「とぶくじら」の
こどもミュージカルが
無事、満員御礼、
大きな拍手に包まれて幕を閉じました。
インフルエンザの影響などもあり、
3人ほど出られず、
なによりそれが残念ですが、
周りの子みんながフォローして
素晴らしい本番になりました。
こどもはすごいです。
練習で遊びまわり、
心を自由にし、
仲間になるゆとりがあり、
私や指導スタッフの仲間と
じゃれあっていたら、
リハーサルで
力が出せなかったり、
泣いちゃったり、
緊張して固くなったりしても、
本番には大爆発してくれます。
でも、それは大人の本気無くしては
保証されません。
保護者の方々、
スタッフの方々、
そして、お客様のあたたかさなくして、
こどもたちは花開けなかったでしょう!
本当にありがたいことです。
年々、とぶくじらの主旨を
理解してくださる方が
ふえていることもありがたいです。
そんな中、
私の責任は、
ミュージカルを
こどもの成功体験につなげること。
誰かにやらされた、ではなく
自分のちからでやりきったと、
仲間と喜びあえるよう、
成功させること。
また、その子たちがやった後に、
客席から多くの拍手がもらえる
自己満足じゃない演技に
できるだけ高めること。
だから、日常から
いっぱいふれあって
心の距離を近くし、
背中もたくさんほぐして、
今、何を感じているかを
大事にしながら声かけをするよう
心がけます。
リハーサルで
ステージが怖くなり泣き出す子を、
どのタイミングでなぐさめたり、
ステージから下ろすか。
その子の本気になるスイッチを、
いつ、どんな形でいれるか、
どこで私が手をひくか…など。
太鼓をたたきたかった男の子。
本番直前までなかなか
スイッチが入れられません。
それは、彼は頑張り屋だから、
早くにスイッチをいれすぎると、
プレッシャーで練習しすぎて、
ヒートしてしまうから。
本番直前にスイッチをいれたら、
素晴らしい能力を発揮!
曲中などは彼のソロにし、
お客様は感動!
私と2台で共演する時は、
息がピタッとあう感覚がありました。
大事なお子様を預かる身、
リハーサルなどで怒る時にも、
かなりタイミングや怒り方を
考えています。
私が怒ったことが、
その子の背中を押さなくては、
心を傷つけるばかりです。
例えば…
今年はイブリーンという魔女は
悪役のボスです。
本当は迫力が必要だし、
作品の要だから、
大人でやろうと思ったら、
やりたい子がたくさん!
悩んだ末、
こどもミュージカルだから、
やはりこどもにやってもらいました。
Fカップのブラジャーに綿を詰め、
ものすごい大きなお尻を作り、
小さい体を大きくしますが、
迫力がでなければ、
見せかけの大きさは空虚です。
衣装も本人の希望を大切にして、
第1公演、第2公演で違う色や形にしました。
六年生の子の方は根性があり、
じっくり時間をかけて
役作りをするから、
早くから少し厳しく、
自分を超える強さを出すことを
指導しました。
彼女は初年度に
インフルエンザで本番出られなかったから、
舞台への思いは人一倍です。
細かいセリフや動き方に
迫力が出せるよう、
なんどもやり直させ、
体に感覚がわくようにしていました。
悩みつつもやればやるほど
伸びていきました。
そして、リハではあまり強く言うと、
彼女のやる気に水をさすから、
体の向きや手の使い方を教えるだけに。
本場では、
素晴らしい迫力!
最後まで白熱の演技でした。
問題は3年生でどうしても
イブリーンがやりたかった女の子。
本来はいたずらっ子ですが
声も動きも優しい子。
ふざけるのも好きだし、
練習は遊んでるし、
本気になるのは本番直前タイプ。
まだ3年生。
本人の気持ちだけでは
乗り越えられない時もある…
でも、
こどもの心をでっかくふくらませ、
飛ばすのがとぶくじら。
かけてみよう!
練習ではふざけてばかり。
でも、ふざけるのを止めたら、
彼女の良さがでなくなるから、
ニコニコ笑って見ていました。
どこで怒るか…
本気になる大切さを
たたきこむタイミングは…
本番直前しかない。
考える間がない中、
一気に高める!
だからそれまでは、
周りの子の迫力をつけていきました。
彼女のスイッチが入りやすいよう、
周りを先に高めたのです。
みんな本気だから、
自分もがんばらなきゃと。
我が子じゃないから、
怒るべき時にだけ怒る。
そうじゃない時は怒らない。
そうありたい。
どの子にも、心にケガをさせないよう、
細心の注意をはらっています。
そして言うからには、
意味のある注意をする。
怒り方をかなり事前に検討し、
間髪入れずに一括しました。
周りのみんなが縮み上がるほどに。
そして、本番までの間、
周りで私の声に縮んだ子は、
体をほぐしにあるき、
イブリーンの様子も細かく見ていました。
うん、大丈夫!
それが、
ステージに出たら、
大丈夫なんてもんじゃなく、
彼女の最大限の迫力が
全体に広がりました。
大切なものは、
自分の中にある。
知恵も心も勇気も、
成長の種も!
他にもたくさんのドラマと
感動がありました。
それはまた、おいおい…
みんなに感謝です。
ありがとうございました。
今日はホッとして、
ゴロゴロしながら、
みんなの衣装を洗濯しています。