こんにちは、アラフェネです。
今回は、<アラビアオリックス>、<トムソンガゼル>の記事になります。
本種の内容に入る前に、<ウシ科>について、改めて、おさらいしたいと思います。
ウシとは?
〇分類
一般的に、<ウシ(牛)>と呼ばれる動物は、
<哺乳綱クジラ偶蹄目反芻亜目>の分類の中の、<ウシ科>に属する動物種の事を指します。
<ウシ科>には、<ガゼル属、ブラックバック属、ヤギ属、ヒツジ属、>が入り、
また家畜種のなかでは、さらに<ウシ亜科>や<ヤギ亜科>という分類になっています。
ウシの原種は<オーロックス>よばれる種で、
ウシは農耕時代に入ってから、欧州のヨーロッパ人がウマ、羊などと一緒に家畜化されていったと言われています。
私たちがなじみ深い、産業家畜種と呼ばれる種は、牛乳を大量に生産する、<ホルスタイン、ジャージー>や牛肉を生産する<ヘレフォードアンガス、黒毛和種>、東南アジア原産の<バンテン>、
野生種では、<羚羊(れいよう)>とよばれる、<アラビアオリックス、トムソンガゼル、インパラ、ブラックバック、スプリングボック>などが属しています。
〇生息地
牛は北極圏を除き、世界中に分布しており、アフリカなどの草原、砂漠、東南アジアなどの
熱帯雨林、湿地帯など生息環境は比較的広いです。
家畜種を入れると、13億頭が世界中で飼育されていると言われています。
野生種は、アフリカの<アフリカスイギュウ、ヌー、トムソンガゼル、インパラ、アラビアオリックス>、アルプスなどの<アイベックス、グリップスプリンガー、アダックス、マーコール、ハーテビースト>などです。
〇形態
体格や模様ですが、種によって様々な場合が多く、一般的には100㎝~200㎝、体重は600~900kgが一般的で、肉用牛は700∼760kg以上が食用として出荷されます。
産業家畜種は、飲食用に大量生産できるような、形態や性質に人工的に品種改良されており、大型で力強く、特に肉類を生産できる種は、筋肉質で体格が良い種が多いです。
野生種の<羚羊>は、家畜種と違い、体が細長く、縦長の角が生えており、強靭な腱で、走行や跳躍に特化した性質をもっています。
同じ偶蹄目の<シカ科>と同じく、頭に角が生えています。
シカとの大きな違いは、角で容易に判断ができ、
ウシのオスメスともに角が生えていること、真っすぐで枝分かれしない、生え変わらないことなどがあげられます。
また、野生種では、<ブラックバック>のような、栓抜き状の巻き角など特徴的な形をしている種も存在し、
闘争などで、簡単に折れない丈夫なつくりをしています。
動物の足には、形により、イヌやネコの指向性、我々ヒトやアライグマなどのショ行性、ウシやシカ、カバなどの蹄行性に大きく分けることができ、ウシ科の大半がこの<蹄行性>とよばれるいわゆる<蹄>という特殊な形をした足先をしています。
しっかりと地面を蹴り、安定した早いスピードで走ることが可能となっています。
〇生態
ウシは基本的に完全植物性で、一日の大半を採食と反芻に費やしています。
家畜種は、牧草と呼ばれる、粗飼料とトウモロコシや米ぬかなどを合わせた濃厚飼料
などを与えています。
非常に大食漢で、約40kg以上の草、110リットル以上の水を飲みます。
分類名の通り、種の大部分は、4つ部屋に区切られた巨大な胃袋を持ち、
(※1)<反芻>という偶蹄目独自の消化方法を行えるので、
草類だけでも効率よく、必要なエネルギーを賄えることができることで知られています。
ウシの大半は群れを作り、基本的には何千頭数の複数の群れを構成する場合やオス一頭、メス複数のような
ハーレムを構成することあり、季節によって若干異なります。
以外にも記憶力も優れていて、餌がある場所や移動パターン、排泄場所、雨の時期などを覚えることができます。
牛はこのように、古来ヨーロッパ人が家畜化されたことに始まり、
家畜としても私たちに食生活に非常になじみの深い動物で、
野生種に関しては、動物園など多くの種が保護展示などがされています。
今回は、<けものフレンズ3>で登場する、ラビラビこと<アラビアオリックス>、
ルルこと<トムソンガゼル>に触れていきたいと思います。
アラビアオリックス Orix leucoryx
まずはアラビアオリックスです。
