Challengeな毎日 -54ページ目

Challengeな毎日

感謝の気持ちを忘れずに、マラソン、トレイルランに励んでいます。
めざすは、UTMB!

この5月でブログを書き始めて18年目になる。

 

投稿した記事数を計算してみたら3,674本あった。

 

1年あたり204本、1ケ月あたり17本ということになる。

 

思ったよりも多い。

 

それだけこのブログが自分の生活に深く関わっているということだろう。

 

久しぶりに会う友人も僕の近況はよく知っている。

 

嬉しくもあり、気恥ずかしさもある。

 

思わず「何で知っているの?」と聞き返しそうになる。

 

あまたあるSNSの中でなぜブログを書き続けるのか。

 

ここに書くことで頭が整理されるとともに記録として残る。

 

理由もこの17年間でいろいろ変わってきた気がする。

 

そのうちボケ防止の頭の体操として書いているかもしれない。

 

それはまだまだずっと先のはなし。

 

タイトルにたがわぬよう、自分なりのChallengeを続けていくつもり。

 

これからもよろしくお願いします。

 

ブログのアイコン(2012 Ultra Trail Mt.Fuji)

 

動画「霊仙山 ~滋賀の信仰の山に登る~」公開

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(前回からのつづき)

 

ふたたびトラバース気味のところを歩く。

 

気持ちは落ち着いたようでまだ落ち着いていなかった。

 

たぶん自分でそう思いたかったのだろう。

 

まだ気が動転しているのは明らかだった。

 

自分の歩いている方向が分からない。

 

どっちを見ても同じ景色にしか見えない。

 

腰をおろした。最後のミニクリームパンを食べる。

 

もう食料の心配をする必要もないからだ。

 

再び歩き出す。

 

見覚えのあるところに辿り出た。

 

「林道まで戻ってきた!」

 

「あとはここを戻れば帰れる!」

 

歩きながらいろいろなことが頭をよぎる。

 

「なんでこんなことになった?」

 

「時間を巻き戻せるなら山頂のところまで戻りたい」

 

「きっといろいろ言われるだろうな」

 

「っていうか、また山に登れるように治るのか?」

 

「山に登れなくなったらどうしよう」

 

同じことを何度も考えた。

 

林道が長い…。

 

行きに通ったときはそれほど長く感じなかったのに。

 

気持ち的な影響もあるのだろう。

 

今はゆっくりながらも一歩一歩進むしかない。

 

暑くないのに汗をじんわりとかいている。

 

いやな汗だ。

 

やがて遠くの方から音が聞こえてきた。

 

もう少し進むとそれが音楽だと分かった。

 

「ゲレンデまで戻ってきた!」

 

ゲレンデまで戻ったらスキー場の人に助けを頼もうと思っていた。

 

それほど今の状況を脱したいという気持ちだった。

 

助けを頼んだらゴンドラで下山して救急車だろう。

 

「こうして歩けるのに救急車をたのんでもいいのか?」

 

急に現実的になる。

 

スキー場にもどって、スキーを楽しんでいる人たちを見たからかもしれない。

 

人工的な設備、日常的な風景が目のまえにある。

 

「ここから救急車に乗って病院へ行ったらそのあとどうなる?」

 

家に帰ることはできないし、場合によっては家族に来てもらうことになるかもしれない。

 

レンタカーだってそのまま放置していたら後々めんどうだ。

 

「痛みさえ我慢すれば家に帰れる」

 

だんだんとその気持ちが強くなってきた。

 

「どうする?どうする?」

 

そんなことを考えているうちに駐車スペースに戻ってきた。

 

「ここまで下山できた!」

 

「よかった、本当によかった…」

 

2台停まっていた先行者の車も1台はすでに無く、

 

もう1台では下山したばかりの登山者が身支度をしていた。

 

「あの人はいったいどういうルートで下りてきたんだろう」

 

車に乗って、しばらく呆然とする。

 

暖房をガンガンにかけた。

 

汗をかいて着替えたかったけど身体が痛くて着替えられない。

 

少し落ち着いたところで、おにぎりを食べた。

 

どれだけ時間がたったろうか?

 

スマホを取り出して下山通知を送る。

 

いつものようにLINEでも下山連絡を送った。

 

「よし、帰ろう」

 

自宅に帰ることを決めた。

 

ロキソニンを飲んで、片手で車を運転した。

 

危ないとは分かりつつも仕方がない。

 

そしてどうにかこうにかして、その日のうちに帰宅することができた。

 

「無事」とはいえない状態だけど…。

 

「ちょっと怪我をして明日、病院に行く」とだけ報告。

 

なるべく平然をよそおった。

 

けれども実際は痛くてたまらない。

 

そもそも横になることができない。

 

その晩は身体の痛みで一睡もすることができなかった。

 

翌朝、病院へ行った。

 

診断の結果は、「左肩脱臼、左肋骨骨折(ひび)、右足大腿部打撲、右足首捻挫」

 

医者からは「なぜ救急を要請しなかった?」と言われた。

 

「とりあえず歩けたので」と答えるのが精いっぱいだった。

 

利き手の右手ではなく、左手であったのも不幸中の幸い。

 

よくよく考えると、これだけで済んだのがラッキーとも言える。

 

ホント、運が良かった。

 

「あの時もし…」

 

怖くて考えたくもない。

 

左手は痛くて未だに上にあげることができない。

 

けれども今後も山には行けそうだ。

 

今回の怪我が完治するまでこの山行は終わらない。

 

野伏ヶ岳山頂より(前日の登山)

 

おわり

 

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(あとがき)

 

こういうことを書くとバッシングがあるかもしれない。

 

それ以前に僕自身がこのことを忘れたい。

 

なので記録してここに書くかどうか迷いました。

 

