[解散]The Afterimage - ハイトーンクリーンのカナダ産Djent/プログレバンド | (旧)喜怒音楽 -きど"おと"らく-

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2020年に引っ越しをしました。引っ越し先は最新記事からどうぞ。

 
台風一過で今日、30度超えしたのは腹立たしいですが。
 
気付いたらもう10月!
 
なんか9月あっという間だったな…
 
しかし、今年は残暑に悩まされることなく
 
涼しくなったら涼しいまま、
 
今は、ちょっとそのへんを歩くだけで
 
金木犀の良い匂いが漂ってくる季節
 
1年で最も好きながやってきました。
 
どうも、トトです。
 
 
 
10月最初のネタは
 
1月のThe Satellite Year ぶりとなる
 
"解散"バンドの記事。
 
この8ヶ月の間にも、多くのバンドが
 
休止、解散し、シーンを去っていきました。
 
そういう現状を目の当たりにする度、
 
この記事を書く度に、やるせない気持ちで一杯になります。
 
今回は、先月末に解散してしまったバンドを取り上げます。
 
 
 
The Afterimage
ハイトーンクリーンのカナダ産Djent/プログレバンド
 
 
The Afterimage が解散を宣言したのは
 
先月、9月23日
 
彼らのfacebookに長文が投稿されました。
 
ホント、いきなりの出来事でしたね。
 
解散の旨を投稿する4日前、9月19日には
 
"Floodgates" のプレイスルー動画を上げてたのに…
 
5月には初来日もあって、
 
初のフルアルバムをリリースしたばかりだろう…
 
そこから4ヶ月で解散は残念すぎる。
 
 
そんなThe Afterimage の音源、
 
決して多くはないけど、紹介していきましょう。
 
 
 
 
Formless』 (2012)
1. Prologue
2. Reverie
3. Shallows
4. The Void
 
 
2012年に、バンド初の公式音源をリリース。
文字通りプロローグ的な、2分以内に終わるインスト曲
"Prologue" から幕を開けます。
続く2曲目の"Reverie" 、3曲目の"Shallows"
どちらもプログレバンドとしては短い曲ですが
その3分の中にアグレッシブさと、
こねくり回すテクニカルなフレーズ満載です。
そして4曲目の"The Void" は、今年5月の初来日
Tragic Hero Tour にて、アンコールラストを務めました。
最初期作ということもあり、初期衝動のままに、
Djent/プログレバンドとしてのサウンドもひとしお。
ボーカルもクリーンなしのスクリームオンリーで、
バンドサウンドの攻撃性の高さも相当なものです。
 
 
 
 
 
まとまった曲収録の次作を出す前、翌2013年には
シングル"Pathogen" をリリース。
5分に迫る長尺になり、イントロからピロピロしてます。
やはりここでもバンドのカテゴリ通り、
へヴィサウンドと、テクニカルフレーズを詰め込みまくり。
ゲストボーカルとして、Beheading of a King
vo/Fred Beaulieu が、短いパートながら参加しています。
 
 
 
 
Lumière - EP』 (2015)
1. Lumière
3. Follow
4Unseen
7. Without You
8. Reach 【Play-through
 
 
2年後の2015年にバンド2作目、2枚目のEPとなる
『Lumière』 をリリース。
このEPからTragic Hero Records 所属となりました。
前作EP同様、1曲目はプロローグ的な短曲であり
タイトルトラック"Lumière"
しかし、ここで初めてクリーンボーカルを披露。
2曲目には2012年にシングルカットされており、
シングルの時点でクリーンが取り入れられていた
"Seeking" を今作に収録。
このTragic Hero加入時から、1st EPの頃よりも
玄人向けより、大いに聴きやすい曲が増えた印象。
それが3曲目の"Follow" や、
シングルカットされた4曲目"Unseen" など、
クリーンパートが取り入れられた影響が大きい。
5曲目にはキラーチューン"Onyx" を収録。
ここにも漏れなくクリーンは入ってますが、
サウンドが1st EP寄りなDjent/プログレ感を出してるように思います。
そこが人気曲である由縁なのかな、と。
サウンド的には6曲目の"Distance" も。
へヴィに、細かく刻むリフとかたまりませんね。
この曲はシンガロングパートがアツい。
1分弱のインスト"Without You" を挟んで、
ラスト8曲目"Reach" は聴きやすさに勝る
今作寄りな作風の曲に思います。
 
