な、アンモナイトの様な形状をしてます。

 基本モジュールから矩形を極力除外したメイプルカフェの造形からは、設計者の遊び心と諧謔を感じます。たとえば、もし仮に、現物を見たことがない人に建物外観の画像をシャッフルで見せたら、正しい順番で並べ替えるのに一苦労してしまいそうな、そんな”いたずら心”に満ちた建築です。

 内部空間に関しては、1階店舗スペースはスッキリとした単一の区画にまとまっており、一瞥で全容を直感的に把握できます。ただ、ここで早合点してはいけません。

 わたくしは偶然、2階のトイレを拝借したのですが、ホールからトイレの途上であっけなく方向感覚を失い、軽い眩暈を覚えました。

 40年も前にこれだけの別荘を立てた施主の心意気、設計者のセンス、施工業者の腕に感服するばかりです。

 以下、建物の南から北を向いたアングルから、時計回りで建物外観を一周します。

メイプルカフェの外観

メイプルカフェの外観

国道245号を
メイプルカフェの外観
はさんだ位置からパチリ

建物の各区画が
メイプルカフェの外観
雁行しています。

建物西側から
メイプルカフェの外観
真東を向いて

 1階から2階へと、外階段ならぬ“外スロープ”が贅沢な取り回しで設置されています。このスロープが強烈なアイキャッチとなり、国道を通ると否が応でも脳裏に焼きつきます。

北北西に回りこむと、

裏手っぽい造作になります。

 北隣はパチンコ店の駐車場なので、ここから2時方向≒北東側に移ります。

斜めに、かつ、捻じれるように

せり出した装飾が時代を感じさせます。



海側にはテラス席が

このテラス部分は、おそらく後から増設したものでしょう。

別日にテラス内から外に向けて撮ったところ。

がっつりオーシャンビューでございます。

晴れたときの展望をご覧いただきたいと思い、

手動でパノラマ合成してみました。

シコシコ画像を合成したものの、

もっとおあつらえ向きの動画があったというオチ…

 店内からの景色が素晴らしく、大甕駅から比較的近いので、日立にお越しの際は、是非ともお立ち寄りください!