神話生物<ユニコーン>のモデルになった動物であり、
カタール航空のロゴや協議大会としてのロゴにして使われ、
アラビア半島諸国では国獣に指定されています。
〇分類
分類は、<哺乳綱クジラ偶蹄目ウシ科オリックス属>に分類され、オリックス属と呼ばれる分類には、
<シロオリックス、ベイラオリックス、ゲムズボック>などが属しています。
白色の被毛が特徴的な、<シロオリックス>、茶褐色が特徴的な<ゲムズボック>
が存在し、特徴が非常に似ている<ベイサオリックス>が存在します。
これらの種はアラビアオリックスと非常によく似ており、亜種とされる説もあります。
〇生息地
現在、シナイ半島、アラビア半島、北アフリカの野生個体はほぼ絶滅し、現在は、アラブ首長国連邦、イスラエル、オマーン、サウジアラビア、ヨルダンで再導入した繁殖個体が現在生息しています。
〇生息状況
VU:危急種(絶滅危惧Ⅱ類)ワシントン条約付属書1
アラビアオリックスは、前述でもお話した通り、現在野生下では1972年に
野生下では絶滅しました。
要員としては、銃器を用いての狩猟<スポーツハンティング>や干ばつ、過放牧による人為的な要因が
あげられます。
10年前の1960年代に捕獲されていた3頭と、世界各地からトレードによって、
アメリカの動物園で繁殖され、1982年にオマーンの自然保護区で本格的な野生保護繁殖が行われました。
現在は、それに先駆け、日本を含めた、全世界の保護区と動物園で現在、保護繁殖活動が行われており、現在は約1000頭ほどの個体が確認され、現在は回復傾向にありますが、依然として油断ができない状況下ではあります。
〇形態
体長:160~180㎝
体重:65∼80kg
体高:76~86㎝
角の長さ:約70㎝
羚羊には珍しい、全身白色の毛に覆われており、顔や角の間、4本脚には黒褐色の毛色
に覆われていますが、幼獣は黄色褐色で、斑紋が入りません。
体の構造ですが、気温の日較差が激しい砂漠での環境下で生息できるよう特化しています。
白色の毛は、砂漠の厳しい太陽光線を反射し吸収を阻害し、脚や頭の一部に生えている茶褐色の毛は、熱を効率よく取り込み、
太陽熱から体を守ることに特化していると言われています。
また、頭部は<奇網>と呼ばれる特殊な血管構造をしていて、脳に流れる血液の温度を調節できるようになっています。
耳は小さめで、角はオリックス特有のサーベル上の70㎝以上の長い角がオスメスとともに存在し、後ろに反るように生えています。
このように、過酷な温度の環境下でいかに進化した構造であるかどうか想像ができると思います。
〇生態
食性は植物性で、若芽、地下茎、草類、果実などを食べ、保護施設等などでは、ミネラル補給のため、<鉱塩>を与えることもあります。
群れの規模は比較的に小さく、オスで単独か8∼10頭の群れでを作ることがあり、
繁殖は、春~夏になると、<ハーレム>と呼ばれる100頭近くの大規模な群れを
作る(※2)季節繁殖動物です。
しかし、一度野生下では絶滅した動物であるため、群れで見られることがあまりないという話も聞きます。
天敵が存在し、ヒョウとオオカミが存在します。
〇動物園
福岡市動物園<アシール、ミナ、アミール、コリー>
金沢動物園<ヘルム、ナキ、サリーム、リズ>
トムソンガゼル Gazella thomsonii
続いて、トムソンガゼルです。
東アフリカを中心に生息するガゼル属の一種で、特徴的な黒いライン模様が特徴的な
羚羊です。
スコットランドの探検家<ジョセフ・トムソン>が発見し、一部が命名されました。
〇分類
分類は<哺乳綱クジラ偶蹄目ガゼル属>で、同じ現生種のガゼル属に関しては、
<リムガゼル、ダマガゼル、グラントガゼル>などが存在します。
以前は、イエメンガゼル、サウジガゼルなどの種もいましたが現在は絶滅しています。
〇生息地
アフリカのタンザニア、ケニアの<セレンゲティ国立公園>と呼ばれる保護区域が主な生息地で、その地域には、キリン、ライオン、ダチョウ、ハイエナなどのサバンナの有名な動物が多く生息しています。
生息数はヌー近い数が生息しており、
生息場所によって、呼び名に分けられることもあるんですが、
ケニア、タンザニアのキリマンジャロの<リマントムソン>、スーダンの<モンガラトムソン>、ケニア東部の<ニアントムソン>などと地域名が使われることがあります。
