風切羽の話の続きですが
*ここではクリッピング対象の初列風切羽に限定します
クリッピングされる風切羽には血液も神経もありません
ただし、羽が成長している途中は根元周辺は血液が流れています
その血液が羽を成長させるので、万一、成長過程の羽(羽軸)を傷つけたり
抜いたりすれば出血する可能性はあります
そこの部分を混同して、風切羽を切ると痛いとか血が出るとか仰る方がいますが成長が終わった(生えそろった)風切羽は先端はもちろん、根元も角質化していますので、仮に抜いても絶対に出血はしませんし、神経がないので痛みもないはずです
*文鳥は感染しませんがインコ類であれば羽の根元に血が付着していると真っ先にPBFDを疑います
クリッピングに話を戻すと
yahoo知恵袋にクリッピングされた羽(風切羽)は生えてきますか?という質問を見ます
答えを見ると、適当なものが多いと感じました
結論を言えば、簡単には生えてきません
当家のシルバの場合、4月下旬に雛換羽が終わったのですが、当然風切羽は生え変わらなったのです。
雛換羽中に鳥専門病院で健康診断したのですが先生曰く「まだ雛換羽中なら、風切羽も変わるかも」でした
当初は私も期待していたのですが、結果は変わらず専門医ですら、文鳥の換羽には興味がないのが実情です
そして、結論をさらに詳しく説明すると文鳥の風切羽は雛換羽では絶対に生え変わらないのです。風切羽が生え変わるのは、2回目の換羽前後です
微妙な言い回しになってしまいますが、風切羽は重要かつ生死にかかわる羽ですので、ほぼ左右対称に時間をかけて生え変わります。調べた例ですと、2回目の換羽の前に左右1枚、換羽中に左右4枚ずつ換羽後に1~2週間に1枚ずつといった具合です。何十年も文鳥を飼っている方の意見では、換羽とは別枠?で風切羽は生え変わるという方の意見もありました。確かに、上記の例は、換羽期間と重なっていない部分もあるので、個体によっては通常換羽が完了後に生え変わるのかもしれません。
そう考えると、少なくとも当家のシルバは来年の換羽期(5月以降)にならなければ飛ぶことはできません
仮に5月から2回目の換羽が始まったとしても、生え揃うまで2~3か月はかかるはずなので来年の夏までちゃんと飛ぶことができないのです
ここで気になるのは何故?風切羽は雛羽のまま、1年半以上も維持されるのかです
yahoo知恵袋ではベストアンサーでそんなに使っていないし、汚れていないからと回答されている方がいましたが多分違います(笑)
文鳥は生まれて、1か月程度で巣立ちを迎えます。巣立ちを迎えるにあたって、飛翔能力を向上させていきます。最初は滑空から方向転換、ホバリングetc
どんどん向上させて一人前になるのです。もし仮に、生後2か月程度で始まる雛換羽で
風切羽が抜けてしまうと、せっかく学習を開始した飛翔能力の向上が阻害されてしまいます
自然界では死に直結しますので、そんなことはできないという情報が受け継がれているの
だと思います。ちなみに雛換羽では約1000枚の羽根が生え変わりますが、2回目の換羽では約2000枚の羽根が生え変わります
*大人の換羽では同じ個体でも年によって増減があるようです
いずれにしても風切羽だけではなく雨覆羽等の重要な換羽は大人の換羽(2回目)で行われます
こうしてすべてが分かってくると、シルバのカエル飛びを見るたびに切なくなってきました。
切ないだけなら人間が我慢すればよいのですが実を言いますと、
シルバのカエル飛びは一歩間違うと大きな事故になっていたのです
つづく