観終わった後、本気で震えた…フィリピン貧困邦人を追った衝撃のドキュメンタリー映画「ベイウォーク」 | ななころびやおきのエンタメ的生活

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本日は

以前から行ってみたかった

京都は出町商店街にある出町座

に初潜入!!

 

 

この出町座は映画×書店×カフェという

お洒落なスタイルのミニシアター

 

 
小さな映画館が年々消えていく中、

2017年12月に新しくオープンしたというのだから、心意気と応援するみんなの想いが凄い♪大型シネコンではやっていない、今本当に見るべき良作映画がたくさん爆笑

カフェもとってもいい感じで、ここにいるだけでお洒落でワンランクアップした自分になれる気がするよチュー

出町のサブカルチャー発信拠点にもなっているというから、訪れてみる価値ありですよ。

 

 

アクセスは、

京都市営地下鉄今出川駅徒歩10分

京阪出町柳駅徒歩5分の出町枡形商店街内

 

 

そして、

肝心の本日の作品は

ドキュメンタリー映画ベイウォーク

 

今日は火曜日だし、用事もあったので

映画を観るつもりなど、全くしていなかったのだけれど…

 

一年の中で数日ある

なんだかついてる一日照れ

 

 

あるよね?

 

逆ももちろんあるけど…

 

何やっても上手くいかない日ねガーン

 

今日は幸い

前者のラッキーデーだったみたい♪

 

偶然、

出町商店街に行くことになり

 

行きたかった出町座でカフェして

衝撃の映画との出会いもあり

 

おまけに、

通常水曜サービスデーが多い映画館業界にあって、こちらの出町座さんは、火曜サービスデーだったのよ爆笑

 

 

誰か私に

「今日ここで映画観なよ」

って囁いてる?

 

 

ちょうど時間のあった

こちらの映画「ベイウォーク」をチョイス!

 

タイトルもままならないまま「もうはじまっているよ」とスタッフに急かされ、チケット(火曜サービスデーは1200円)を券売機で購入して、地下のシアターに案内される。

 

全て埋まっても50ほどのミニシアターに10人くらいの観客がいました。

 

座席は背もたれが低くて少し座りにくかったかも。すぐ慣れますが…。

 

はじまってから、

映画が普通の映画ではなくドキュメンタリー映画だと知る…キョロキョロ

 

 

 

赤塚崇さん(58)

東京生まれ栃木県育ち。高校卒業後、自動車整備工や株式仲買人などを経てブローカーに。法律スレスレ、時には踏み外しつつ?裏社会を生きてきた。数年前、フィリピンでの事業に誘、れ訪比したが、騙されて無一文に…。



関谷 正美 さん(62)

岐阜県出身。大学卒業後、家業の繊維問屋を継ぐが倒産、その後は様々な仕事を転々とする。訪比前は派遣社員として東京の電気店で働いていた。若い頃から海外旅行が趣味で、一番多く遊びに行っていたフィリピン・マニラへの移住を決める。



謎のフィリピン人

彼女に振られてヤケになり、全財産の200万円をカジノで全て使い果たし、無一文になった謎のフィリピン人。路上生活者のタカシさんや彼を追う撮影スタッフに故郷に帰るためと、お金を無心する…。




映画館では、あんまり観たことのないジャンルだと思いながら観ていると、

 

 

次第に、とんでもない映画を見せられているのでは…?と、

少し身震いがしてくる…。

 

 

疑惑確信に変わり、

 

少しの身震いは、

心の激震に変わる。

 

 

 

粂田剛監督のコメント

日本から海外に飛び出した人たちのその後に興味があった。 彼らがそこでどんな暮らしをして、何を食べ、周りにはどんな人たちがいるのか

 

その生活は幸せか?それとも不幸か?

今の自分の境遇を嘆いているのか?

満足しているのか、または諦めているのか?

そして故国日本に対して、どんな感情を抱いているのか?

 

彼らのことを知りたかった。

 

それを何らかの作品にして残したかった。 2012年から2019年の間、カメラを持って20回ほどフィリピンを訪れ、多くの日本人に会った。ほとんどが男性だった。犯罪を犯して逃げてきた人、フィリピン人女性と結婚し移住した人、女性を追ってやって来てどん底に落ちた人、貧困の中家族を作り暮らしている人… 当たり前だが一人ひとりにそれぞれの人生があり、それぞれの思いがあった。撮影させてくれた人も、撮影はダメだという人もいた。次に行った時は行方不明になっていた人もいた。継続的に撮影させてくれた人は7人だった。その中の4人を主人公に『なれのはて』という映画を作った。 映画は第3回東京ドキュメンタリー映画祭でグランプリ&観客賞を受賞し、一般劇場公開されることになった。素直に嬉しかったが、そのあと、多少の割り切れなさが残った。映画に入らなかった人たちのことだった。長年にわたって撮影させてくれたのに、作品に結実しなかった人たち彼らに申し訳なかった。彼らのためにもう1本、映画を作るべきだと思った。誰にも評価されなかったとしても。 そんな思いで完成させたのが今回の『ベイウォーク』だ。 この映画には、マニラで無一文になりホームレスにまで落ちぶれた男性と、老後をフィリピンで過ごそうと移住してきた男性が登場する。彼らの生活圏はほぼ重なっているが、互いの存在を知ることはない。片やストリートを這うように生き、もう片方は高層マンションにひとり暮らす。

 

彼らの行く末がどうなるのかは

ぜひ映画をご覧になってほしい。 

 

自分がなぜ、

日本を捨て海外に暮らす人間たちに

惹かれたのか?

 

それまでの暮らしをリセットして新しい人生を生きる彼らが羨ましかった?

そう思ったこともあった。

 

どん底で生きる彼らの暮らしの中に、むき出しの「生」を感じた?

そんな瞬間もあったが、それだけではない気がした。


 7年間取材して2本の映画を作り、彼らのことを知るための長い旅はいったん終わったが、

 

答えは、未だに分からない。

 

 

 

撮影した監督本人が、

答えは、未だに分からない」と言っているのだから、

 

 

むろん、今観終わったばかりの私の感想も

なんとも言い難い…

 

 

ただ強烈に残った恐怖感の理由を探しながら、これから先も「生きる」しかない。

 

 

そんなことを思いながら
身が引き締まる思いで

映画館を後にした

 

 
 
心震える99分…。
後味は、恐怖か希望か哀愁か…?

リアル(現実)に勝る説得力なし

人生折り返し地点にいる全ての中高年に捧ぐ、リアルドキュメンタリー映画

誰にでもなりうる究極の「なれのはて」に

あなたは何を思いますか?

 


★★★★☆(星4.0)

 

鑑賞日時
202327
出町座

2022
年製作/99分/G/日本
配給:ハピネットファントム・スタジオ

 

 

 

  粂田剛(くめたつよし)

1969年愛知県生まれ。

東京都立大学人文学部社会学科卒業。

フリーの助監督として原将人「20 世紀ノスタルジア」(1997)、矢崎仁司「ストロベリーショートケイクス」(2006)、松井良彦「どこに行くの?(2008)などに参加。

その一方で、企業 PR 映像や教育映像、テレビ番組のディレクターとしても仕事を続ける。主な演出作品に「フランケンシュタインの誘惑 科学史 闇の事件簿 第三夜 クローン人間の恐怖」(NHK BS プレミアム)、「珍盤アワー 関根勤の聴くメンタリー!(BS フジテレビ)、「ザ・ノンフィクション シフォンケーキを売るふたり」(フジテレビ)などがある。

202112月、初の長編ドキュメンタリー映画なれのはて」が全国劇場公開された。

 

 

 

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