ショートコラム<海という空を羽ばたくことを選んだペンギンたち> | アラフェネ動物記

アラフェネ動物記

アラフェネ動物記へようこそ!こちらでは、明日動物園・水族館で使える動物基礎知識を主に載せています。
主に、哺乳類、鳥類、爬虫類が中心に記事を書いていますが、
飼育方法などは記載いたしません。
よろしくお願いいたします。

 

こんにちは、アラフェネです。

 

今回はショートコラムで、<ペンギンはなぜとぶことをやめたのか>について簡単に書いていきたいと思います。

 

なぜ、ペンギンは海での生活を選んだのか、読んでいく中で一緒に考えて頂ければと思います。

 

 

 

 

  ペンギンとは?

 

一般にペンギンと呼ばれる動物は、<鳥綱ペンギン目ペンギン科>に分類される、鳥類で、

ペンギン科は、コウテイペンギン、ヒゲペンギン、ジェンツーペンギン、ケープペンギン、フンボルトペンギンなど、18種のペンギンが確認されています。

 

主にコウテイペンギンやアデリーペンギンなどは南極大陸などの周辺の島々、ケープペンギンやフンボルトペンギンなどは

南半球のアフリカ大陸沿岸や南米の西部海岸、コガタペンギンはオーストラリアなどに生息しています。

 

 

種によって大きさが異なり、最大種は44~55㎝の<コウテイペンギン>で最小種の40~45㎝の<コガタペンギン(フェアリーペンギン)>で、寒冷な地域ほど体格や体重が大きくなる傾向があるようです。

 

ペンギンの最大の特徴として、鳥本来の特徴(くちばし、羽など)を持ちながら、飛ぶ能力を完全に失い、翼ではなく<フリッパー>と呼ばれる骨に変化し、潜水能力に特化した特徴的な体の構造をしています。

 

そんなペンギンですが、なぜ、空から海への生活することに決めたのでしょうか?

 

 

  なぜペンギンは飛ぶことをやめたのか?

 

 

〇ペンギンの祖先

元々、ペンギンから進化したとされる有力な種は、<オオウミガラス>と呼ばれる

鳥類です。

 

 

オオウミガラスは、<チドリ目ウミスズメ科>に分類される鳥類で、現生種のチドリ目は海鳥である<カモメ、ウミネコ、ウミスズメ>もここに属します。

 

同じく飛行能力を持たなかったことから、見た目はもちろん、骨格などの体の構造が、現生種である<ペンギン目>と非常によく似ており、<オオウミガラス>などが近い祖先であると考えられています。

 

繁殖能力はあまり高くなく、人為的な要因によって数を大幅に減らし、はく製用として

捕獲されたのを最後に絶滅種となりました。

 

 

細かい詳細はわかりませんでしたが、当時の北半球は肉食獣が多く、南半球に移動し、

外敵が存在せず、逃げるための翼は必要はなくなりました。

また、天敵が少ない海中は餌が豊富に存在し、繁殖もしやすかったのもあるため、次第に飛ぶ能力を失ったとされています。

 

つまり、<海で泳ぐことが最も繁殖に最適で効率が良かった>という事です。

 

しかし、現在のペンギンの体の構造を見てみると、飛ぶことができる鳥に元々備わっている翼の骨や筋肉と、飛行の原動力とされる胸筋と<竜骨突起>がそのまま存在しています。

 

つまり、ペンギンは翼が退化したのではなく、鳥本来の能力を残しつつも、

潜水力に特化した、すなわち、<住む場所を海に変えただけで、海での生活に特化し繁栄した>ということです。

 

 

  海で飛ぶことを選んだペンギンたち

 

 

 

 

 

 

現在の一部の水族館などは、多くの魚類とペンギンたちを水中に入ったかのように観察できる、水中トンネルや巨大水槽などを

設けているところがあります。

 

ペンギンが泳いでいるところの下から見上げると、まるで本来の鳥のように翼を動かしながら泳いでいるところを確認できると思います。

先ほど前述したように、飛行できる翼を失いましたが、飛ぶ動作などは鳥本来のままなので、まるで水中を飛んでいるように観察できると思います。

 

これを踏まえながら皆さんも一度、水中を羽ばたく、ペンギンたちを観察してみてはいかがでしょうか?

 

 

今回の記事は以上となります。

最後まで、ご購読ありがとうございました。

 

 

  リンク

 

〇前回の記事一覧

 

 


〇前回のショートコラム一覧

 

 



○<X>アラフェネさん