A4 すばしりから、A5 富士山御殿場口太郎坊に向けて出発。
ここから、初めてポールを使いだす。
スピードは遅くなるけれども、かなり楽に進める。
もうすでに上りは、
「走ろう」
という気持ちがなくなっていた。
しばらく、舗装道を上る。
そして途中からトレイルに入る。
一部、分岐が不明瞭で行先に迷うところがあった。
他の選手と、
「どっちでしょうね」
と話していたら、一方から選手がこちらに向かってくる。
「どうやらミスコースをしたらしい」
おかげで自分たちは間違えることなく、正しい方向へ進むことができた。
登り一辺倒かと思いきや意外とフラットなところもあった。
なんか、上の方から声が聞こえてくる。
おそらくエイドがもうすぐなのだろう。
ハイテンションなサポータに出迎えられて到着。 (ハイっ、ハイっ、ハイっ・・・)
これはなかなか嬉しい。
2時34分 A5 富士山御殿場口太郎坊 (61km地点)
疲れもあって眠くなってきた。
食欲もあまりなくなってきた。
それでも温かいカップヌードルは食べたいと思ったが、あいにくお湯が切れていた・・・。
何を食べたか覚えていないが、何かを食べながらテントの中で座って休んだ。
「眠い・・・」
休憩は10分弱。
トイレに寄ったのち、先へと進む。
A5 11時間41分で通過。
さすがにこの時間になってくると気温も低くなる。
風にさらされるとなおさらだ。
ゆっくりながらも走ることにした。
幸いロードの部分が多かったので、寝ぼけながらも走ることはできた。
このあたりはエイドステーション間の距離が短いので気持ち的にだいぶ救われた。
次のA6の水ヶ塚公園までは6km。
1時間ほどで到着。
3時36分 A6 水ヶ塚公園 (67km)
もうこのあたりから頭がボッーっとしてきた。
とにかく眠い。
寒さよりも眠気の方がきつかった。
もちろん食欲はなし。
それでも食べないといけないので、うどんを頂く。
あれ?蕎麦だったかな?
カツバーガーもあったが、とてもそんな気分じゃなかった。
テントの奥の方では仮眠している人がいる。
それを羨ましく思いながら休憩した。
「よし、次のこどもの国では仮眠しよう」
そう思って出発した。
にわかに空も明るくなり始めていた。
A6 12時間47分で通過。
ふたたびトレイルへ。
このあたりの富士裾野は普段立ち入ることができないところ。
「ふ~ん」
ぐらいにしか感じずにひたすら進む。
そのくらい感覚がマヒしはじめている。
太陽が昇ってきた。今日もいい天気だ。
「富士山はどこだ?」
あいにく、このあたりの原生林に隠れて富士山は見えなかった。
朝日に赤くそまる富士山を見たかっただけに残念・・・。
観覧車が見えたから、もうすぐこどもの国かと思っていたら全然違っていたようだ。
いつしか走るのをやめて、ひたすら歩いていた。
途中、ガレた岩場で転倒。
木の枝がヘッドライトにひっかかり、バランスを崩してしまった。
幸い怪我はなかったが、
「ヘッドライトが点かない・・・」
「まいったなあ」
とりあえず、ハンドライトもあるので大丈夫だと自分に言い聞かせる。
スタッフや他の選手たちから、
「あと1kmでエイド」
と声をかけてもらったが、なかなか着かない。
1kmぐらい進んでから、「あと1km」と言われると少々へこむ。
そして、富士山こどもの国に到着。
しかも、園内に入ってからも遠かった。
たぶん一番、奥だったんじゃないかと思う。
5時50分 A7 富士山こどもの国 (76km地点)
中間地点の割には意外とこじんまりしたエイドだと思った。
「UTMBでいえば、クールマイヨールの位置づけか?」
ここで仮眠しようかと思っていたが、不思議と日が昇ると眠気もおさまっていた。
正確に言えば、「眠いんだけど眠れない」。
とりあえずドロップバッグを受け取って腰を下ろす。
ドロップバッグからウェアを取り出して着替える。
あとは、このあとの天子山塊に備えてのダウンジャケットや着替えなどをザックに詰め込む。
そういえば、ジェル系は予想以上に消費していない。
おそらくここまで7個ぐらい。
思ったよりエイドでしっかりと補給できたからだと思う。
後半はどうなるか分からないので予定どおり、持って行くことにする。
ひととおり荷物のデポを終えたあと、エイドのおにぎりとお茶をもらって休憩する。
「やっぱりお茶がうまい」
かなり疲れがあるが、ここまでは順調にきているような気がする。
膝も大丈夫そうだ。
結局、こどもの国では45分ほど休憩をとった。
「さあ、こっからだ!」
A7 15時間35分で通過。
車が通れるくらいの林道をしばらく進む。
このあたりは試走禁止区間なので、コースの情報はほとんど持っていなかった。
下りでは、ゆっくりと走る。
上りでは、ひたすら歩く。
それの繰り返し。
枯れた沢みたいなガレたトレイルを抜けると視界が開けてきた。
他の選手の話しだと、ここから長い送電線沿いのトレイルが続くと言う。
「ふ~ん」
その程度にしか聞いていなかったが、あとになって
「まだ、続くんかい?」
と何度も思った。
細かいアップダウンの繰り返し。
ジリジリと陽射しも強くなってきた。
たまらず、ところどころで休憩をとった。
「そういえば、もうすぐSTY組がスタートだ」
「STY組に追いつかれずに西富士中学まで行けるかな」
そんなことを考えていた。
というのも、STYの選手の背後からのプレッシャーで歩くリズムが崩れると思ったから。
同じところを何度も歩いているような錯覚を感じながら、鉄塔エリアを進む。
北山の給水所ではトイレに寄っただけ。
水は十分にもっていたのでそのまま先へと進む。
そしてやっと終わった。
あとはロードを少し走っていけば、A8 西富士中学に着く。
「やっとA8に着いた!」
11時23分 A8 西富士中学 (102km地点)
多くのひとが出迎えてくれて、すごく嬉しかった。
ボランティアの生徒さんたちの心遣いも嬉しい。
コーラと富士宮やきそばを頂く。
校舎の日陰に座り込んで休んだ。
「あ~、100km超えたぞ・・・」
正直、かなりきつい。
脚がパンパンだ。
ここがひとつのポイントだと思っていたところだ。
「本番は夏のUTMBなんだから、ここで無茶するのはやめた方がいい」
そんな悪魔のささやきが聞こえてきた。
「UTMFを完走できなくて、UTMBが完走できるのか?」
そんな天使の声もあったような・・・。
どっちも悪魔のささやきにしか思えない。
とりあえず、やきそばを食べる。
お腹が満たされると眠くなってきた。
少し仮眠することにする。
仮眠場所ではなく、その場で寝ころぶ。
おそらく1時間弱ぐらい寝たと思う。
周りが賑やかになってきたので目が覚めた。
どうやらSTYの選手たちが続々とやってきたらしい。
「う~ん、行こうかな」
トイレに立ち寄って西富士中学を出発した。
結局、ここでの滞在時間は、1時間10分ほど。
A8 21時間32分で通過。
「あっ、エイドの写真撮り忘れた・・・」
戻る気にもなれず、あきらめた。
いよいよ天子山塊だ。
(つづく)
ふぅ~
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