言葉の奥には息があります。
その息を的確にとらえ、明快に表現すると、
言葉は立体的に立ちあがってくる!
秋です。
急に寒くなってきて、
教などは、名古屋でももしや雪?
・・・というくらい、冷たい雨がぱらついていました。
雨が「しとしと」降る。
雨が「ザーザー」降る。
雨がふったら「ピッチャンチャン」・・・
日本語の擬音は豊かだといいます。
外国には擬音が少ないそうで、
日本語を学ぶ学生たちが困るのも、この擬音だとか。
この擬音、日本人にはちゃんとしたイメージのある言葉です。
関西人は特にその影響が強いのか、
「ここをバーッといって、キュッと曲がって、
その道、ズドーンと進んだら、目的地や」
など、ほぼ、擬音で道の説明をしたりします。
静かにする時、人は唇に指を軽く当て、
「シーッ」といいます。
言うといっても、ほぼ、無声音です。
これは言葉の奥に潜む息のイメージが、
静かに集中させる息になって、
無声音になります。
雪の「しんしん」も同じです。
朗読するというと、
人はつい、言葉にとらわれ、有声音にしますが、
この「シン」を無声音にすると、
がぜん、雪のイメージが聞き手に湧いてきます。
ボディートークの考案者の増田先生からこのことを習った時、
それは、私の朗読に対する常識を覆すほどの感動でした。
どんな言葉にも、その言葉の奥には、
イメージがあり、感情があり、
それに伴う息がある。
それを、自然に素直に表現すれば、
表現はもっと楽しく、もっと素直に伝わっていく。
そして、言葉の豊かさが、心の栄養になる。
今は、私も脚本を作る時、
できるだけ洗練された息で、
言葉を選ぶようにしています。
具体的の言葉の奥の息を、
どうやって発見し、どう表現するといいのか・・・
それはまた、次回のお話。
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