殻の中にあるモノ | こどもの心はミュージカル!

こどもの心はミュージカル!

こどもの心は喜びにあふれ、歌いたくて踊りたくて、ワクワクしているものです!それは『創造力』『表現力』があふれているから。
その力を、ミュージカルをはじめとする全身表現で、大きく膨らませたい!――― それが私の大きな夢。




新美南吉記念館の横にある童話の森で、

1日ミュージカル体験ワークショップを

開催することになりました。


それに伴い、

南吉さんの作品を読み返して、

想いを馳せます。


その中に『でんでん虫』

という詩があります。


ボクの殻の中には、

悲しみがいっぱいなんだと、

一匹のでんでん虫が

仲間に話すと、

実はみんなそうだという。


みんなそれぞれに、

悲しみを抱えて生きている、と、

締めくくられる詩は、

若くして亡くなった南吉さんの

孤独感だったのか、

周りより鋭い感性を持つ

切なさだったのか…

昔の私なら共感していたなと、

思います。  


「でんでん虫、かたつむり

おまえの目玉はどこにある〜♪」


手遊びしながら、

この詩の寂しさを思いました。


グーの手とチョキの手を

でんでん虫に見立てて

遊ぶ手遊び。


終わってみたら、

右手はVサインだ。


左手の握られた手、

強く握ったら、

悔しさや悲しみを我慢する拳。


フワリと開けば、

「たなごころ(掌)」だと、

漫画『ルーキーズ』に

描かれていたな。


どっちにするかは、

自分次第。


確かに殻の中には

悲しみもあるだろうけど、

もし、

余地があるなら、

喜びを増やして、

気がつけば、

喜びでいっぱいにしたいな。  


小さな喜びを集めたら、

生まれ持った悲しみに、

あたたかな光が差すよ。


そんな気持ちになりました。


“街と珈琲”という南区のカフェで、

木で作られたでんでん虫、

梅雨の楽しい飾りにしようと購入して、

私は私の殻に、

小さな喜びをまた一つ、

増やしたのでした。