騎怒愛楽な毎日

騎怒愛楽な毎日

おもに恋愛小説を書いています★☆
二次元愛しまくりな私のブログですが覗いてください(笑)

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何日も寝ずに考え続けている、ナルバンファミリー

睡眠もろくにとらず脳だけを使っている状況


思考回路も体も限界を超えている



次第にファミリーの中に


いっそこのまま、セバイルファミリーに堕ちてもいいんじゃないか



そんな考えが広がっていった



そんな時、屋敷のチャイムが鳴る



 「ボス、出ますか?」


 「大丈夫だ、私が出る」



ガチャ



 「誰だ?」



 「やぁ、元気にしていたかい?」



 「……!」



そこに居たのは、まさにみんなの思考の中心だった

ファンザーディス本人だった



 「そんなに会えたのが嬉しかったかい?」



 「ファ、ファンザーディス様……」



 「どうだい、話しはまとまったかい?」



 「ここでは、なんですから中にお入りください」



 (何を言っているんだ、私は!? こいつは敵のはず……)



ファンザーディス本人の能力にかけられた、ファイナは言動がファンザーディスに

忠誠を誓っている部下たちのような口調になっていた



それを、聞いていたナルバンの仲間たちも

思考と言動が反対のことを言っていた

 「みんな、ファンザーディス様が……!!」



 「なに、ファンザーディス様が!!」



 ((何を言っているんだ俺たちは……!?))







 「さて、ファイナ。 答えを聞こうか」



 「ファンザーディス様に名前を呼んでいただけるなんて……」



 「いくらでも呼んであげるよ、君の答え次第でね」



 (読んで貰いたい、この人に、私の名前を……)




能力にかかっているファイナは、真っ先に思考がファンザーディスのもとに堕ちた




 「……どうした?」



 「わ、私は………、、」



ファンザーディスはじっとファイナを見つめて、しゃべるのを待っている



 「……、私はこれからもっとファンザーディス様に名前を呼んでいただきたい」



 「……、ほう……。 はっきり言いたまえ、ファイナ」



 「あぁ……、はい。 私は、ファンザーディス様の玩具にしていただきたいです。」



 「おいで」



そう言って、ファイナを自分の横に呼び寄せる



 「…はい」


ファイナはファンザーディスの座っている椅子の横に、ひざまずく



 「可愛い僕のファイナ……。 これから君は僕の玩具だ」



 「ありがたきお言葉……」



 「君にはこれから僕の優秀な玩具となってもらうために、ちょっとした訓練がある」



 「はい」



 「僕の為に耐えてくれるかい?」


 

 「もちろんです。 このファイナの身体はすべてファンザーディス様のものです」


 

 「そうかい、それは嬉しいな」



 「君の部下たちは……、どうする」



 「ファンザーディス様のお心のままに」



 「そうかい。 じゃあ、君の部下ごと僕の玩具だ」



 「はい、ファンザーディス様……」






そして、ファイナは部下を全員屋敷のロビーに集めた



 「これから、お前たちに紹介したいお方が居る。 これからはそのお方に従うように」



そう言ってファンザーディスが靴を鳴らしながら出てくる


その靴の音はロビーに響き渡り、その靴音が近づいてくるたびに部下たちの心がファンザーディスのもとに堕ちていくようだった



 「やぁ、諸君。 これから君たちはぼくの玩具だ。 そんな君たちにちょっとした訓練がある、耐えてくれるね?」



 「「「わぁぁぁぁぁ」」」



部下たちは声援でその言葉に応じた



 「さぁ、行こうか。 僕たちの家まで」



そういと、ファンザーディスはファイナを肩に抱き

部下はその後ろをついていった



そしてその集団は、霧の中へと消えて行った











―――――――



久々の更新、ごめんなさいm(_ _)m

pcの調子が悪くて………。



でも復活したんで、これからよろしくお願いします!!













.




