アジサイが好きです。
淡い色合いで、雨の中に柔らかく咲く花
おとなしい子どもを見ていると、
まるでアジサイのようだなあと思います。
私は自分自身がにぎやかなので、
若い頃、おとなしい子とどうかかわっていいか
分からずにいました。
でも、自分がおとなしい気になった時、
初めて、おとなしい子の気持ちを知りました。
それは、オーストラリアに
保育園留学をしに行った時のことです。
ボディートークを海外の子はどう受け止めるのか知りたくて、
今から5年くらい前、私はオーストラリアの保育園に2週間、
ワーキングホリデーという形で留学しました。
よく考えたら、英語ができない私に
何ができるというのでしょう!
英語でボディートークを指導する練習はしていったものの、
根本的な日常会話ができず、
むこうの先生方からすると、
とっても面倒な存在だったようで、
ちっとも仲良くしてもらえず、
居場所がない日々。
子どもたちとの間でも、
自分が何をしていいかわからず、
ただただ、だまって
部屋の片隅に座っていたように思います。
ああ・・・言葉が話せないって辛い
早く日本に帰りたくって仕方ない気持ちでした。
そんな時、おとなしい双子の女の子が、
だまった私の横で人形遊びを始めました。
時々、ちらちら、私の顔を見ながら。
でも、けして話してこない。
なのに、空気を共有しようとしてくれるのが感じられました。
だんだん、私のそばに人形があるいてきてくれます。
私の顔を見て、なんとも言えない・・・合図のようなものがあり、
それはその人形で一緒に遊ぼうという感じでした。
私は、だまって人形を受け取り、
仲間に入れてもらうことができました。
それ以来、私はその子たちと
言葉がなくても遊べるようになりました。
そして、だんだん他の子もよってきて、
少しずつこどもの中に入っていくことができました。
最後までおとなとはダメでしたが、
子どもの世界には溶け込めた2週間でした。
その空間で話せないようくらい
自分の息(声)が内側に向かっている子には、
正面から話しかけるより、横に座って話すのがよい。
ボディートークで聞いていたことですが、
正面から来られると緊張してしまうけど、
横からなら、聞きたいところだけ聞くことができる。
だから、その子にときどき、声をかけ、
後は引いておくのがいい。
その子が入ってくるのを、ゆっくり待つ大切さ。
それを身をもって体験できました。
それ以来、時々、
場面カンモク(ある一定の場面で声を出せない子)の子と
現場で出会うことがありますが、
私は何の問題も感じません。
少しずつ寄り添い、空気が溶け合い、
その子の中に、言葉を発するようなきっかけと
安心感さえあれば
また話せるようになるからです、
今、学童にも言葉を発しない子がいます。
その子の近くで、さりげなく、他の子に絵本を読みながら、
その子にも聞こえるよう、
その子の反応に気配を配っています。
そして、時々、横から声をかけ、また離れます。
だんだん、話したそうに口元が
ボソボソ動き始めるのを感じます。
この子はきっと、もうじき、話し出すなあと思えます
ただし・・・大人が焦って
無理に声を出させようとしなければ、の話ですが。
しずかなお話しは、子どもの息を穏やかにする
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