当家のアキクサインコのチャチャ姉さんは昨晩(11/16)の21時50分に予定通り産卵しました。
21時30分頃より騒がしく止まり木間を飛んだり、カゴの側面に張り付いたりと20分ほどしておりました。
もちろん、遮光したカゴ内ですので、私は布団で横になり音を聞いているだけですが、人間で言う陣痛状態だったと思っています。
突然、静かになったのでカゴ内を確認すると、まだ温かい卵が落ちていました。
本日朝一の空腹時体重は50.2g
産卵後にも係わらず体重がありすぎです。
体重測定後、約1gの巨大貯め糞をしたのですが、それでも重い。
通常の産卵直後だと47~48g程度なのです。
腹部の膨らみもそれなりだし・・・
それが示唆するところは、連続産卵。
鳥は抱卵期に入ると複数の卵を産みます。
ストレス負荷による産卵抑制を行うことも出来ますが、万一、産卵準備中だった場合は卵詰まりの原因になります。
今は見守ることと、連続産卵に備え手助けすることしかできない。
産卵では大量のカルシウムを使います。
当然ですが、1個目より2個目、3個目と卵の強度は落ちて行きます。
だからカルシウムの補給は重要です。
チャチャの場合はカゴ内に常設しているボレー粉を菓子のようにボリボリ食べるので大丈夫。
しかし、カルシウムだけではダメです。
ビタミンDも必要なのです。
そこで、日光浴(先ほど撮影)↓
とりあえず、2~3日様子を見て、産卵の兆候がなければ産卵抑制をする予定です。
ここで卵詰まりの話を少々。
ある動物病院のサイトで見た症例です。
卵詰まりで来院したセキセイインコがいました。
レントゲン撮影の結果、体内に3個の卵があります。
外科的対応で排出させましたが、その後の生死は分かりません。
突っ込みどころ満載で呆れてしまいます。
でも、冷静に考えると愛鳥の産卵時刻まで把握する変人は私だけなのかもしれません。
普通の鳥飼さんは産卵に無関心なのかな?
たとえ愛鳥が致死率の高い卵詰まりで亡くなっても良いと思っているのかな?
私が間違っていなければ、小鳥が一度に3個の卵を産むことはありません。
上記の症例で言えば、最初に出来た卵が卵詰まりを起こした。
それを放置している間に2個目、3個目が体内で出来てしまったということです。
毎日卵が形成される訳ではないので、多分、1週間ほど放置されていたはず。
セキセイインコは1週間もの間、辛く痛い思いをしていたのです。
小鳥の体内で卵が形成されたのは誰でも分かります。
下腹部をそっと触診すれば硬く丸い物を確認できるのです。
もちろん、卵の形成が不完全な場合は触診では分かり辛い。
でも、体重測定、貯め糞の有無、仕草、腹部の膨らみで推定できます。
アキクサインコのチャチャ姉さんの平常時の体重は46g前後。
発情期は47~49g
卵が形成された状態では52g前後まで増加します。
触診しなくても体重測定だけで産卵を予測できます。
何度も書いていますが、小鳥の場合、体内で卵を保持できるのは24~30時間です。
その時間を過ぎても産卵しなければ卵詰まりなのです。
だから、愛鳥をしっかり観察していれば、3個もの卵詰まりを見逃すハズはないのです。
人様の鳥なので、どうなっても私には関係ありません。
でも、セキセイインコの事を思うと心が痛い。
更に言えば、こういう症例は特異ではないということが悲しい。
飼い主が愛鳥を可愛がるのは良いのですよ。
でも、それ以上にやることがある筈です。
声にならない悲痛な叫びを発信している愛鳥を助けるのは飼い主です。
ついでに、卵詰まりの原因になる持続発情の話もすると
日照時間の変化がなくなったり、年間の寒暖差がなくなったりすると、小鳥はいつも発情するようになります。
春夏秋冬いつでも卵を産んでしまう可能性が高くなる。
当然、カルシウム不足になったりホルモンバランスが崩れ卵詰まりが発生する確率が高くなります。
残念ながら、当家では日照時間の変化をつけることが難しい。
だから、寒暖差を体験してもらっています。
当初は体を強くすることが主な目的でしたが、毎年、数個ずつ産卵するチャチャを守るため季節寒暖差を強く意識するようになりました。
1日の大きな寒暖差はリスクが発生しますが、季節寒暖差(年間)は鳥たちにリスクより季節を感じさせる手段です。
例えば夏の室内最高気温(カゴ内)は30度ですが、冬の室内最低温度(カゴ内)は18度程度。
一見、大きな寒暖差に見えますが、それぞれの季節においての日中寒暖差は5度未満。
時間の移ろいの中で鳥たちは寒暖差を感じ季節を感じるのです。
そうすることで、不必要な発情(継続発情)を抑制しようという考え方です。
残念ながら、今年は7月に1個の産卵(チャチャの産卵)をしてしまいましたが、それを除けば良好な結果です。
つまり、発情休止期間がしっかりあるので、卵詰まりのリスク軽減に大きく寄与しているはずです。
変な話、ただ単に発情抑制を目的にするのなら、外飼いがベストだと思っています。
夏は暑く、冬は寒く・・・オーストラリア原産のアキクサインコならここ神奈川では可能だと思います。
しかし、野生種ではないし、長寿は期待できない。
猫の話をすれば、外飼い(放置)から近年は室内飼いに変わりました。
そのことによって平均寿命は飛躍的に伸びたのです。
バランスの取れた餌や健康管理が寄与していますが、寒暖差の減少も大きな要因です。
私の考え方は良いとこどり。
継続発情は怖いけど飼い鳥に5度や10度の環境は可哀そう。
だから、季節(年間)寒暖差は18度~30度の12度が目標なのです。
(文鳥のシルバはシニア領域に入ってきたので、21度以上を維持)
そうそう、産卵直後のチャチャ姉さんは午前中マッタリでしたが、
昼からはちょいちょい飛んでいます。
先ほど撮影↓
で、私の目的は・・・鳥たちが痛くなく怖くなく自由に健康で出来る限り長く暮らすことなのです。
追伸
この記事を読んで不快な思いをしている方も居るかと思いますが、
概ね多くの獣医師が発信している情報と合致しているハズです。
受け売りではなく鳥の健康を考えると結局こうなるのです。