コロナ禍に加えてウクライナ危機が重なり
日本経済、特に中小企業や個人事業主に
とって辛い状況が続いています。
コロナ禍になる前から、私たち税理士が
生き抜くには、顧客満足を得るには、
コンサルティング業務が欠かせない
と言われています。
同感です。
逆に経営者の方にとって、御社の
顧問税理士の方はいかがでしょうか?
数年前に「AIにより10年後になくなる仕事」
というようなものに税理士業に近い仕事が
取り上げられたことに今後のヒントがあります。
その記事で挙げられていたのは
「税務申告代行者」と
「簿記、会計、監査の事務員」です。
「税理士」とも「会計士」とも書いていません。
(実際に、中小企業の経営者が「来月から税理士
・職員の代わりにAIロボットが代わりに来ます」
と言われて喜ぶ人はいないと思います。
居たらその顧問税理士はまずいです)
申告や監査はコンピュータに置き換わる部分が
あります。
つまり、オックスフォード大学が出した内容は
機械でも出来てしまうことに価値はなくなる
ということです。
他の全ての項目に共通する当たり前のことです。
「税務申告や監査はAIに置き換えれるので、
昭和~平成の時代のようにそれをメインに
していたら仕事がなくなりますよ」ということ
です。
逆に言えば税理士としての経営助言は
欠かせない業務となります。
相談はまだまだAIは人には勝てないようです。
(AIの相談相手となるチャットボットが人を上回
るようになればほとんどの仕事が奪われます。
「のび太と鉄人兵団」の世界が現実となりますし
それを人間が実現させることはないと思います。)
実際に、経理がきっちり出来ていて
経営相談、助言に時間をかけることが出来る
企業は必ず成長します。
たとえ状況が悪くて成長が無理だったとしても
そこまで落ちることはありません。
その理由を述べます。
まず、税理士が本格的にコンサルタントになる
とすると、単なる税理士で少し無理があります。
税理士は税金に関しては「プロ」
会計に関しても「ほぼプロ」
経理、資金繰りに関しては「詳しい人」
経営に関しては「個人差が激しい」
(雇われ税理士も多い)
顧客の事業の専門分野に関しては「ほぼ素人」
です。
コンサルタントとして仕事をするには
下に書かれている分野ほど必要になります。
なので、コンサルタントでなく
「経営助言」として貢献するのです。
経営者の相談を「傾聴力」を駆使して
話を進めている間に経営者の方が
「気付く瞬間」「ひらめく瞬間」があります。
中小企業の経営者は相談相手がいないことが
多いので、「何かを引き出してくれる人」を
必要としていると感じます。
そもそも、経営者になられている時点で
自己解決能力は高い方が多いです。
それを助言により引き出すことで
お役に立てると感じています。
また、税理士は個々の事業は詳しくなくても、
同時に訪問している企業の数は多いので、
世の中の状況はかなり把握しています。
他の企業や業界の話も役に立つことがあります。
なので、コンサルタントのように高額な報酬で
会社にどっぷり浸かるのではなく、
月々の税務会計顧問の一貫として
経営者に気付きを与える相談相手として
経営助言をし続けることが大切です。
いくら出来る経営者でも、一人で考え込んでいる
と違う方に突き進んでいくこともあり得ます。
それを定期的な経営助言でサポートし、
資金繰りなども支えることで企業のよき相談相手
となり得るのです。
会社のことをよく知らない他人が考えた道筋
ではなく、その道のプロである経営者本人が
考え、他社の情報をもとに税理士が助言、修正
しながら進むことで、劇的な解決はなくても
少しずつ良い方向に進んでいけるのです。
これが、経理をきっちり出来ている会社が
安定する理由です。
同じような理由で資金繰りに時間や神経を
使っている間は、会社の改善は難しいです。
私はこのように改善される会社をたくさん
見てきました。
なんかよくわからないけど、いつの間にか
少し利益が出たり、資金繰りが楽になっている。
そんな会社がたくさんあります。
なので、あまり、感謝はされませんし
されたいとも思っていません。
経営者自身の力がほとんどで、それを
引き出しているだけだからです。
これは、コンサルタントではなく
毎月そして永続的に会社に関われる税理士だから
こそ出来る役割、任務だと感じています。
その結果なのか、当事務所の令和3年10月~令和
4年9月の黒字決算率は55.7%(59/106社)と
なっております。
(追記:上記の数字は自動計算で個人事業が
分母だけ入っていました。個人事業は個人の
所得分があるのでシステム上は黒字という判断
がありません)
国税庁の統計によると令和4年の中小企業の黒字
企業の割合は35%しかありません。
20%も多い、これは大きな差だと感じています。
(追記;私の担当の毎月訪問の法人だけを集計する
と黒字は75%(12/16社)もありました。
我ながらびっくりしました。)
中小企業の再生と日本経済の復興のために
陰ながら地道に頑張ろうと思います。
(追記)内容が気になられた方向けに追加しました↓