〇生息状況
LC:軽度懸念~NT:準絶滅種
トムソンガゼルは現在約20万頭とされており、現在絶滅の危険性は低いと言われているんですが、今後、地球環境の改変や、旅行者、道路建設などにより生息数は減少傾向にあると言われています。
〇形態
体長:80~110㎝
体高:55∼65㎝
体重:20∼35kg
角の長さ:25~43㎝
トムソンガゼルは比較的、他の羚羊と比べて小型の部類であり、ダマガゼルよりはやや大きく、
アラビアオリックスやインパラ、ブラックバックと同等の大きさなんですが、
体重は他の種と比べ小さく、俊敏性に特化しており、その為最高速度時速60km/hと言われています。
背中から足にかけて淡褐色で、側面と目元のがはっきりとした黒いライン、お腹のあたりが白色と特徴のある毛色をしています。
生息している地域によって多少模様がやや違うようです。
角はオスとメスどちらにも生えており、後方へ湾曲した角が生えています。
トムソンガゼルにとてもよく似たウシ科の<インパラ>という動物がいますが、
特徴がにているので、混同しがちなんですが、
インパラのメスには角がないこと、お腹の横に黒いラインがないこと、
体格はやや大きいことなどで外見的特徴から見分けることができます。
〇生態
食性は完全植物性で、雑草、イネ、種、葉、若芽などを採食します。
サバンナの樹木が少なく、比較的開けた地に数十頭から数100頭の大規模な群れを形成するのですが、季節によって群れとの(※3)社会距離が著しく変わる動物であり、
特に乾季には大規模な群れになり、雨季ではオスと数十頭までのメスからなる群れに分散します。
妊娠期間は188日と一般のウシ科に比べてやや早い傾向があります。
〇動物園
現在、日本の動物園では、<トムソンガゼル>を見ることができません。
以上が、<アラビアオリックス>と<トムソンガゼル>の内容でした。
トムソンガゼルは動物園では見ることは叶いませんが、アラビアオリックスは日本の動物園でも
保護繁殖活動に取り組んでおり、見ることができます。
一度是非美しい白色の羚羊をご覧になってはいかがでしょうか?
貴重なお時間、最後までご購読ありがとうございました。
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※1 <反芻>
一度飲み込んだ、飼料を第1胃で通過しきれなかった、大きな飼料片を数回、胃から口の中に戻し噛みなおし、効率よく消化する採食行動の事で、クジラ偶蹄目の<反芻亜目>に属する動物(ウシ、シカ、ラクダ、キリン)が行うことが多い。
特に偶蹄目のウシ科の動物の多くは、第1胃~第4胃の4つの胃による特殊な消化器官をもっており、
胃に入った草類は、第1胃、第2∼3胃の順で通り、他の動物と同じ、第4胃で消化酵素などによる化学的な消化をしていくが、
第1胃で残った大きな飼料片は、消化が困難な為、一度口の中に飼料片を戻し、噛みなおすことで、
効率よくセルロースを消化し、エネルギーを得ることができると言われている。
※2<季節繁殖動物>
1年の中の特定の季節のみ発情が見られ、交尾や乗がなどの性行動を行う動物種の事。
ウサギや豚などの季節に左右されず、1年の間に何度も性行動を繰り返すパターンと違い、
特定の季節にしか発情や性行動を行わないパターンの種も存在する。
身近な動物でいうと、<ウシ(ホルスタインは周年繁殖)ウマ、フェレット、ヒツジ、ヤギ(日本ザーネン)>などがこれにあたる。
(ヤギ、ヒツジは9月~10月、ウマは6~8月、フェレットは4月~6月の春から初夏)と言われている。
※3<社会距離>
いわゆる、同種と他個体間のパーソナルスペースの事。
群れを構成する種は基本的にこのスペースが存在し、これ以上離れる足り近すぎると、不安や孤立感という心理的状況になる
社会的距離である。
特に、群れる野生動物などは、季節や天候によって繁殖を行うことが多いことから、
この距離が変わる傾向がある。
私たち人間も、隣り合わせの椅子に座りたくない場合や、向かいの椅子に座りたくない部分も同じような距離である。
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