(つづき)
3日目(8月31日)
この日も午前4時起床。
パスタを食べて午前5時頃、南岳小屋を出発。
昨日、小屋に着いたときには見えなかった北穂高方面が良く見える。
10分も経たないうちに南岳に到着。
写真だけ撮って先へと進む。
進むのは標高3000mの稜線。
先の方には槍ヶ岳が見える。
なんとも贅沢な縦走路にテンションも上がる。
東の空も明るくなり、陽が上がってくる。
「雲海に浮いているのは八ヶ岳か?」
今日のルートは槍ヶ岳から東鎌尾根、喜作新道を通って燕山荘へ。
表銀座を逆にたどることになる。
目の前にはその稜線がはっきりと見えた。
西には太陽の陽を受けた笠ヶ岳がきれいに見える。
ガレた岩を登って中岳(標高3,084m)に登頂。
時刻は午前6時10分、山頂には誰もいない。
360度の景色を楽しんだ。
だんだんと槍ヶ岳が近づいてくる。
槍ヶ岳の向こう側には昨年縦走した北アルプスの山々が見える。
また山仲間と一緒に縦走したい。
周りの景色に気を取られがちだけど、足元は危ういところも多い。
気を付けながら先へと進む。
そして大喰岳(おおばみだけ)標高3,101mに登頂。
この大喰岳で日本3,000m峰をすべて登頂したことになる。
「思ったよりも長く時間がかかったな」
それが率直な感想。
日本百高山を意識しているので、マイルストーンのひとつという感じ。
いったん標高を下げて登り返すと槍ヶ岳山荘。
さすがにここは多くの登山者でにぎわっていた。
時刻は午前7時ちょうど。
ぞくぞくと穂先へと登っている。
ここまで来て、穂先へ登らないのもどうかと思うけど先へと進んだ。
東鎌尾根の稜線は細い。それなりに注意が必要。
鎖も無く、大きな岩をトラバースするところは集中した。
その代わりに景色は最高だ。
ときどき休んで写真を撮った。
ヒュッテ大槍でも休憩。 ミックスナッツをボリボリと食べる。
15分弱ほど休んで西岳方面へ。
ここからのアップダウンが思ったよりも大変だった。
下り基調なので楽だろうと甘くみていた。
岩の急な下りもあれば登りもある。
途中、登山道の整備をしている作業員の方たちに会った。
ホント感謝である。
暑くなってきた。水の消耗も激しい。
そしてヒュッテ大槍から2時間以上かかってヒュッテ西岳に到着。
ここからの景色も最高だ。
ここで腹ごしらえ。
ロールパンにコンビーフ、ツナマヨを挟んで食べた。
近くで休んでいた登山者と話しをする。
この日は大天井までとのこと。
コーヒーを飲んで出発。
西岳には登らずに大天井方面へと進む。
「西岳にはまた今度来よう」
右手に山の景色を見ながら喜作新道を歩く。
常念岳がその存在感を表している。
やがて前方に大天井岳も見えてきた。
(つづく)
長野県「登山者への5つのお願い(PDF)」