 「くっそ……!!」



ファイナの声が部屋の外まで聞こえる

あれからファイナは寝ていない



ずっと、夜中の間も悔しさ、どうにもならない現実の辛さ

そんな感情が混ざったっこえが聞こえていた



その声にこたえるように、ファミリーに属している人間が総動員で

何かボスの力になれないか、この状況の打開策はないかと夜通しで考えている



手を組むにしても対等な立場にならなければ、きっと玩具にされてしまう



対等な立場になろうと思ったらそれなりの材料が必要だ



今のナルバンファミリーはとてもセバイルファミリーと同じ立場に立っていない



これが頭の中を永遠と回り続ける



みんな己と仲間の命が関わっている為、だれも諦めない

人はこのような状況に立った時に最も強い結束力を見せるのだろうか



一番いいのは、自我を残したまま能力をつけてもらうことだ

そうすれば、いつでも手を切れるし、地位的にも一気に上ることが可能だ



しかし、これはナルバンファミリーにはメリットがあるが

セバイルファミリーに何一つメリットがない



いつ裏切られるかもわからない

自分たちが渡した能力で、いつか脅かされるかもしれない



そんな状況にわざわざなる組織が居るだろうか



どこかで聞いたことがある 



この世はメリットでしか動かない それは人間もまた同じ




それは、この裏社会で最も基本となる思考だ

自分にファミリーにメリットになる事しかしない


デメリットと分かったら、即刻手を切る


昔からこの社会の根底にあるものだ



しかし、その根は裏社会にとどまらない

今ではこの地球全体にその根を伸ばしている



誰かのため、自分を犠牲にしてまでも誰かにつくそうとすることはほとんどない

そう見せかけて、根底にその根は存在する



セバイルファミリーと手は組みたい

しかし、それには危険すぎる









 「ふっふっふ」



 「どうした?」



 「ん? あぁ、新しい玩具たちが一生懸命もが居てくれてるからさ……」



 「ナルバンのことか?」



 「そうだよ。 新しい能力のテストがてら、あの時にしかけておいたのさ」



 「誰の能力だ?」



 「僕自身のだよ、この間新しくね」



 「………そうか。 どんな能力なんだ?」



 「そうだね。 主には洗脳だけど、即効性じゃなくて徐々に聞いて来るやつ。 しかも、能力をしかけた相手の考えてることは、手に取るように分かる」



 「調教部いらなくなるか?」


 

 「ううん、調教部は居る。 僕の楽しみをとらないでよ」



 「はいはい」






そう言ってニストは離れて行った




 「ファイナ、もうすぐ君は僕の玩具だ」

















―――――――――――



そろそろ、決着の方向へ持っていかないと(^_^;)

10話を目標に頑張ります!!





















.






ファンザーディスが地下に居り、眼の前にある1つの扉を開けた





そこには、顔が恐怖の色で塗りつぶされた男女が居た

二人とも眼隠しをしている





男性の方は、今もなお何かから逃げるように必死でもがいている

きっと男性は、逃げられないと分かっているだろう





女性の方は、ファンザーディスが入って来た瞬間から

今から己の身に降りかかるであろう恐怖を感じ取り、ガタガタと震えている



その震えは、今にも音として耳に届きそうなほどだ






 「やぁ、諸君。 君たちにはどんな力があるのかな?」






そう言った瞬間、2人の行動がピタリとやんだ






 「ぼ、僕の体にはダイヤモンドがあります」





 「なるほど……」





 「私は、自分の体のいたるところから刀を出すことが出来ます」





 「君は、戦闘向きだね」





 「ありがとうございます」





女性は目は隠れているものの、口元から表情がうかがえる

その表情は、なんとも嬉しそうだった




 

このセバイルファミリーの調教の方法は

調教部に恐怖を教え込ませ、ファンザーディスと直属の部下3人が

優しく接し、安心、信頼を教える





こうして、玩具はみんな



 (ファンザーディス様は、いい人だ。 あんな、怖い思いはしなくていい。 信頼していいんだ。 この人の為なら何でもしよう)





