言葉の力が発揮されると・・・ | こどもの心はミュージカル!

こどもの心はミュージカル!

こどもの心は喜びにあふれ、歌いたくて踊りたくて、ワクワクしているものです!それは『創造力』『表現力』があふれているから。
その力を、ミュージカルをはじめとする全身表現で、大きく膨らませたい!――― それが私の大きな夢。

こないだ、学童保育で子どもにせがまれ、本をいくつか読みました。

昔話がいくつか入った本だったのですが、そこに『三枚のお札』しもありました。

私は大阪で『三枚のお札』の語りをしていましたから、この話が入っていたことが嬉しくて、

気合いを入れて読みました。

子どもたちはヤマンバに怖がったり、小僧さんを応援したり、気がつくと最初は2~3人だったのが、

私の周りに10人くらいが集まって話を聞いていました。

でも、私は話を読み終えてガックリもうやだ~

私が今まで語ったものとは、根本的に違ったからです。


私がしていたのは、瀬田貞二さんが再話したものでした。

うちの母は、そういう昔話の再話者や、外国文学の訳の読み比べ研究みたいなものをしていて、

私の家にある本はどれも母のこだわりのものですキラキラ


最初、それらがそうも文学的に違うのか疑問でした。

でも、子どもに対して声を出して読んでいて、本によって同じ物語でも、ぜんぜん違うことを体験しました。

言葉にひそむの音楽性、イメージ、感情の微妙な表記、文章の構成・・・

素晴らしい文学は、すべてにおいて生き生きしています♪


瀬田貞二さんの『三枚のお札』は、本当にすばらしいですビックリマーク

ヤマンバは「のんのん」小僧を追いかけ、川の水を「ゴビゴビ」飲むのです。

そういう擬態語や擬声語もイメージがわきやすいですし、とにかくテンポがいいのです。


でも残念ながら、子ども受けを狙った文章は、読んでいて声がはずんできません。

言葉につまずきます。もっとひどいものになると・・・子どもが離れていきます。

昔話の後、別の子にたのまれて、別の本を読んだら、さっきまでいた子は、すっかりいなくなりました。

そして、その本を手渡した張本人ですら、「この本、おもしろくない」と、文句を言いました。


もちろん、人によって文章の書き方の好き好きはありますし、どれが素晴らしくて、どれが劣っているなんて、

一概には言えません。

私の声が活かしやすい作品、活かしにくい作品、それもあります。

でも、作者がこだわって、洗練されて作られている文学は、読むと伝わり方が違うように思えます。

宮沢賢治の言葉も、まるで声を出して作られたかのように読みやすく、

イメージが色にいたってまで鮮やかです。


子どもにはぜひ、心にイメージや感情が沸き起こる、そして「内動(自分の内側が動くこと)」がある作品に、

たくさん触れて、大きくなってほしいなあと思いましたうさ。