私はボディートーク考案者の
増田明先生のもとで
こどもミュージカルの指導を
15年はしっかりと、
そしてそこから4年は
名古屋から大阪に通いつつ学びました。
増田先生はよく言いました。
優秀な看護師は
医師の手から何を求めているか
わかるもの。
ボディートークを深める中で、
相手のあり方から
なにを求めているか、
わかるようにならなければいけない。
それはなかなか困難な修行でした。
最初は先生の思いと
まったく違う動きをしたり、
先生が指導しようとする
こどもの前に立ちはだかってしまったり、
失敗ばかりでした。
でも、先生は
こどもの前に立つ時、
迷いなくやるべきことを
全身から発しているのが
感じられるようになった時、
初めて少し、
先生の言う「察すること」が
見えてきました。
気迫に満ちた先生の時は、
大きなシーンを演出する。
練習をスムーズにしたい、
流れを作りたい頭の働きの時は、
セリフを教えるプロンプターをする。
衣装のバランスや装置の兼ね合いを見つつ、
立ち位置を把握させたい時には、
装置の代用品を置き、
こどもの後ろから
サポートして場所を教える手助けをする。
レッスンを内側からワクワク
膨らませたい時には
一緒になって夢中にやる…
だんだんそれが、合致し始めると
嬉しくなった日々は、昨日のようです。
スタッフがいい動きができると、
増田先生の演出力が
ぐーんとスムーズに
こどもに伝わるからです。
でも、今思うと、
先生の全身が迷いなく
やることを語っていたから
アシスタントが動きやすかったんだと
思えてなりません。
指示は一つ。
ゴチャゴチャ説明しない。
相手の時間を
1分1秒ムダにしない(努力をする)…
先生が教えてくれた
人の前に立つ人間の心得が
前に立つようになり、より身にしみます。
私の全身からも、
明確なやるべきことが
透けて見えていたらいいなと思います。
そしてまた、
サポートする立場に転じたら、
サッときりかえられるチカラを
つけていたいです。