こう、洗脳されるのだ





底知れぬ恐怖から救ってくれた大恩人、それがファンザーディス





こうして、恩人の為につくそうとすることによって

ファンザーディスの部下が増えて行くのだ






セバイルファミリーの部下の異常なほどの忠誠を誓っている






そして、それは様々なファミリーに知られているが

どうやって部下が出来るのかは、一切分かっていない






それは、セバイルファミリーの屋敷

つまり、本拠地がこの世界、この次元に無いからだ





目撃者はもちろんいない


目撃者がいたとしても、屋敷を出るときにはファンザーディスに忠誠を立て口外することは無い






こうして、セバイルファミリーのヒミツは守られてきた




そして、セバイルファミリーの新しい部下として目をつけられたのがナルバンファミリーだ






もともと、セバイルファミリーの部下は全員どこかのファミリーを吸収して出来たものだ





しかし、今となっては喜んで部下になるファミリーはない

昔はその実態を知らなかったファミリーが、傘下に下るという形で部下になった







ファイナは必死で、ファミリーと己を救うために

打開策を夜な夜な寝ずに考えていた














































――――――





うーん、なんだかわからない方向に行っている気がする

なんか、危うい表現が多いよ!?




でも、この世界のどっかにはこの状況とあんまり変わらない人もいると思う

私たちが、知らないだけでね……





暫くは、ジェルソンファミリーの絡みは無いですねι

セバイルファミリーとナルバンファミリーの決着がつくまで、付き合ってやってください


















管理人



























.



 「くっくっく……」



闇の中不敵に笑う、ファンザーディス・セバイルは何とも楽しそうな顔をしている



 「ファンザーディス様、もうそろそろでございます」



 「そうか」




そう言って闇の中から出ると、目の前に現れたのはセバイルファミリーの屋敷が出てきた

その屋敷はとても人が居るとは思えないほど静かだった



ファンザーディスは静かにドアを開け


 「ただいま帰ったよ、僕の下僕達」



 「「「おかえりなさいませ、ファンザーディス様」」」




そこには、帰りを待っていた部下が左右に列を作り

綺麗にお辞儀をしていた



しかし、その格好は奇妙なものだった

身につけている衣服は下着だけで、首には首輪のようなものが付けられていた



 「いい子にしてたかい?」




そう言いながら、フロアの奥にあるエレベーターの下のボタンを押す



セバイルファミリーの屋敷には地下があり、地下4階まである


地下4階は人体実験をしている部屋

地下3階は調教部の者が、ファンザーディスの玩具になるように調教している

地下2階では、その人体実験を行う予定の人間とその途中、終わった人間すべての収容所になっている

そして、地下1階ではファンザーディス自ら、その調教の仕上げを行っている



こうして、セバイルファミリー玩具が完成して行くのだ



このセバイルファミリーで自我の残っているものは、ファンザーディス直属の部下の10人だという



そのうちの5人は調教部、2人はスパイ活動を、残りの3人はファンザーディスの直接的に仕事を手伝っている




 「どうだったんだい?」



そう言って話しかけてきたのは、直接的に仕事を手伝っているニストだ




 「すごく楽しかったよ」



 「手に落ちそうかい?」


 

 「意外と気の強い女性でね。 でも、必ず僕の手に落ちるよ」



 「それは、よかったね」



 「この子の能力もすごくいいよ」



 「異次元空間に移動する能力だったっけ?」



 「そうだよ」



 「まぁ、ここも異次元だけどね」



 「確かにね。 ねぇ、ニスト」



 「なにかな?」


 

 「最終段階まで来てる子は?」



 「2人」



 「じゃあ、言ってくるよ」




そう言ってファンザーディスはエレベーターに乗り込み、地下に降りた



























.




