前記事を読み返して、イマイチ説得力に欠けるというか、真贋が分からないかな?
という感じがして・・・本日も朝からPBFD関係の文献を読み漁っています。
誤解の無いように言いますと、誰かを説得するとか、正しいとか、間違っているとか、
そういうことを書きたい訳ではありません。
本日のハル↓
すべては鳥たちの為。
飼い主さんの選択肢を広げ、飼い鳥が出来るだけ自由で健康に過ごしてほしい。
現在、PBFDに感染した場合の治療はインターフェロン一択状態です。
もちろん、2次感染対策としての抗生物質や漢方薬等々使う場合はあるでしょうが・・・・
当家の場合はPBFD治療においてのインターフェロンは全否定。
万一、感染した場合は無治療。
なぜ、そこまでインターフェロンを否定するのか?
それは効果が期待できないばかりか、注射の場合、大きなストレスがかかる。
細い針を使っていても、恐怖や痛みは計り知れないから。
と、ここまでは思い込みの域をでない発言です、傍から見れば。
前記事にも書いたように、散々調べていますよ。
海外サイトでは猫用インターフェロンは効果がないという論文もありました。
でも、論拠が不鮮明。
重大な情報を偉そうに発信する場合は、やっぱり論拠が必要です。
そこで、先ほど見つけた症例報告を記事にしたいと思います。
発信元は公益財団法人 動物臨床医学研究所
PBFDを発症したタイハクオウムの例です。
そのタイハクオウムは生後2か月で輸入されました。
当時のPBFD検査では陰性。
ペットショップで4か月過ごし、生後6か月で飼い主さんに引き取られました。
飼い主宅では室内での単独飼いです。
飼い主さんは人獣共通感染症のオウム病を危惧し来院したそうです。
結果は陰性(オウム病)でしたが、約1か月後、クチバシの異常が出て検査の結果、PBFD陽性。
その後、インターフェロン(INF)製剤(インターキャット ®₁ MU/kg IM )を週1回で投与。
内服でもインターフェロンを併用。
一旦は好転する兆しがあったものの、最終的には死亡。
考察ではこのように書かれています。
インターフェロンには2種類あります。
・抗ウイルス効果の強い Type Ⅰ型 (IFN- α,β,ω)
・免疫調節作用の強い Type Ⅱ型(IFN-γ)
臨床の場で経験的に使用されている多くはType Ⅰ型であり、発症前・ 初期の PCR 陽性のセキセイインコの PCR 陰転化が認 められることがある(引用文献より)
ん?
インターフェロン効くんかい?
ところが、今回使用したインターフェロンはType Ⅰ型の IFN- ω製剤のインター キャット ®であると・・・
また、実験的にPBFDを発症させたヨウムにおいても、Type Ⅰ型である猫由来 IFN- αには効果がないと・・・
つまり、αとωの違いはあるけど、猫由来のインターフェロンはオウムに関して効果はないのです。
これは、海外の論文とも一致しています。
気になるのはセキセイインコのPBFD初期の陰転化にType Ⅰ型が寄与したのか?
引用文献を取り寄せれば良いのだけど、15400円はちと高い。
言い方も・・・認められることがある?という微妙な言い回し。
想像するのに、使ったら陰転したということではないかな・・・
それは使わなかった場合と比べていないのでエビデンスは存在しないかな。
無治療で陰転化した記事も多いし・・・
そうそう、ここが私の精神的な論拠。
例えば、無治療、陽性の鳥がバタバタ亡くなるのなら、藁にもすがる思いでインターフェロンを使うかもですが無治療で陰転化した記事の多いこと。
そして、インターフェロンを使って亡くなった鳥も多い。
結局それって、インターフェロンって意味がないんじゃね?
それなら痛くない方いいよね?
ずっと家に居ようね、となってしまうのです。
ちなみにType Ⅱ型の家禽由来 IFN- γは効果を認めたという報告もあります。
しかし、Type Ⅱ型の家禽由来 IFN- γは現在存在しません。
この記事をどう見るかは飼い主さん次第です。
全文を見れるようにリンクを貼っときますね↓
https://www.jstage.jst.go.jp/article/dobutsurinshoigaku/26/2/26_81/_pdf/-char/en
ちなみに、PBFDになってインターフェロンを使う場合は、高額な治療費が掛かります。
当家は使いませんが(しつこい)、あらかじめ保険に入る手もあります。
アニコム損保という会社は鳥でも加入できます。
ふぁみりぃ70%プランだと
年間保険料はセキセイインコで30000円ちょっと
ふぁみりぃ50%プランだと
年間保険料はセキセイインコで23000円程度
多分、治療費の70%や50%まで支払われるということだと思います。
病気はもちろん怪我も対応するみたいなので、一考ですね。
追伸
症例に出てきたタイハクオウムはペットショップ(4か月間)で水平感染したと思われます。
私が鳥のペットショップを避けている理由はそれです。
残念ながら、PBFDに限らずあらゆる感染症が蔓延している可能性があるのです。
そんなペットショップでも強い個体は自己免疫でウイルスや細菌を撃退します。
ペットショップではないけれど当家の鳥たちはそこを目指して管理しています。
主食のシードと青菜は食べ放題、ビタミン、乳酸菌生成液併用、日によっては、ほぼ室内で放し飼い。
最低でも4時間以上の放鳥。
冬は適度に寒く、夏は暑くという負荷は感じてもらいつつ、その他はストレスを与えず、自由にがモットーなのです。