本気になる時間 | こどもの心はミュージカル!

こどもの心はミュージカル!

こどもの心は喜びにあふれ、歌いたくて踊りたくて、ワクワクしているものです!それは『創造力』『表現力』があふれているから。
その力を、ミュージカルをはじめとする全身表現で、大きく膨らませたい!――― それが私の大きな夢。


もうすぐ、私が指導に通う
全校生徒で行う小学校のミュージカルが
本番になります。

私が行くのは、本番以外は
今日をいれて後2回。

3.4時間目に
衣装を着た通し稽古が行われました。

先生たちも初めての通し。

段取りや何かがうまくいかなくて、
モタモタしたり、
待ち時間に集中が切れたり、
てんやわんやでした。

その様子をみながら、
私が次に伝えることを考え、
放課後にいよいよ、
私はがっつり指導します。

一つ一つの抜けているセリフ、
動きのにぶいところを
何度も何度もその少し前から
通るまで繰り返し、
体に覚えさせていきます。

これは少し追い詰めた中で
一気に高める方法なので、
何度もはできません。

(だって、こんなこと
何度もされたら、
気持ちがくじけてしまうから)

何度も繰り返す中で、
だんだんやけくそになってきたら、
身についた証拠。

自分ができても、
次のセリフの子が言えなかったら
その少し前からやり直させられるから、
周りに教え合いが生まれます。

苦手な子には、
誰かが目線を送ったり、
きっかけを作ったり。

自分だけができたらいいんじゃない。
全員で成功に向かい、本気になること。

伝えたいのは、それです。

その部分がうまくいったら、
私は大いに感心し、
演技が良ければ最大限に感動し、
本気でこどもにぶつかっていきます。

こどもは、本気を感じたら、
本気で返せる生き物です。

だんだん声が小さい子は大きくなり始め、
恥ずかしがっていた子も夢中になって、
自信のある踊りはますますかっこよくなり、
すごくよくなりました!


私はこどもに話しました。

なんでミュージカルみたいな大変なこと、
学校でやらなきゃいけないの?

そしたら、
一番に返ってきた言葉は、
散々、特訓された直後なのに、
「楽しいから!」と、返ってきました。

次に「家族に感謝を伝えるため」
「地域の人がいつも助けてくれるから、
お礼に見せるため」と、あたたかな意見。

そんなこと、考えてたなんて、
私は知らなかったなぁ

地域密着の小学校の子はすごいです。

そこで、私は言いました。

「私はみんなと
本気で生きる瞬間を味わうためだよ」と。

長い人生の中、
嫌なことをやらなきゃいけない場面や、
仲良くない人とも協力しなきゃいけない
場面はいっぱいあります。

また、仲良しとやる時にも、
意見を戦わせるべき時もあるでしょう。

そんな時、
やってみる前に諦めるんじゃなく、
とことんやってみる。

自分のためとか人のためとか
そういうんじゃなく、
一つの目的のために、必死になる。

いみじくも、今年の流行語大賞は、
「ONE TEAM」

やりきっていれば、
ダメな時でも清々しいし、
次にどうしたいかが出てくるでしょう。

小学校で、みんなが本気になる瞬間。

私はその本気の中からあふれるドラマに
感動しっぱなしです。


もちろん、
たくさんのドラマは既に動いています。

先生たちは、
こどもに段取りを伝えなきゃと焦り、
仕上げることに必死になりすぎ、
何を脚本から感じてほしいか、
忘れかかっていました。

ヤバイ、間に合わなかったら…
先生から伝わる空気はそれでした。

私は先生に言いました。

「このミュージカルの内容が、
こどもが人生なつまづいた時に
生かす言葉になるかもしれないんだよ。
そう思って、歌も音楽もセリフも
作ったんじゃないの?

それを伝えなきゃもったいないよ。

こんなに想いを込めて
やってきたんだから」 

私は先生たちが、
どれだけこどもたちを思い、
脚本を書いていたか、
音楽を作っていたか、
声かけしてきたか、
たくさんの装置や衣装を工夫して、
効果音を集めたりしてきたか、
知ってるから。

なんとか仕上げなきゃと
必死な顔だった先生方に
さわやかな笑顔が戻り、
目に輝きが宿りました。

こどもたちも、
グングン高まっています。

息の合う一年生の小僧さん役!
自信持ってやっています。
自分たちが出だしの雰囲気を作っている。
わかっているみたいです!

踊りをならってないのに、
まるでベテランみたいに
踊り込んでいてカッコいい子。

放課後練習後に、
さらにみんなを集めて
練習し始めた子がいました。


集団行動が本来は苦手なのに、
みんなに混じって、
一番はりきる一年生。

その子を見てきた先生たちの
嬉しそうな笑顔!

一年生の面倒をみる役に
なっちゃったから、
照れからしぶしぶ演技をやるつもりが、
気がつけば
誰より必死に演技してる
本当はミュージカルが好きな子。

歌の力を最大限に発揮する子。

声を上げて戦いを導き、
みんなを引っ張っている勇敢な子たち!

走る時は勢いのいいみんな。

転ぶリアクションの天才が
たくさんいるのは大阪だから?!

戦いで誰より勇ましい
キミも素敵だった。

寡黙だけど、
ジワジワやる気を上げて
スタンバイしてくれているのも
実は分かるよ。

思春期の心と戦いながら、
頑張ってくれる子たちもいる。


本気にさせたいなら、
誰より私が本気であること。

練習が終わった後はクタクタです。

マットに倒れ込んだら、
5年の優しい男の子が、
三角コーンで私を囲い、

「この中、立ち入り禁止にしとくね」

だって。

笑っちゃいました。

本番まであと少し。

みんな、輝け!