ナルバンファミリー 隠れ別荘




 「くっそ、始祖め………。 裏切ったな!!」



ボスのファイナが暴れ回る



 「ボス、落ち着いてください。 お気持ちもわかりますが、復讐の機会はいつでもあります」



 「うるさいっ、じゃあ今どうするんだい!!」



 「そ、それは…………」



 「失礼します」



すると、全身黒装束の男を戦闘に数人の人間が入ってくる

それは、周りの空気を変えてしまうほどの異様なオーラを放っている



 「なんだ、お前たちは!」



 「落ち着いて話しませんか、ファイナさん」



 「貴様……、なぜここを、なぜ私の名前を知っている!」



 「名前ぐらいは、調べれば分かりますよ」


 

 「じゃあ、ここを知った理由は?」



 「勘ですよ。 あなたがある人物に大変腹を立てているという噂を聞いてね」



 「話にならん。 出て行け」



 「腹を立てている人物は、ジェンそれと、ザンダイと言う男ではありません」



 「だったらどうする」



2人の一触即発な雰囲気に、ナルバンの周りの者は何も出来ずに

ただそこで立ちつくしている




 「私と一緒に、つぶしてみませんか? 私には、それほどの力と権力、人脈もある」


 

 「騙されん。 確かに、その男には腹を立てているがだからと言って、いきなり現れた貴様のいいなりにはならん」



 「私が、あのジェルソンファミリーと長年因縁の関係にあるとしても?」



 「こっちにはこっちのやり方がある。 その誘いには乗らん」



 「気の強いお方だ。 私の名前は、ファンザーディス・セバイル。 いつでもあなたのお力になります。 よろしければ我家族、セバイルファミリーの元へ」




 「セバイルファミリー!?」



そう言い捨てて、ファンザーディス・セバイルは消えた

それは、さって行ったのではなく水が蒸発して

空気中に溶け込むように、それでいてとても自然に消えたのだ




 「ボス、一体何なんですか」



 「あいつらは、特殊能力のある人間ばかりが集まってできている組織。 それがセバイルファミリー。 さっきのもきっと誰かの能力だ」



 「特殊能力!?」


 

 「あぁ、あんな能力もあれば、ほかにも攻撃的な能力や、治癒能力などの能力がす帰る奴もいるらしい」



 「だから、この場所も………」



 「だろうな、気を付けろよ。 たとえ、あっちから話しかけられてもその話には乗るな」



 「なんでですか?」



 「……………」 




ファイナは黙ってその場を去っていく



 (あれの相手は私がする。 あいつらの話に乗った先には“死”しかない。 話に乗って、屋敷に行けば速攻人体実験。 能力者となって、感情を奪われ、あいつの生きる玩具(部下)としかなれないのだから)



























―――――――――――――





今回は、話の舞台をジェルソンファミリーからずらしてみました(笑)

まぁ、次の敵の前ふり的な………




もうちょっと敵ファミリーについて書こうと思います(*^▽^*)

多分、次は敵目線で……(・∀・)






















.



ジェンの母親の登場で少し場の雰囲気が柔らかくなった




 『ユーリンさんたちは、今何をしてるんですか?』



 「シャンちゃん、そんなにかしこまらないで、お父さんって呼んでよ^^」



 「あなたに話しかけてないわよ」



 「いいじゃないか、ユーリンちゃんもそう思ってるくせに」



 「………//// 余計なことは言わなくていい」



 「ということだから、お母さんって言ってあげて」



 『いいんですか?』



 「構わないわ」



 『じゃあ、お母さん』


 

 「……っ///」



 「照れてる、照れてる」



 「うるさい////」



 「で、お袋たちは今何してんだよ」



 「ん? 自営業」



 「何の?」



 「会社立ちあげた」



 「だから、何だよ」



 「…………病院」



 「はぁ!!」




ジェンが驚いて背中を預けていたソファの背もたれから、背中が離れた




 「嘘よ、学校を立ててネットワークを広げてるの」



 「んだよ、ウソかよ」

 


