出入りが自由な関係 | こどもの心はミュージカル!

こどもの心はミュージカル!

こどもの心は喜びにあふれ、歌いたくて踊りたくて、ワクワクしているものです!それは『創造力』『表現力』があふれているから。
その力を、ミュージカルをはじめとする全身表現で、大きく膨らませたい!――― それが私の大きな夢。


とぶくじら広場のミュージカルは、
8月に役決めをします。

だから、それまでのレッスンで
しっかり自分を出す練習をしていきます。

まずは、自分をそのまま
ホイッと出すところから、
少しずつ仲間の中で出す練習へ。

それから次は
仲間とアイディアを出したら
一つにまとめたり、
構成したりしていきます。

自分が出るほど、
わがままさや強情なところ、
無関心になりがちなところ、
遠慮しいや、強引さ…
それぞれの人間関係の問題点も
露見してきます。

それが今日うまくいかなくても、
課題が見えて次回につながる。

そんなレッスンの積み重ねは、
子どもたちの中で、
より柔軟で居心地のいい関係を作る
土台になっています。

ボディートークでは、
一番いい人間関係は、
出入りのある関係だと考えると、
師匠の増田先生はよく言われます。

自分を出すときの
出す時と引くときのタイミングを
感覚的にとらえ、
自と他の区別なく、
渾然一体と溶け合う。

縛りがなく、
出入りが自由だからこそ、
ホイッと入りたくなる
命がホットに沸いている空間。

そんな人間関係のある場が
理想的だと。

どういう状態がそれ?

言葉の重さに、
現実感がなかったのですが、
ああ、これか!
昨日のレッスンでは、
そんな瞬間がありました。

昨日は、
『不思議の国のアリス』で
アリスとハートのクイーンが
クロッケーをするシーンの
即興をしていました。

トランプのあいだを、
クロッケーのボールの代わりに
転がっていくハリネズミ。
さあ、どんなトンネルと
トンネルの抜け方がある? 

と、いう内容です。

3人から4人でトンネルを作り、
そのうち1人がくぐる人をします。

小さい子がいるチームは、
仲間の中でだいたい小さい子に
そのくぐる係りを割り振っていて、
大きい子が複雑に
トンネルを作っていました。

逆に小さい子もトンネルを作るチームでは、
大きい子がくぐり方に工夫したりして、
なかなかユニークなアイディアが
飛び出していました。

すると、男子4人のチーム、
複雑に手と足を絡ませたトンネルを
作りました。

「お城トンネル」と名付け、
たしかにそびえ立つお城みたい。

しかし、そのトンネルを
4人で作ったため、
くぐる人がいません。

発表する時に
どうするかな?と、
見ていたら…なんと、
隣で振付していた
ほかのチームの子が
次々とくぐっていくではありませんか!

頼まれもせず、
頼みもしないで、
お城トンネルが作られたところを
楽しそうに、
通り方も工夫して
次々くぐる他チームの子の刺激に、
トンネル側もまた、
ちょっと工夫を足して、
ますますよくなっていきます。

わあ…なんだ、これ。

感動でした。

大人ならこんな時、
手伝いましょうか?と、声をかけたり、
手伝ってください、と、お願いしたり、
下手したら、見て見ぬ振りかもしれない。  

それが、楽しそうだから、
勝手に融合して、楽しみあって、
後はそれぞれに戻る。

思い出せば子ども時代は、
公園で鬼ごっこしていたら、
気がついたら知らない子も
一緒に追いかけあっていたなぁ…

出入りができる広場のように、と、
名づけた師匠のこどもミュージカルは、
「ミュージカル広場  星のこども」

私もその発想をもらい、
「とぶくじら広場」にしたのは、
こんな日のためだったなぁと、
改めて思いました。