胃ろうと強制給餌 |   Flying in the sky Sasuke

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   ~アキクサ達と文鳥のシルバのお話です~

突然ですが、胃ろうってご存じですか?

簡単に言えばお腹に穴を開けチューブで食事を胃に流し込む方法です。

 

嚥下機能が低下した終末期の高齢者に対して行われることが多いのです。

 

実家の父にもそういう可能性が出てきました。

 

まさか、そんなことは考えていなかった。

 

何となくは知っていた胃ろう。

 

いざ調べて見ると、肯定する意見や否定する意見が溢れている。

 

高齢者の胃ろうの場合、大部分は本人の意思が確認できない為、家族の思いがそのまま反映される。

ただ、ただ、生きてほしいというのであれば、胃ろうなのかもしれない。

 

でもね、胃ろうを増設しまうと、基本的には外すことは出来ない。

もちろん、患者の嚥下機能が回復し口から食事をとれるようになれば、閉設は可能だけど、高齢者の場合は放置になるので、嚥下機能は回復しない。

それどころか、食道を使わなくなり、口も歯も使わなくなることで、しゃべれず認知症が急速に進むこともある。

否定的な意見を言えば、動かない、喋らない人間を生かしているだけの処置。

 

 

本人はどう思うのだろうか?

 

胃ろうを造設するのは急性期の病院。

つまり、肺炎や気胸等々で施設から担ぎ込まれた病院です。

そこで、抗生物質を入れたり、脱気をしたりすれば、肺の機能は回復傾向になります。

しかし、嚥下機能が失われていく場合があるのです。

 

そうすると、病院は胃ろうを勧めます。

だって、胃ろうを造設すればとっとと患者を他の施設に追い出せるから。。。

もっと言えば、胃ろうに関する医療報酬も入るし、ベットも空くので回転率も上がります。

 

だから、胃ろうに肯定的な意見は医療関係者が多い。

一方、否定的や後悔したという意見は患者の家族が多い。

 

鳥ブログなので胃ろうの話は置いといて・・・

 

 

といつつも、鳥たちにも胃ろうに近い処置があります。

 

それは強制給餌。

 

まあ、そのうに穴を開けるわけではないので、少し違いますが。

鳥の意思に関係なくエサを流し込むという部分は胃ろうと同じです。

 

何年か前までは、強制給餌は必要な医療行為?だと思っていました。

しかし、今現在は違うし、出来ればやらない方が良いと思っています。

 

怪我の場合は違いますよ。

クチバシの怪我は物理的にエサを食べれなくなるので、速やかに強制給餌をする必要があります。

 

ですが、病気の場合はどうなの?と思ってしまうのです。

 

鳥に限らず、人間だって、物を食べないのは食べれないからです。

野生動物で言えば食べれない状態が続けば死んでいきます。

食べれるようになれば持ち直します。

 

上記の文章とは相違するかも知れませんが・・・

「食べないから死ぬのではなく、死ぬから食べないのだ」という話を聞いたことがあります。

 

何度も言いますが怪我は違いますよ。

病気の場合、死を悟っているから食べないという選択があると思うのです。

それは意思の問題ではなく、無意識な体の衰えも含めての話です。

人間の高齢者であれば、嚥下機能の低下はある意味、体がそれを選択した結果なのかもしれません。

鳥だってそうです。

消化器官や呼吸器官が致命的なダメージを負っているのなら、エサを食べないということはそれを選択したということなのだと。

 

想像でしかないのですが、動物病院で強制給餌を受ける鳥の半数以上は亡くなっていると思います。

逆に半数は生き残るのなら強制給餌は必要だよね?という意見もありそうですが、それは不必要な強制給餌が行われているからだと思っています。

 

例えば、数週間前、当家のハルは2度嘔吐し、絶食便が出ました。

鳥専門病院へ行けば、入院や強制給餌をされたでしょう。

 

しかし、私は温度帯を少し上げただけで何もしなかった。

(何度もお話ししていますが、当家では即座に強制給餌を行うことが出来ますし、入院室も作ることが出来ます)

 

エサを食べることが出来なかったハルですが、嘔吐から24時間してエサを食べるようになりました。

 

怖かったけど、感染症の症状はないし、呼吸も問題ないし、吐しゃ物も綺麗なので、その時ではないという確信があったのです。

そして、ハルは生きることを選択し回復したのです。

 

生き物はすべていつかは死にます。

死ぬ瞬間を残るものとして、どう見守るか?

もっと言えば、それまでに楽しい日々を共に紡いできたか?

 

そういう部分では父に申し訳ないという気持ちでいっぱいです。

 

鳥たちはね、常に放鳥をしています。

これも何度も申し上げているのですが、休日も一切外出しない。

放鳥命。

 

いい季節になったのでバイクで遠出をしたいけど、通勤以外は一切乗らない。

だって、休日は放鳥があるから 笑

 

 

鳥たちの心臓が止まる瞬間、

「ワタチ達、ずっと部屋で遊んだね、楽しかったね」

なんて思ってくれたら・・・

 

自己満足でしかないかもしれませんが、そんなことを思って鳥たちと暮らしています。

 

 

追伸

欧米では終末期の高齢者や認知症患者の胃ろうは適用外です。

日本においては当たり前のように胃ろうを勧めてくる病院には違和感しかありません。

というか、日本人って相変わらず残酷な民族だなと思ってしまいます。

 

父の話ですが・・・担当医師が理解ある方で、胃ろうは回避しました。

寂しいですが、安らかであろう自然死を家族で選択しました。