私は師匠が演出、指導する
こどもミュージカルに、
今も指導アシスタントとして
かかわらせていただいています。
その場のこどもたちにとっては、
先生ではなく、リーダーです。
先日、指導アシスタントの合間に
小学4年の女の子が、
私のひざにはいってきました。
彼女は、弟がかなりヤンチャで
家ではしっかり者のお姉さんなので、
ミュージカルでは気楽に友達と
遊んでいたいと思っています。
それが昨年、
ミュージカルの中の中心的な役に
選ばれました。
彼女の雰囲気、キラキラした瞳、
声の質、まさに適役でした!
しかし、本人には嬉しい反面、
かなりのプレッシャーでした。
甘えたいけど、
練習もちゃんとやらなきゃいけない。
彼女は練習の大半を、
私の背中で過ごしました。
つまり、私がおんぶして
練習していたというわけです。
離れようとしない彼女を、
しょったままのレッスンは、
かなり大変でしたが、
彼女が無事に舞台に立てて、
輝いてほしいから、
私もがんばりました。
本番前に背中から自立させるには
本人の葛藤もありましたが、
本番では無事、自立して、
すばらしい個性をぞんぶんに発揮!
彼女の素敵さに、周りも家族も
あらためて感動していました。
すごいのは本番直後。
自分の力でやりきったこどもは、
リーダーのところには来ません。
仲間と感動を分かち合うからです。
さみしいけれど、大事な時です。
彼女ももちろん、
私には見向きもしませんでした。
よかった!
でも、さみしいなあ~
が、私の正直な感想。
その彼女が、今年になり、
また、私のひざにきました。
そして…
「私ね、リーダーがいなかったら、
去年、あんなふうにできてなかった。
また一緒にいてね」
と、
言ってくるではありませんか!
リーダー冥利に尽きるってもんです。
「違うよ。
あなたは、自分の力で
舞台に立ったんだよ」
「ううん。
リーダーがいてくれたから」
「また、一緒にいようね」
こどもの感謝の気持ちは、
言わせようとしなくても、
ちゃんと育つものです。
それでも私は思います。
彼女は、私がいたから
舞台に立ったんじゃない。
自分の力で立ったんだと。