命の優先順位 |   Flying in the sky Sasuke

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   ~アキクサ達と文鳥のシルバのお話です~

今更ながらJALのペット問題を考えてみた。

 

まずペットってモノじゃない、客室に入れさせろと連呼する有名人に辟易としてしまう。

確かに、世の中、ペットをストレスの捌け口として虐待するクズはいる。

 

しかし、大部分の人間はペットをモノだなんて思っていない。

 

 

不謹慎だけど、もしJALの乗客の大部分、いや、50名程度が亡くなっていたら、誰も2匹のペットを話題にしなかったはず。

新聞には小さく乗るかも知れないけど、人間様が大勢死んだのだから、ペットは仕方ないよねとなる。

何か言いたい連中も声に出すことは出来ない。

 

飼い主にとっては家族と同等の存在だけど、人間とペットという大きな括りで見れば、ペットの命は人間の下に位置する。

 

能登半島地震では尚、不明者がいて多くの人たちが捜索をしている。

昨日は生存者の救出があった。

もう1週間になろうとしているけど、まだ、可能性はある、助かってほしい、そう祈る。

それと同時に生き埋めになったペットのことを考える。

実数は分からないけど、犬、猫、もしかしたら鳥も死んでいるだろう、生き埋めになっているだろう。

でも、誰も何も言わない。

ペットどころではないのだ。

 

これは仕方ないことで、人間とペットでは明確な命の優先順位が存在する。

 

 

 

私の話をすれば、私にとって当家の3羽の鳥は家族ではない。

ペットと言われている愛玩動物でもない。

生きた宝物。

常に注意して大切に扱わないと壊れてしまう(死んでしまう)

だから、神経質に管理し、常に見守り、自由にしてもらっている。

いつか来る別れ、それが今来てもいいように。

私の出来ることを常にする。

 

だから、リスクのあるようなことはしない。

例えば、飛行機に乗せたりしない。

 

 

しかし、それは私の家の鳥たちの話であって、他人様の鳥の場合は違う。

鳥はもちろん、犬、猫、ウサギ等々、飛行機に乗せることが有力な選択肢になる場合がある。

 

まずは遠方への転居。

ここ神奈川から沖縄へ引っ越する場合、

陸路も沖縄への直通の船便もない、乗り継げば多くの日数を必要とする。

鳥たちの負担を考えれば、おのずと答えは出る。

 

そして、動物の譲渡を行う場合。

有償譲渡ではなく、保護犬や保護猫を地方から送っている方がいる。

地方では譲渡先が見つからなくても、首都圏や関西圏だと見つかる可能性が高くなる。

当然、飛行機が有力な輸送手段になる。

 

もう一つは、例えば、遠方の両親、兄弟の危篤や亡くなった場合。

独身、夫婦に限らず、早く駆けつけたい。

しかし、ペットホテルがどこでもある訳ではないし、急な予約は受け付けない場合も多い。

そうなれば、飛行機に乗せることを考える。

 

当家の場合、転居はない、譲渡も関係ない。

高齢な両親が九州に居るが、万一があった時は陸送で鳥と一緒に帰る。

もしくは、子供の誰かを家に残し、ローテーションで面倒を見てもらう。

薄情な息子だと思われるかも知れないが、生きた宝物なので仕方ない。

 

そう考えれば、今回の事故で亡くなった2匹の飼い主を責めるのは非常識だ。

どういう事情で預けたかも知らない外野が偉そうに言う話ではない。

仮にただの旅行だとしても、飛行機は最も安全な乗り物だ。

墜落事故のニュースをたまに見るだろうけど、それは途轍もない数の飛行機が地球上を飛び回っている中での出来事なのだ。

飛行機事故に遭う確率は2億~3億分の1とも言われている。

ちなみに、あくまでも飛行機事故なので今回の様に無事生還することもある。

だから飛行機事故で死亡する確率は更に小さくなる。

宝くじの高額当選より遥かに確率は低いのだ。

 

私が鳥たちを車に乗せて九州に行くより、飛行機に乗せた方が何百倍も安全なのだが・・・

それでも、飛行機には乗せないし他人に預けないが・・・

 

そして、冒頭のペットはモノではないと連呼する有名人の話だけど・・・

 

私もそうだけど、人間ってほんと自己中で身勝手な生き物だと思う。

自己中と身勝手は同じか。

 

日本で唯一、犬猫を客室に持ち込めるスターフライヤーは、緊急脱出時、ペットは置いて行かなければならない。

海外の航空会社の殆どは明確に否定も肯定もしてないようだけど、命の優先順位で言えば、緊急時は持ち出せないと思う。

そもそも、海外の航空会社であっても、犬猫専用の酸素マスクや救命胴衣は準備していない。

ペットを助けることは想定していないのだ。

今回の様に着陸後の大きな衝突の事故で全員生還って奇跡的だ。

飛行機事故の多くは墜落による陸地や海への激突だ。

大部分の乗客は亡くなる。

客室のペットは飼い主と一緒にいるという安心感以外は何も得られない。

まあ、それが重要なのかもしれないが・・・

 

そこはいいとしよう。

 

しかし、影響力のある有名人がペットも客室に持ち込めるように!と連呼しているのは、やはり気持ち悪い。

何故って?

私のチワワちゃんやミニチュアダックスちゃんが、もし貨物室で輸送されたら可哀そう!と言っているように聞こえるのだ。

ん?その通り?

可哀そうだろ・・・と思うかもしれない。

 

じゃあ、ハスキーはどうだ?

ゴールデンレトリバーは?

セントバーナードは?

日本の大手航空会社が客室持ち込みを解禁しても、大型犬は貨物室1択になるだろう。

犬飼いのくせに自分の小型犬は守りたくて大型犬はどうでもいいのか?

 

結局、言っていることは自己中、ペットの命や待遇を考えているようで、不都合なことは無視して発信する姿勢が、気持ち悪いのだ。まるで、私が飼っている小型犬や猫が客室に居れば、大型犬やウサギ、鳥etcは貨物室に行けばいいのよ!と言っているように聞こえる。

本当にペットが大切なら、大型犬もウサギも亀も蛇も・・・もちろん鳥も客室持ち込みOKにしましょう!と発信すればいい。

もしくは貨物室の環境をもっともっと良い方向に改善しましょうって言えばいい。

例えば、wifiカメラを設置して、スマホから見れるとか・・・

温度や湿度等の情報をスマホから見れるとか・・・・

(ちなみに現状でも貨物室のペットスペースは客室と同じ室温、酸素等々が維持されている。普通の貨物室とは違う)

そういう発信ならば、共感できるのだが、結局、自分がよければそれでいいという感じがして仕方ない。

 

現状はスターフライヤーを除き、ペットの客室同伴は解禁されていない。

だから、殆どの日本の航空会社で飛行機にペットを預けるということは、貨物室で輸送するということだ。

そして、ペットを飛行機に預ける(貨物室)のは飼い主の判断だ。

法律違反をしている訳ではないし、虐待でもない。

それぞれの事情があるだろうし、万一のことがあれば、飼い主が後悔や悲しみを受け止めるのだから、他人が良いとか悪いとか偉そうに言う話じゃない!と思うのだけど。