 「いいじゃないか^^」

 『学校!!』



 「えぇ、子供が好きなのよ」



 『お母さんが?』



 「っ/// いいえ、ルi「ユーリンちゃんがね^^」



 『そうなんですか。 いいなぁ、子供』



 「今は幼稚園から、中学校まで立てたわ」



 『通わせたいね……』



 「誰をだよ……」



 『ん、子供、私たちの(笑)』



 「そうだな……、いいなそれも」




そう言って、シャンの肩を抱き寄せる

肩を抱き寄せる原因を作ったシャンの顔が一気に紅潮する



 「なんで、お前が赤くなるんだよ」



 『だって、ジェンを驚かそうとしただけなのに……』



 「まだまだ、甘いな」









 「ユーリンちゃん、仲よさそうだね」



 「そうね」



 「あのこと、話しても良さそうかな」



 「さぁ、もう少し様子を見ましょう」



 「あの子たちに、もう一つ災難が降りかかるね」



 「でも、あの子たちなら大丈夫でしょ」



 「どうかな? 結構強敵だと思うけど」



 「……知らないわ」













――――――――――――




ほとんど会話になってしまった………

また、試練を2人に吹っかけようと思います



2人を応援してあげてください( ´艸`)














.



リビングに3人、シャンとジェンの父親ルイは仲良く話している


ジェンはと言うと、相当不機嫌そうな顔でシャンの隣に座っている

ジェンは少しでも触れたら、爆発しそうである



そんなことお構いなしに、仲良く話しているシャンとルイ

それが余計にジェンの機嫌を悪くしている



ナイトも最初にお茶を持ってきて以来、あまりの空気に入れずにいる




 「へぇ、そんな事があったんだ!」



 『はい、そのときはとてもジェンに助けてもらいました』


 

 「そっかぁ、いい子だねシャンちゃんは」



 『そんなことないですよ』



 「そうそう、ジェンの小さい頃の話し。 聞く?」



 『いいんですか!? 聞きたいです』



 「ジェンがね、ちっちゃい頃はね 「シャン、聞くなら俺に聞け」



 『え?』




ジェンが、ルイの話を遮って言う



 「ジェン、邪魔しないでくれよ……」



 「自分の過去は、自分で話す」


 

 「そうかい? 全く、このクールな感じ母さんにそっくりだよね」



 「知るかよ」



 『もう、そんなに機嫌悪くしないで。 じゃあ、今日ジェンのちっちゃい頃の話してよ?』


 

 「……、あぁ」



 『そう言えば、ジェンのお母さんってどんな人?』



 「お袋?」


 

 『うん』



 「無口で、でも誰よりもそいつのことわかってて………」



 「へぇ~、ジェンそんなこと考えてたんだ。 メモメモっとφ(.. ) 」



 「メモなって!」



 『ジェンは、お母さん好き?』



 「別にどっちでも、ねぇよ……」



 『うん、そっか^^』



シャンもだんだんジェンの心の中が分かるようになってきた

そのため、さっきのように「どっちでもない」はジェンにとっては好き、好意的だということだ



ジェンもそれを分かってか、それ以上は何も言わない




 「そっか、シャンちゃんはジェンのことよくわかってくれているんだね」



 『そんなことないですよ。 ジェンの話を聞く限りお母さんにはまだまだですよ』



 「母さん聞くと喜ぶよ。 ジェンの性格は母親譲りだからね、もうホントそっくり」



 『そんなにですか?』



 「うん、今日もホントは来たかったのに意地はって来てないもん。 まぁ、結構近くには言うと思うよ」



 『え?』



 「ホントはジェンとシャンちゃんに会いたいから、自分で来てると思うよ。 まぁ、この部屋のどっかには居るだろうね」



 『え、えぇぇ!』



 「可愛いでしょ、僕の奥さん」



 「………、どうりでなんか気配があると思った」


 

