LAKE BIWA 100 完走記(5) | Challengeな毎日

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◆A6北白川小学校(125km地点)10月8日18:50(33時間50分)


すっかり日が暮れて夜になっていた。
 

エイドについて腰を下ろす。
 

ひと息ついたところで、うどんを頂いた。
 

もうこのあたりになるとエナジバーなどの固形物は喉が通らない。
 

水で流し込むという状況だった。
 

なので、このうどんは非常にありがたい。
 

温かいので胃にも優しい。
 

2杯目もいただけるというので遠慮なく食べた。
 

とにかくエネルギーが枯渇しているのは感じていた。
 

じっとしていると眠気が襲いかかってくる。
 

気づくと瞼が閉じている。
 

トイレに行って用を済まし、顔を洗ってエイドアウト。
 

34時間30分の計画に対して33時間50分。
 

けれども、どこかで仮眠したら一瞬で吹き飛んでしまう時間だ。

つぎのA7エイド(還来神社)までは24km。


いよいよ京都の比叡山系、そして比良山系に入る。
 

しばらくは京都一周トレイルのルートを進む。
 

京都一周トレイルは12年前に踏破したことがある。
 

なのでルートはなんとなく覚えていた。
 

短い距離ながらも急登がところどころ現れる。
 

修行僧のごとく無心になって歩く。
 

眠いというのもあるけれど、ホント何も考えずに進んでいた。
 

そしてケーブル比叡駅に到着。


ここからは林道というか参道というか、そんなようなところを進んだ。
 

比叡山延暦寺の中を進む。
 

走行禁止区間だが、そもそも走れないので関係ない。
 

そのまま抜けてさらに山奥へと進む。
 

横高山などのピークを越える。
 

トレイルは結構な急登。


気持ちが悪くなり、ひっきりなしに吐き気がもよおしてきた。
 

「あ~、ついに胃もやられたか」
 

胃の中のものを全部だしてしまうと、力が入らない。
 

得意の登りでも、ところどころで休むようになる。
 

比良比叡トレイルのマーキングが目につくようになってきた。
 

「やっと比良比叡山系に入ったか」
 

「A7エイドは近いのか?」
 

このあたりがホント、キツかった。
 

真夜中の山、
 

コースロストしないように注意しながら進むもよく分からない。
 

そして再現なくつづくアップダウン。
 

「ここさっき通ったよね?」
 

ホント、何度もそう思った。
 

「リングワンダリングしてるのか?」
 

もう何がなんだか分からなくなってきた。
 

「このまま山から出られないんじゃないのか?」

 

「どのくらいコースロストしているのか?」

(実際はロストしていなかった)
 

しばらく茫然としていると、後ろから2~3人のグループがやってきた。


声をかけ、その後ろについていくことにした。
 

登りで力が入らず離される。
 

それでも取り残されまいと必死についていった。
 

下りの踏ん張りもきかなくなっている。


ジェルを水で無理やり流し込む。
 

自分にとってまさしくここが正念場だった。
 

まったく変わり映えしないアップダウンの繰り返し。
 

「あとは下るだけ」
 

そんな言葉が前から聞こえてきた。
 

「あ~、やっと山から出られる」
 

ところがそれが長いこと長いこと。
 

「どこまで下りるんだよ」
 

スタートから40時間を超え、眠気も限界。
 

いっときも早くエイドに着きたかった。
 

気づくとすでに日付がかわって3日目になっていた。

 



LAKE BIWA 100 完走記(1)

LAKE BIWA 100 完走記(2)

LAKE BIWA 100 完走記(3)

LAKE BIWA 100 完走記(4)
(つづく)

 

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