温度管理 |   Flying in the sky Sasuke

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   ~アキクサ達と文鳥のシルバのお話です~

昨晩の就寝前放鳥のカゴ内温度計です↓

 

 

当家は朝が遅い(午前8時)分、夜は午後9時過ぎまで鳥たちを起こしています。

夕方、静かな環境下で寝かせることが出来ないのです。

人間の都合で申し訳ないと思っています。

 

今の時期、日中は20度前後で過ごしてもらい、就寝前は14度程度の寝室内で30分ほどの放鳥をしています。

(上記のグラフはカゴの底の温度なので、実際はもっと高いのです)

昨晩のアキクサインコのハルは↓

 

 

同じくチャチャは↓

 

 

チャチャもハルも膨羽をしていました。

就寝前はカゴの外に居るのでグラフよりもっと低い温度帯です。

昨晩で言えば、13度前後だったはずです。

 

この記事を読んだ方の殆どは可哀そうだと感じるかもしれませんが、私的にはそれほど・・・・

 

膨羽というと、何か体調不良の代名詞のように考えている方が多いのですが、すべてがそうだとは限りません。

例えば、室温が25度も30度もある状態で、長時間、膨羽をしていれば、体調不良の可能性が高いのですが、15度を下回る場合、膨羽は仕方ありません。

ちょっと寒いから・・・羽毛を広げて空気の層を作り、体温を維持するか?という感じだと思います。

正に天然のダウンジャケットです。

5度や6度ならちょっと可哀そうだと思うのですが、15度前後ならまったく問題ない。

それに冬だから仕方ないのです。

 

え~~でも可哀そうよね。

と思う方も多いかな?

でもね、もし、それを行わないと鳥が早死にするとしたらどうですか?

 

何度もお話ししていますが、当家は寒暖差管理をしています。

理由は明快です。

鳥たちに健康で長生きをしてもらう為。

 

25度前後の定温管理をしていると、多くの弊害がでます。

一番多いのは過発情。

年がら年中、発情をしてしまうので、メスは無精卵、オスは精巣腫瘍。

過発情は就寝時間や発情対象、光周期等々に左右されますが、最大の要因は温度帯だと思っています(私見)

 

寒暖差管理をしている当家のアキクサインコのチャチャ↓

 

 

無精卵を産んでしまうのですが、年間にして3~5個。

ある意味、正常ですし、リスクは低い。

冬はある程度寒く、夏は暑い。

季節を感じることで決まった時期にしか産卵をしないのです。

 

ところが季節感が無くなると、メスはいつでも産卵する可能性があります。

個数も10個や20個ならまだしも、年間で50個も60個も産む場合があります。

産卵数が増えれば軟卵を生む可能性も出ています。

軟卵=卵詰まりの可能性が大。

卵管脱になったり、低カルシウム血症になったり、多くの合併症的な病があります。

オスは精巣肥大が起こり、足に麻痺が出たりします。

メスだって低カルシウム血症の場合、足に麻痺が出たりします。

 

痙攣すればすぐ分かるのですが、ただ、片足をあげているだけの場合もあります。

そう、鳥がリラックスするときの姿勢と同じです。

 

そして、ある日突然、痙攣発作で死んでしまうのです。

鳥はね、ずっと我慢していたのです。

苦しいよ、痛いよって・・・

 

人様の鳥だから若くして死んでも構わないし、関係ない。

でも、あまりにも鳥が不憫でならない。

 

小型インコの多くは10年以上、生きることが出来るのに5~6年で亡くなる話が多すぎる。

死因の多くは生殖器関係(卵詰まり、精巣腫瘍等々)

そして、年間を通じて25度前後の定温管理をしていることが多い。

たしかに鳥にとって25度というのは快適な温度帯です。

ですが、子孫を残すことに関しても適した温度帯です。

何が起こるか?

どういうリスクが発生するか?

考えてほしいのです。

 

セキセイインコの場合、ろう膜の変色が出ます。

 

余談になりますが、昔、何十年も前・・・

私は多くのセキセイインコと暮らしていました。

当時、カゴの置き場は薄い引き戸が囲っている玄関。

冬場の朝一は5度程度まで気温が下がりましたが、ひよこ電球なんか無し。

 

でも、凍死する個体はいなかった。

ろう膜が変色する個体もゼロ。

 

そういう昔の経験があるので、良いとこ取りの寒暖差管理をしているのです。

(体力が必要以上に消耗せず、過発情をしない優しい寒暖差管理です)

 

私の話が絶対・・・と言う訳ではありません。

ただ、鳥たちの見えないリスクをいつも考えた結果なのです。

どうすれば痛くなく苦しくなく自由に長生きしてもらえるか?

 

野生のアキクサインコの生息地の話をすれば・・・

 

オーストラリアのニュー・サウス・ウェールズ州の一部、クイーンズランド州南西部から西オーストラリア州中海岸等々に生息しています。

比較的温暖な地域で冬場の平均最低気温は7度前後、夏場の平均最高気温は30度程度。

ある程度の寒暖差には耐えうるインコなのです。

飼い鳥になったアキクサインコの場合は、一桁の最低気温(室内温度)は少し無理があるので、当家では13度前後(冬季)。

(13度は就寝前の一時的なものなので、多くの時間は20度前後です)

最高気温は自然と同じ30度程度(夏季)を維持しています。

 

もうすぐ5歳になるチャチャは極めて健康。

当初は換羽で何度も嘔吐していたハルも強い個体に変化。

  

過発情は当然なし、寒暖差にも強い、だから心配事は無し。

そんなインコになったのです。

 

たまたまの可能性は否定しませんが、多くの鳥専門獣医師は通年定温管理を否定しています。

なのに、何故?と思ってしまうのです。

 

ちなみに病鳥や老鳥、幼鳥は当然違います。

当家の文鳥のシルバは6歳を越えて衰えが見えてきたので、23度~25度管理をしています。

病になるリスクより、低温(20度以下)で弱るリスクの方が高いので当然です。

私の目的は寒暖差管理をすることではなく、鳥に健康で長生きしてもらうことなのですから。

 

最後にもし定温管理(25度前後)から寒暖差管理に変更しようと考える方がいたら・・・

唐突に行うのはリスクがあります。

一番安全なのは夏が終わって秋に向かう過程で、自然な温度低下に任せて慣れさせるのがベストだと思います。

当家のアキクサ達は室内温度が18度までは加温なし、18度以下になるタイミングでひよこ電球を入れます。

 

 

 

おわり