 『ジェンは分かってたの!?』



 「まぁな。 でも、うまく隠してる。 どこにいるかはわかんねぇ」



 『………会いたかったな………』



 「もう、シャンちゃんもこう言ってるんだから出てきたらどうだい?」




少し、大きな声でルイがしゃべる

その顔はとても笑顔である



 「もう、かわいいなぁユーリンちゃんは」



そう言ってルイは立ちあがり、迷うことなく部屋の奥の窓に向かって歩き出す



 『ど、どこに行くんですか?』



 「ん? 大好きなユーリンちゃんを迎えに行くんだよ」




そう言って、束ねてあるカーテンをずらす

すると、そこには目元がジェンにそっくりなとてもきれいな人が立っていた



 「紹介するよ、ジェンの母親ユーリンちゃんです^^」



 「へらへらしながら、紹介するんじゃない……」



 「ごめん、ごめん」



 「はじめまして、シャンさん。 母親のユーリンです」



 『は、はじめまして』




そう言ってシャンは勢いよくお辞儀する



 「かしこまることはないわ。 とてもかわいらしい子ね、ジェン」



 「居るなら、最初っから出で来いよ」



 「いいじゃない」



 「そうかよ………」




そう呟いたジェンの顔は少しはにかんでいたように見えた















―――――――――――



なんだかんだいって、ジェンの母親登場させました(ノ^^)ノ~~

ルイさんはユーリンちゃん大好きです(笑)



んー、今度頑張って登場人物の絵書こうかな………

下手くそだけど………

だって、目元が似てるって言っちゃったし………



















.



―――――――――――――


前回の話して一区切りついて、話の内容もガラッときっと変わるので

今回のお話から題名を「月を支える闇Ⅱ」にさせていただきます★☆


このお話しは、今まで出演がなかった(はずの………)ジェンのお父さんが絡んできます

お母さんは、分かりません(・∀・)



どうぞよろしくお願いします



―――――――――――――




あの日から3ヶ月後、ジェンはロギスと約束したように

さらにこの裏社会をよくするために毎日忙しく働いている



シャンは、少しでもジェンの助けになりたいといい

ジェンの仕事の補佐をしている



ザンダイは、シャンの願いにより3年間の懲役刑になった



シャンとジェンは、あの日から晴れて婚約者となり

ザンダイが出てくる3年後に挙式を上げることになっている



ファミリーのみんなもシャンの両親もこの意見に賛成してくれている



そして今、またジェンに大きな問題が降りかかろうとしている



それは、ジェンにこのジェルソンファミリーを任せてから一度も顔を出していない

ジェンの父親だ



先日のザンダイの事件をどこからか聞いたジェンの父親が、今度会いに来るというのだ



そう言う手紙がジェンのもとに届いたのは2日ほど前

はっきり言ってジェンは父親が苦手なのだ



理由は、ジェンの父親はジェンと性格、見た目などが全くの反対で

いつもいつも愛想を振りまいている(ように見えるだけ)父親がいつしか苦手になっていた




手紙には、“今度、顔を出す”と言う文字しかなく

いつ来るのか、だれと来るのか

そのような情報がまるでなかった




その日からというもの、ジェンはため息をつきっぱなしである



 「………はぁ」



 『また、ため息ついてる』



 「仕方がないだろ、あんな手紙貰ったら」



 『そうかもしれないけど、久し振りなんでしょ?』



 「まぁ……な」



 『もうそんな顔しないの』



今ジェンは、シャンと一緒に買い物をしている

特に必要なものを買いに来たわけではないのだが、シャンがジェンのことを見かねて外に連れ出したのだ




 (ジェンのお父さんの話って聞いたことないけど、どんな人なんだろう………)



ジェンのこの、人見知りと信用した人しか容易に話さない性格は

きっと父親のような人物になりたくないというジェンの深層概念からだろう



 

 (はぁ、ホントに帰ってくるのかよ……。 調子狂うわ)




その後も、暫くウィンドーショッピングを楽しんだ2人が家に帰ってきたのは

夕飯前になっていた




 『ただいま』


 

 「………ただいま」



そう言って、リビングに顔を出すと見知らぬ後ろ姿があった



 『ん? この人だぁれ?』


 

 「………どうした?」



 『なんか、よくわからない人が座ってるの』




シャンは、リビングのドアの前で入れずにいる




 「誰だよ………」




そう言ってジェンの視界の先には、言いま自分が最も会いたくない人物の後ろ姿だと分かった

そう思った瞬間、とっさに行動に出ていた




 「なんで、お前がここに居るんだよ!」



 「私の家でもあるだろう?」



 「今は、俺の家だ。 あんな手紙よこしやがって、何のつもりだ」



 「息子の婚約祝いに来たんだけど?」



 (ちっ、へらへらしやがって…………)