1st EPでの激しさは鳴りを潜めてしまいましたが、
まだまだへヴィでテクニカルなサウンドは健在。
次の作品を考えれば、確かに中間のような作品だったな、と。
 
 
 
 
 
そして再び、次の作品のリリース前に1曲、
シングル"Pursue" を2017年にリリースします。
スクリーム&へヴィサウンドで始まる感じも久々。
しかし、比率としてはクリーンパートの方が多いか。
曲の聴きやすさ、キャッチーさも、ここまで来ると
1st EPの頃のサウンドは霞んできてる気もしますが、
これはこれで個人的には全然良いですけどね。
 
 
 
 
Eve』 (2018)
01. Aquamarine
03. Deadlines
04. Amethyst (feat. Kennedy Lapenna)
05. Floodgates 【Guitar play-through
06Secrets
07. Eve
08. Mirrors
09. Sapphire
10Wrath
11. Violator
 
 
 
そして今年5月、念願の1stフル作をリリース!
しかし、これが最初で最後のフルアルバムになるとは…
1曲目はもはやバンドの様式美、短いイントロ曲。
2曲目はバンド初のMVとなった"Cerulean"
サウンド的には2nd EPの正当続編って感じ。
4曲目の"Amethyst" には、女性ボーカルの
Kennedy Lapenna をゲストに選び、
曲のキャッチーさに更なる磨きがかかっています。
6曲目の"Secrets" vo/Kyle のハイトーンが炸裂し、
アルバム前半は聴きやすい曲が多いです。
タイトルトラックの短い7曲目"Eve" を境に、
後半は割と激しめのサウンドで展開していきます。
クリーンが多くも、そのクリーンとのギャップで
スクリームやブレイクが光る8曲目の"Mirrors"
アップテンポに展開する9曲目の"Sapphire"
Djent/プログレ感ひとしおな10曲目"Wrath"
ラスト11曲目の"Violator" は今作で唯一、
クリーンなしスクリームのみのボーカルで、
サウンドも攻め感たっぷり、一気に1st EP期の
サウンドに立ち返ったような激しさを見せます。
 
 
 
 
 
という、まとまった曲収録された作品は
 
たったの3枚ながら、
 
Djent/プログレ界隈では期待の若手だったでしょう。
 
フル作も、1枚で終わりを迎えてしまうのは
 
とても寂しい。
 
今年の5月、同じTragic Heroのレーベルメイトであり
 
国内Djent/プログレメタルのEarthists.が、
 
The Afterimage を日本に呼んでくれました。
 
アルバム同様、これが最初で最後となる
 
奇跡の来日になってしまったのも非常に残念。
 
ライブに行き、アルバムのレビューもしたその年に
 
バンドが解散し、この記事を書くことになるとは…
 
 
 
他の記事でも散々言っている通り、
 
国内外問わず、休止や解散をするバンドが
 
物凄く多い現代に於いて、
 
解散するから"音源を聴く"ではなく、
 
バンドが終わるから"ライブに行く"ではなく、
 
バンドが活動を続けられるように
 
音源を聴き、ライブに行く。
 
後悔なんてするだけ無駄、後悔するなら
 
そうならないようにバンドをサポートをすること
 
これがリスナーが摂るべき最善策だと思います。
 
 
この"解散"シリーズで書いている記事は
 
活動が終わってしまったバンドに焦点を当て、
 
良いバンドがいたんだと、
 
既存の音源を紹介していくのが主目的です。
 
しかし、こういった記事を書かないに越したことはないし
 
自分もなるべくなら書きたくはない。
 
しかし、終わったからと言って
 
そのバンドが触れられなくなるのは勿体ない
 
そう思って、この"解散"シリーズを書いています。
 
 
 
 
The Afterimage の活動が終わってしまったのは
 
残念以外の何ものでもないですが、
 
vo/Kyle
gt/Leo
gt/Liam
dr/Rob
 
の4人は、The Afterimage のメンバーほぼそのままで
 
 
ブルータル・デスメタルバンドBrand of Sacrifice
 
活動を続けていことを発表しています。
 
The Afterimage から一転、
 
攻撃性と残虐性がかなり高くなったサウンドですが
 
これはこれで、またファン層含め、
 
新しい活動としての再出発って感じがしますね。
 
今後はBrand of Sacrifice の活動に注目していきましょう。
 
 
 
 
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