お前がキクで 俺がハシ。
お前がトウジで 俺がゼロ。
そんなこたぁどうでもいい。
どっちにしても「アネモネ」も「フルーツ」もこの世に存在しねぇ。
「必ず必ずお前を探し出し、お前の探している者も探し出し
お前の言うサンクチュアリとやらを奪回してみせる」
この言葉に嘘はねぇ。「ブレインバスターズ」って奴等に会って
聴き出して見せるさ。しかし寂しいとこだ。誰一人歩いてねぇ。
なんだあの黄色い玉みたいなのは?なんだか薄笑い浮かべてるけど。
「訊きたいことがあるんだが…。このあたりにブレインバスターズって危険な
ネーミングな奴等がいるって聞いてきたんだが、あんたたち知らねーか?」
「・・・・・・・・・」「(聞こえねーのかな?)あのさぁ、ちょっと訊きたいことがあるんだ・け・ど・・・」
「・・・・・・・・・」
「言葉通じねーのか?この玉野郎は?」
「玉野郎じゃないよ。そんで聞こえてるし。あのさ、人にモノを尋ねる態度じゃないよね。
まず自分が何者か話すんじゃないの?生年月日とか、星座とか、血液型とか。
できるモノマネとか、出身地とか、資格とか。ほんと何処の馬の骨よ。」「そうだそうだ!」「あっ、すまねえ。そうだよな、俺が悪かった。俺はゲコク・ジョー。誕生日は・・・
忘れちまった。で、星座やら血液型もわかんねぇ。モノマネなんかしたこともねぇし・・・
あっ 1個だけある。スターウォーズに出てくる『ジャバ』がハン・ソロを・・・」
「冗談だよ。からかっただけさ。あんたのことは何でも知ってるよ。仲間探してる
青色の爆弾野朗。あと見た目で変な風に名前とか付けないでね。玉野郎とか。
私達があんたが会いたがってる『ブレインバスターズ』だよ。何驚いてんの?」「えっ あんた達が!いや名前からしてもっと恐そうな、なんていうかタトゥーとかアイパッチとか
顔中ピアスとか、ナイフ舐めてるとか・・・」
「あーあ。私達の名前がプロレス技だからってワイルド、ヴァイオレンス?そんな
発想しかできないのかい?情けないね。私達は何も傷つけない、壊さない、外側からはね」「すまねぇ。謝ってばっかだな。俺なんていうか『空気読めない』ってケロキチからも
よく言われてて、天然とかも。悪気はねぇんだ。何て言うか・・・」
「いいんだよ。ピュアなんだろうね。すぐ鵜呑み、いや蛙呑みするんだね。でも蛙って
いやなもん飲み込んでも胃袋口から出して洗うらしいね。ハハハ。ゴメンゴメン。
で、ケロキチって仲間探してんでしょ?このあたりにはいないね。このあたりというか
『この世界には』って言った方が正確かな。心配しないで。生きてるのは確か」「どういうことだ?わからねぇ。この世界以外にどの世界があるって言うんだ?
何処に消えたんだ?誰にやられたんだ?頼む。教えてくれ。ケロキチが無事って
なぜわかるんだ?早くしねーと取り返しがつかなくなる。ケロキチの場所へ行けないのか?」
「ハイヤーセルフって知ってる?」「なんだ?自分でタクシー呼ぶことか?」
「マーベラス!ハハハ。予想通りだ。あなたは選ばれました。私達と共に来るのです。
新しい世界へ案内して差し上げましょう。言いましたよね?ブレインバスターズは
外側からでなく内側から傷つけ、破壊すると」「止めてくれ!離せ!こんなとこで終わるわけにはいかねーんだ!ケロキチー!聞こえるか?
俺はお前を救い出す。そして取り戻す。俺たちの世界を!」
「静かにして下さい。誰も取って食おうなんて思ってませんよ。ケロキチさんに
会いたいんでしょう?なら騒がないことです。敵とか味方とかそんなのどうでもいいんです。
お互いに得るものがあれば・・・。お互いに利用し合えば。今の世界は結局そんなもんです」この世界ではなく、あの世界?その世界?おい、どの世界にケロキチはいるんだ?
頭の中がシェイクされて上も下も右も左もわからねー。
遠のく意識。微かに笑い声と鼻歌が聞こえてくる。
「♪へルタースケルター♪・・・」ゲコク・ジョーまでもが「サンクチュアリ奪回」を成し遂げられず
この混乱の中、闇の塵として葬られてしまうのか?
そして苦境を乗り越えケロキチと再会できる日が訪れるのか?
to be continued
