今年の運を全て使い果たす | 『時たま山伏、いつもは音楽制作者』

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クサリ一本で垂直な崖を登ったり、畳一畳もない岩塔の上で日がな過ごしたりする、山伏に憧れる音楽制作者のブログ。

今週の初め、白馬・八方尾根の唐松岳へピンポイント登山した。

天気予報は今ひとつで、入山ギリギリまで天気図や時間ごとに変わる予報と睨めっこしていたけど、昼過ぎまではなんとか天候がもちそうだと判断、天気が悪くなったら降りてくればいいやと黙登を心掛けて一気に登った。



ゴンドラとリフトを乗り継いで八方尾根に取り付くと南の鹿島槍から五竜岳、北の白馬三山と、後立山連峰の山並みが全部見えた。



同行した、年がら年中この山域に来ている友人いわく、ガスったりせずにここまでしっかり見えるのはかなりレアなんだそう。



「ホントはあの方向に白馬岳があってさ」と雲にガスに隠れた山並みについて説明するんだそうだが、あまりにもハッキリと山肌や谷筋まで見える様子を別の友人は「すっぴんを晒しているね」と言葉にした。なかなか上手いこと言う。



八方尾根を登り詰めて唐松岳山頂へと続く富山県との県界尾根まで上がると黒部川の深い谷を挟んで立山連峰が雲ひとつなく見えた。

イカつくてどこをどうやったら山頂に立てるのかと思わせる剱岳も、長野側から見るとややマイルド。昼近くなっても雲がかからずにハッキリと山域が見えるのはかなり珍しいと登山基地にした宿のご主人は言っていた。




唐松岳の山頂直下でライチョウの親子にも出会えたのはラッキー。




立山方向が何となく霞んで見え始め、散発的に霧雨のような気配も感じてきたので、余力のある者だけで山頂へ駆け上がり、ピークハント。写真をサッサと撮って、風雨に吹かれぬうちにと下山した。




下山して宿の部屋でぼんやりしていたら大雨になった。なんだか今年一年の運を使い果たしたような気になる。年末まで"やること"がまだまだたくさんあるのだが