 「だから、なんで知ってるんだと聞いている」



 「息子のことだから、わかっちゃうのよ」



 『ジェン………?』



 「なんだ、シャン」



 『もしかして、その人ジェンのお父さん?』


 

 「…………」



 『そうなんでしょ?』



 「…………あぁ」



 「もしかして、君がシャンちゃん?」




そう言ってさっきまで座っていた男がシャンの方に体を向ける



 『はい、はじめまして』



 「どうも、ジェンの父親のルイです。 よろしく」









こうして、シャンとジェンの父親は初めてであった






























.




ジェンは、電話を切ってから急いでシャンのもとに戻って行った



 「シャン!!」



 『じぇ………ん?』



ジェンはシャンを勢いよく抱き上げて



 「ありがとな、頑張った」



そう言って、頭をなでるとシャンは目にためていた涙を

止めることを忘れたように流した



 『こ、怖かった………よぉ………』



 「だろうな。 ザンダイは、警察に身を置くことになったから」



 『それって、大丈夫なの?』



 「刑務所に入ることになるだろうな」



 『おじい様は?』



 「今は、まだ向こうに居るよ………」



 『私ちゃんと話したい。 家族だから………』



 「分かった、行こう…………」





そう言って2人はザンダイのもとに言った





 『お、おじい様………』



 「今更、なんのようだ。 今まで、戻ってこなかったくせに……」



 『う……ごめんなさい』



 「だから、何の用だと聞いている」



 『お話しをしに来ました』



 「……………」



 『おじい様をこんな行動をさせてしまうきっかけを作ったのは、私だから』



ジェンは、黙ったままシャンの横に居る




 『おじい様も私の家族だから。 でも、私は家を出たからこそいろんな人と出会えたし、ジェンをも出会えました』



 「…………そうか」



 『だから、おじい様も封通の家族に戻りましょう』



 「………、こんなワシを許すというのか」



 『はい、家族だから』



 「お前は、ワシにかけてたものを全部持っているようだな」



 『そうですか?』



 「返ってきたら、どこかに出かけようか…………みんなで」




そう言ったザンダイの顔はなんだか、穏やかに見えた



 『はい、みんなで行きましょう』





すると、ちょうど警察が来てザンダイを連れて行った



 『ジェン?』



 「………なんだ」



 『仲直りできたかな?』



 「出来ただろうな」



 『そっか………』



すると



 「シャン……」



 『あ、お父さん』



 「ありがとう、ホントは私がするべきだった」



 『いいの。おじい様が帰ってきたら、どこか行こうって』



 「あの人が、そんな事を言っていたのか」



 『うん。 ジェンとお父さんとお母さんと………、みんなで行こうよ』



 「そうだな………」




ミラはロギスの隣で泣いている




 『お母さん、泣かないでよ』



 「嬉しくて泣いてるよの………」



すると、シャンがジェンの隣を離れ

みんなの前に立つ



 『みんな………、守ってくれてありがとう。 これからは、みんなが笑えるように戦うね』




そう言ったシャンの顔はとても笑顔で、心が洗われるようだった




その場にいた全員がシャンに微笑みかけて頷く



シャンは心の中でそっと思う



  ―― この笑顔の花はいつかきっとかれるだろう ――


  ―― だけど、私はこの笑顔の花を枯れないよう守りたい ――


  ―― 何の力もない私だけど、笑顔は守れる。 そう信じて ――






























―――――――――――



やっと一区切りつきました☆★

今まで読んで下さった皆さん、ありがとうございますm(_ _)m



あっ、連載はもう少し続けます(笑)

今のところは、結婚させて、子供生ませて(2人くらい)、成長させたいと思います( ・д・)/



どこかで、お爺さんとの約束も果たそうと思います(*^o^*)/~




これからも、よろしくお願いします(●´ω`●)ゞ










.