けれどもこれを教訓として誰かひとりでも感じていただけたらと思い書きました。

 

この先、雪山に行くかどうかは分かりませんが、

 

山には登ります。

 

すでにこの山行のあと、低山ながらも数回、山に登りました。

 

正直、下りは怖くなりました。

 

「この石に躓いて転んだらどうしよう」

 

そんなことがすぐに頭に浮かんできます。

 

トレイルランは当分しません。怖くてできません。

 

6月に大会を控えていますが、そこでは全て歩くつもりです。

 

もっとも出られるような状況になっていたらの話ですが…。

 

再確認できたのは

 

「山が好き」だということ。

 

これだけは間違いありません。

 

これからも安全第一で楽しんでいくつもりです。

 

長文にお付き合いいただきありがとうございました。

 

チャレ

 

動画「三上山 ~近江富士に登る~」公開

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(前回からのつづき)

 

「とりあえず止まった・・・」

 

そして今自分は生きている。

 

「あぁ~、やっちゃった」

 

それが最初に思ったこと。

 

身体を起こすと激痛が走った。

 

「うぉ!痛て~」

 

「左手が動かない…」

 

見ると足は両足とも膝から下が雪に埋もれている。

 

「まずは気持ちを落ち着かせないと…」

 

水を飲もうとするもザックのサイドポケットにあるはずの水が無い。

 

どこかに飛んでいったのだろう。

 

右手でザックを開けて、中から予備の水を取り出す。

 

それを飲んでとりあえず落ち着く。

 

「俺、滑落したんだよな」

 

「俺、遭難か?」

 

「というか遭難だろうな、この状況なら」

 

足は雪に埋まったままビクともしない。

 

スマホを取り出して見ると当たり前だけど「圏外」

 

慌てて「ココヘリ」がザックから取れていないかを確認する。

 

「良かった無くなっていなくて…」

 

登山計画では下山は14時。

 

そこから下山連絡がなく家族が心配するのは夜になってからだろう。

 

明日朝になればさすがにヤバいと思って警察に連絡するはず。

 

登山計画は共有されているので早ければ明日、この山域を捜索するだろう。

 

「ということは早ければ明日1日、最悪でも2日間かな」

 

天気は回復してこの先は晴天の予報だったはず。

 

ザックを開けて持ち物を確認。

 

防寒着、レインジャケット、エマージェンシーシートはある。

 

ツェルトは持ってきていない。

 

けど寒さはこれでしのげるだろう。

 

水はプラティパスに残っている600mリットルほど。

 

食べ物はおにぎり1個、ミニクリームパン1個、チョコレート。

 

ヘッドライトもちゃんと点灯するか確認した。

 

「これで最悪の事態は回避できるだろう」

 

そう思うと落ち着いてきた。

 

けど左手が痛くて動かせないのはやっかいだ。

 

マジで痛い。ちょっと動かすだけでも激痛だ。

 

「たしかファーストエイドにロキソニンがあったはず」

 

すぐにそれを飲んだ。

 

左肩をよく見ると変な形になっている。

 

「肩を脱臼したみたいだ」

 

右手で足のまわりの雪を掻き出す。

 

なかなか足が出てこない。

 

ようやくシューズが見えてきた。けれども足が抜けない。

 

もう遭難の覚悟をしたから慌てることはない。

 

少しずつ確実に雪を掻き出した。

 

まず右足を雪の上に出すことができた。次は左足…。

 

雪を掻き出しながら祈った。

 

「足は無事でありますように…」

 

両足が出たところで立ち上がってみる。

 

「うっ!」

 

右足が痛い。けれども骨折はしていなさそうだ。

 

足首も捻っているようだけど左手の痛みがひどいので感じない。

 

「立てる!」

 

「歩ける!」

 

「これは下山できるかも」

 

もう、それだけで嬉しかった。視界が一気に明るくなった気がした。

 

すぐさまスマホで現在地を確認する。

 

とてもじゃないけど、落ちてきた斜面を登り返すことなどできない。

 

「っていうか、この状態じゃあ、登ることすら無理だろう」

 

地図を見るとこのまま尾根に平行して下りて行けばルートに戻れそうである。

 

(GPXログより)

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このログを見る限り滑落したのは高さ50mほど。

時間的には10秒ほどだったのだろう。

けど恐ろしく長い時間、滑り落ちていた気がした。

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時刻は午前11時20分。

 

時間は十分にある。下山することを決意した。

 

ザックは右肩だけで背負う。左手はお腹のあたりのジャケットを掴む。

 

ぶらぶらさせるだけで痛いからだ。

 

右手でスマホを持ち、地図と現在地を確認しながら歩きだす。

 

ルートのない雪の森の中を進む。

 

スマホがなければ絶対に進む方向は分からない。

 

地図とコンパスを持っていても正しく判断できたかどうか…。

 

ここ最近は地図もコンパスも持ち歩いていない。

 

紙の地図は2日以上の縦走のときだけ持つようにしている。

 

こういう状況だとホント、スマホが命綱。

 

バッテリー切れは生死に関わってくる。

 

スマホを見ると残量は80%ほど(おそらくそのくらいだったかと)

 

背面には使い捨てカイロを貼ってあるのでそれほど減りは早くないはず。

 

もちろんモバイルバッテリーは持っている。

 

気持ちは「早く行きに通ったルートに戻りたい」

 

少しでも安心したかった。

 

それほど時間もかからず見覚えのあるところに出た。

 

「良かった。これで下山できる」

 

けれども目のまえは登り斜面。

 

「そういえば、そうだった…」

 

身体的、気力的にも登れる気がしない。

 

再びスマホを見ながら、行きに通っていないところを歩きだす。

 

地形的にはトラバースできそうである。

 

そこがどんなところか?不安しかない。

 

(つづく)

 

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