悪役を退治する大切さ | こどもの心はミュージカル!

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こどもの心は喜びにあふれ、歌いたくて踊りたくて、ワクワクしているものです!それは『創造力』『表現力』があふれているから。
その力を、ミュージカルをはじめとする全身表現で、大きく膨らませたい!――― それが私の大きな夢。

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昨日は専門学校の学生と作ってきた
ミニ.ミュージカルを発表しました。

悪役フック船長が出てきたとたん、
小さい子が数人、泣き出しました。

私は音響席で密かにガッツポーズ!

人のいい優しい人柄の彼が、
本番で迫力が出せた!

そして、初めて、
物語の値打ちが出てきます。

昔話には悪役がつきものです。

その悪役を、勇気ある主人公が
最後に必ず退治する。

それは、こどもの成長に、
必要なことです。

世間にある悪を見抜き、
自分の中にある悪を、
自分の力で退治する。

そこには、勇気と知恵が必要です。

今回、ピーターパンは
フック船長の口車に乗り、
空を飛ばない約束をしてしまい、
絶対絶命のピンチ!

腕力だけでは、
フックより体が小さいピーターは、
勝てないのです。

みんなに飛ぶことを促されるも、
約束したからには飛ばないピーター。

そんなとき、ワニを呼ぶことを
ティンクが思いつき、
ワニを呼びます。

フック船長がワニ怖さに
油断したすきに、
船長を海に落とすピーターパン。

以前、ある場所で、
これはピーターが卑怯じゃないかと、
脚本がカットされたことがあります。

でも、本当は、
人は一人で自分が強いと
思い上がっちゃいけない。

人の力や知恵を借りれる人間こそ、
本当にピンチの時には強い。

一人で威張って、相手を騙したら
バチがあたる。

人間を支えるのは腕力だけじゃない。

仲間がいることも、強さなんだという
大切なメッセージです。

その意味で、フック船長は
怖くなければならない。

どんな恐ろしい相手にも、
勇敢に立ち向かうピーターが、
フック船長をやっつけてこそ、
見ていたこどもに、
作品のメッセージが伝わります。

だからといって、本当に怖い相手だと
演技をする側が怖くて、
本気の演技で立ち向かえない。

だから、ミュージカルの悪役は、
みんなに愛される存在でなくては
成立しません。

みんなに愛されている人のいい彼は、
今回、我が子が見に来ていた中で、
腹をくくって
迫力を出してくれました。

お子さんはパパの練習に
つきあっていたらしく、
歌もセリフも完璧でした。

ステキな親子関係ですね!