前回からのつづき
------------------------------
天子山地を登り始めるころにはすっかりと日も暮れていた。
トレイルの渋滞はそれほどではない。
うしろにピッタリ付くと大体、道を譲ってくれる。
まだまだ元気、サクサクと登っていく。
「ペース計画のタイムの遅れを取り戻したい」
そう思いながら進んだ。
山頂に着きそうでなかなか着かない。
途中、ジェルで補給する。
そして天子ケ岳山頂に到着。
特に休むことなく、写真だけ撮って先へと進む。
ここからはアップダウンが続く。
以前参加したときのタイムが目安になる。
長者ケ岳、天狗岳、熊森山。
ピークでは休んでいる選手も多かった。
自分は水を飲んで一息入れるぐらい。
補給は歩きながらジェルやエナジーバーで取った。
熊森山からの下りではプチ渋滞。
急なうえ、滑るため。
自分のペースで下りられないのがもどかしい。
余計なブレーキが脚にかかってしまうからだ。
トレイルを無視して駆け下りていく選手が何人もいた。
彼らは日本語を話していなかった。
残念な気持ちになる。
下りてからはフラットな林道を麓に向かって走る。
このあたりは走ったり歩いたり。
そして、A2麓エイド(50km地点)に到着。
9時間24分(ペース計画:+4分)
ここで、ほぼ予定通りのタイムとなる。
時刻は午前0時20分過ぎ。
立ち止まったり、座ったりすると寒い。
とりあえず温かいスープをもらう。
残念ながら、ぬるかった。
お湯が沸く時間もなく、使われているようだ。
「そういえば、ここには富士宮やきそばがあるはず」
そう思うも、そんな雰囲気は微塵も感じられなかった・・・。
「なんとなく、そんな気はしたんだよね」
あきらめて、クリームパン、バナナ、オレンジ、スポーツ羊羹を1つずつ食べた。
「温かいものが欲しい」
コースを確認しながら休息し、30分ほどでエイドアウト。
2018年4月28日(土)
朝霧高原近くのフラットな遊歩道を進む。
月光に照らされる富士山が綺麗だった。
しばらく、立ち止まって眺めた。
何度も写真を撮ろうとするも、うまく撮れない。
「これは目に焼きつけるしかないな」
あきらめて先へと進む。
このあたりでコースアウト。
何も考えずに前の人について行ってしまった。
幸い200mぐらいで気がついた。
竜ヶ岳登山口にたどり着く。
ここから端足峠への登り。
疲れはそれほどでもない。
けれども、なんとなく力が入らない。
ジェルとエナジーバーで補給。
「大丈夫かなあ」
少し不安(胃の調子)がよぎったけれども他に選択肢がない。
端足峠を越えて、UTMFのコースは竜ヶ岳へと進む。
このあたりから眠気が襲ってきた。
「えっ、もう?」
思ったよりも早いタイミングだった。
そうなると、さらに力が入らなくなる。
竜ヶ岳山頂では、富士山を眺めながら休憩。
「この景色には救われる」
そしてつづら折りの長い下りトレイルを下りる。
ロードに出ると眠気で、ふらふらしてきた。
他の選手に「大丈夫ですか?」と声をかけられれる。
だんだんと空が明るくなってきた。
夜明け前の本栖湖の写真を撮ってエイドイン。
A3本栖湖エイド(65km地点)
13時間38分(ペース計画:+38分)
「ダメだ、眠い。ここで仮眠をとろう」
予定では精進湖民宿村で仮眠をとるはずだった。
我慢できそうにもないので、その手前で仮眠をとることに。
嬉しいことに、ゆば丼を口にすることができた。
「丼」と呼ぶにはあまりにも小さかった。
けれども食べられただけでマシ。
少し順番待ちをしてから横になった。
(つづく)
もう随分と時間が経ったように感じる
↓



