ひそめる表現も大事! | こどもの心はミュージカル!

こどもの心はミュージカル!

こどもの心は喜びにあふれ、歌いたくて踊りたくて、ワクワクしているものです!それは『創造力』『表現力』があふれているから。
その力を、ミュージカルをはじめとする全身表現で、大きく膨らませたい!――― それが私の大きな夢。

大きな声を出すだけが表現じゃない!

ひそめる表現があるから、

盛り上がる表現が生きる。



こどもの心はミュージカル!

おっ、芽がふくらんできた!!


昨日、小学校で子どもの劇の指導をしているときもそうだし、

「とぶくじら広場」でミュージカルを作るときもそうですが、

学校で劇をするときというのは、

先生たちに「大きな声で言う」ということを、

一番に教えられている子どもが多く、

一生懸命やる子は、怒鳴る傾向にあります。


でも、表現には色んな側面があり、

迫力のあるシーンをやるには、

ひそめたシーンを作るということが、

絶対条件になるとおもわれます。


だって、大声には限界がありますから、

最初に小さくしておけば、大きくするときには、

より強く感じますものね!


昨日で言えば、『大工とおにろく』で、

いよいよ鬼が橋を架け、「目玉をよこせ!」という場面。


オニ:「さあ、目ン玉、よこせ」

大工:「まあ、待ってくれや」

オニ:「待てねえ」

大工:「頼む待ってくれ」

オニ:「いいや、まてねえ」

大工:「まってくれ~」


鬼役の子どもたちは最初から最後まで

怒鳴りっぱなしに怒鳴っています。


逃げる大工の子も怒鳴っています。

それでは何を表現しているのか、

全く分かりません。


そこで子どもと練習。

「チョコレート、ちょうだい」・・・可愛くお願い。

「100円、くれ」・・・ちょっとすごんで。

「目ン玉よこせ!」・・・これには迫力が要ります。


そう、つまり、これは大迫力のセリフ。

だったら、次の「まてねえ」は拒否するだけでいい。

これも怒鳴ると、つぎも怒鳴るから、表現が変わらない。


そして、次の「いいや、まてねえ!」は、少し息を上げて・・・、という具合。


大工は全く怒鳴らずに、

だんだん一生懸命頼むんだよ、と、

「お願いします!」という、

日ごろ言いなれた言葉でだんだん熱心に頼む練習をしました。


ボディートークの表現法のすごいところは、

まず、自分の言いやすい言葉で、

セリフの息を感じること。


この場合で行くと、「お願いする」息が伝われば、

客席には話が伝わるけど、

言葉が伝わっても、息がなかったら、

何か分からないという訳ですね。


子どもたちの表現は、だれも怒鳴らない

それでいて内容が伝わる

実感を持ったセリフになりました。


最後にこどもに一言。


人生はあっという間。

劇が嫌いな人もいることだろう。

でも、ちょっと積極的におもしろがってやると、

その世界を味わうことができるよ。


授業が終わると、こどもたちがなぜか

(まるで芸能人にするように)握手を求めてきてくれました。


一人ひとり握手しながら、

ああ・・・こどもたちにぬくもりをもらったな

感動した一日になったのでした。


子どもの表現の芽が、

本番、大きく花開きますように・・・


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