ザンダイは服のいたるところに隠してあるナイフを攻撃の暇を与えないように投げている



それを、ジェンはいとも簡単に鞭で払っている



 「そんなに投げてたら、体力持たないんじゃねぇの?」



 「ワシが、無意味に投げていると思うか? これで、最後のナイフじゃ」



そう言って、ナイフが飛んでくる

しかし、それを先ほどのように鞭で払う



 「最後の割には、さっきと変わらなかったぜ?」



 「………、周りを見ろ。 これがお前がしてきた結果じゃ!!」



ジェンの周りには、薙ぎ払ったナイフがたくさん地面に刺さっている

ナイフのとっての先には、金属の針が付いている



よく見るとその針から、細い導線のようなものがザンダイに向かって伸びている



 「……っ、まさか!」


 

 「そのまさかだ」



ザンダイは、スタンガンを取り出した

細い導線を辿ると、ザンダイの左手につながっている



きっとその導線にスタンガンを寄せて、地面から不特定多数の人間に対して感電させるつもりだ



そうなれば、この距離からもシャンに攻撃をすることが出来て

さらに、シャンを守ってくれているシャンの両親にも被害が加わる



ジェンは、とっさに自分の耳についているインカムに向かって叫んだ



 「全員聞け! 今から、電流が流れる!」



 「ふっ、どこにも逃げられん………」



ザンダイはスタンガンのスイッチを入れる




 「両脚をとじて、地面にしゃがめ! タイミングは、俺が合図する!」



インカムからは、了解との声が聞こえる




 「あと、合図する瞬間からだれにも触るなよ………」



 「そんなことしても無駄だ! 死ねっ!」



 「いまだ、しゃがめ!」



ザンダイは、左手の導線にスタンガンを当てた




すると、しゃがまなかったザンダイの部下たちが倒れる

ジェルソンファミリーのみんなは、ジェンの命令を聞き両脚をそろえて座りしゃがみこみ

感電を免れたのだ




 「……っ! なぜだ……」



 「簡単だよ。 電流は入り口と出口が存在しないと、流れることが出来ない」



ザンダイは、ジェンの説明を半ば上の空で聞いてる



 「だから、両脚をそろえて入り口と出口の2つの存在を1つにした。 だから、電流は流れない」



 「くっ、まだだ」




すると、最終手段のように銃を取り出してジェンにまっすぐ銃口を向ける




すると、遠くの方でジェンの名前を叫ぶ声が聞こえる




 『やめてっ! ジェンだけは、殺さないでください!』



シャンが、震える体でジェンの前に両手を広げて立っている



 「シャン!」


 

 「シャン、そこをどきなさい」



 『嫌です! ジェンは、何があっても………』




シャンの頬を大粒の涙が流れていく




 「ならば、お前ごと………」



パァン――――




銃声が鳴り響く




その瞬間、周りの音が消えた




 「シャンっ!」



シャンは、びくともしない



 「殺してはいない。 かすっただけだ」



シャンの上着に銃弾が通った跡がある

シャンは、その場に崩れ落ちて自身の体を抱きしめて震えている



ジェンは、まっすぐザンダイを見つめ

かつて見たことのないような冷たい目で睨んでいる




 「貴様………、今シャンに何をした……」



 「脅しただけだが?」



 「お前のしたことは、殺人未遂。 脅しじゃねぇ」



 「今まで、シャンにはそう教えてきたが?」



 「だからそれは…………、脅しじゃねぇって言ってんだよ!!!!」





ジェンは、まっすぐザンダイの元まで走り頬をなぐる




 「ぐはっ」



 「お前は、どれだけの時間シャンを恐怖で支配したと思ってんだよ」



 「………、なにがいいたい………」



 「シャンは、優しいからな………。 謝れば許してくれるだろうな……。 でも、シャンの周りにいた人間はそれだけじゃ許せねぇんだよ」



 「…………………」



 「しっかり、償ってこい」





そう言って、ジェンは鞭でザンダイを拘束してどこかに電話する




 「あぁ、俺だ。 よろしく頼む」




すると、遠くからサイレンの音が聞こえてザンダイ達は警察に身柄を預けることになった




























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