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Cisco VTPの説明と設定

■VTPの概要

VLANの動的管理
スイッチ間でのVLAN情報を交換し、それを共有する


■VTP管理ドメイン

Cisco独自のVLAN管理用プロトコル
各スイッチは1つのVTP管理ドメインに所属


■VTP動作モード

・サーバモード(デフォルト)
・クライアントモード
・トランスペアレントモード


サーバモード---------VLANの設定変更が可能

クライアントモード---変更結果を受け取って自身の設定を変更する。
クライアントはNVRAMに情報を保存しない。(電源が切れるとVLAN情報
は消える。その場合、サーバからアドバタイズを受けてまた設定をし直す)


トランスペアレントモード---VTP管理ドメインのVLAN情報に関与しない(サーバからのVLAN情報で
自分の設定を変更しない。独立したVLAN情報を持つスイッチ)
アドバタイズをそのまま通過させる。一方VLANの作成、変更、削除は可能
NVRAMに保存する。


■VTPアドバタイズメント

VLAN1宛にトランクリンクでマルチキャストされる

・要約(サマリ)アドバタイズメント
・サブセット アドバタイズメント
・アドバタイズメント要求

リビジョン番号
1. サーバスイッチで、VLANが変更されるとリビジョン番号が1大きくなる
2. サーバはアドバタイズを送る(要約アドバタイズ=VTP管理ドメイン名、リビジョン番号
3. クライアントは管理ドメインが一致するか確認する、次にリビジョン番号を確認する。
自分より大きなリビジョン番号だった場合、変更されたVLAN情報をサーバに要求する。
(アドバタイズメント要求)
4. アドバタイズメント要求を受け取ったサーバは、現在のVLAN情報を送りかえす。
(サブセットアドバタイズメント)
5. サブセットアドバタイズメントを受け取ったクライアントは、その情報をもとに、VLAN
情報を変更する。

※要約アドバタイズメントはVLANの修正時と300秒(5分)間隔で送信される。


VTPプルーニング
宛先が存在しないスイッチにはブロードキャストを送らない

■VTPのバージョン

バージョン1と2のいづれかで設定可能

■バージョン2の追加機能

・イーサネットだけでなく、トークンリングVLANもサポートする
・VLANの整合性をチェックする(VLAN名など)ことができる
・認識不可能なType-Length-Value(TLV)のサポート
・バージョン依存型トランスペアレントモード



■VTPの設定

switch1conf t
switch1(config)#vtp server ←VTPモードをサーバに設定
switch1(config)#vtp domain tk-net.dip.jp ←ドメイン名を設定
switch1(config)#vtp v2-mode ←VTPバージョンを2に設定(オプション)
switch1(config)#vtp password password ←VTPパスワードを設定(オプション)
switch1(config)#vtp pruning ←管理ドメインでVTPプルーニングを有効にする(オプション)
switch1(config)#exit


Cisco pVLANの説明と設定

■プライベートVLAN

・マルチレイヤスイッチング環境のエンタープライズは、一般にpVLANを使ってインターフェース、
 またはインターフェースに接続されたネットワークデバイスどうしが相互に通信することを阻止
 しながら、VLANインターフェースやルータなどのデフォルトゲートウェイとは通信できるようにする。

・同じVLAN上に存在するネットワークデバイス間のトラフィックを分離する
 →セキュリティ確保
 →IPサブネット減少
 →VLANの使用率を下げる

・サービスプロバイダはpVLANをセキュリティ機能としてだけでなく、使用するIPアドレスサブネットを
 最小限に抑える手段としても利用している。


■pVLANの仕組み

・個々のpVLANはプライマリVLANとセカンダリVLANの2つのVLANから構成される。
・すべてのセカンダリVLANはプライマリVLANの子VLANである。
・プライマリVLANではpVLAN上のすべてのデバイスと通信できる混合(無差別)ポートを定義する。
・混合(無差別)ポートは一つのVLANのみに属する。
・一つの混合(無差別)ポートは複数のセカンダリVLANにマッピングでき、混合(無差別)ポートは
 通常ルータポート、サーバまたはVLANインターフェースである。

独立VLAN 独立VLANに属するポートは混合(無差別)ポートと通信できる。独立ポートと同じ独立VLAN上 にある他のポートとは通信できない。混合(無差別)ポートのみ通信できる。 コミュニティVLAN コミュニティVLANに属するポートは、同じコミュニティ内のほかのポートともpVLANの混合 (無差別)ポートとも通信できる。違うコミュニティVLANとは通信できない。 ■pVLAN 対応ハードウェア Catalyst4500、6500はpVLANの機能をすべてサポートしている。(ただしIOSが稼動している4500はコミュニティVLAN をサポートしていない) Catalyst2900XL、3500XL、2950、3550は独立ポート機能のみをサポートしている。 ■pVLANの設定

Cisco VLANの説明

■VLANの利点

・VLANはブロードキャストドメインを分けることができる
→ブロードキャストの制御
・ネットワーク構成の変更が行われても、VLANのポート設定を変更するだけで対応可能
・ネットワークリソースへのアクセスを制限できる。
→異なるVLANとの通信を行うためには、L3スイッチ、ルータ、RSMなどのL3ルーティング
が必要なためACLなどでセキュリティが保たれる。
・物理的なユーザの位置に関係なく、ユーザをグループ化できる

■2つのリンク

・アクセスリンク
1つのアクセスリンクは1つのVLANだけに属することができる。
アクセスリンクのポートは、そのポートに設定されているVLAN以外のパケットは、ルータ
などのL3機器でルーティングされない限り、受け取ることが出来ない。
※アクセスリンクのポートはVLAN識別子を持つフレームを受信できない!

トランクリンク
1つのトランクリンクは複数のVLANを運ぶことができる。トランクリンクのポートは、
スイッチとスイッチとの接続、スイッチとルータとの接続に使用される。Cisco 製品では、
FastEthernetポート、GigabitEthernetポート上でトランクのコンフィグ設定が行える。
※トランクリンクには、リンクの障害発生時に使用するネイティブVLANが存在する。


■VLANの作成

VLANコンフィグレーションモードに移行してVLANを作成します。デフォルトでVLAN1は作成されてるので2と3を作成します。

vlanデータベースモードでの作成手順

 switch>enable
 switch#vlan database
 switch(vlan)#vlan 2 name vlan2
VLAN 2 added
NAME: vlan2
 switch(vlan)#vlan 3 name vlan3
VLAN 3 added
NAME: vlan3
switch(vlan)#apply←applyで設定反映
 APPLY completed.
 switch(vlan)#exit←exitするタイミングでも設定反映
APPLY comleted.
Exiting...


グローバルコンフィギュレーションモードでの作成手順

 switch(config)#vlan 2←VLAN2を作成
 switch(config-vlan)#name vlan2
switch(config-vlan)#exit


1、VLANにポートを割り当てます。設定は次の通り。

ポート 1,2,3,4=VLAN1
ポート 5,6,7 =VLAN2
ポート 8,9,10 =VLAN3


switch(config)#interface fa0/5(5がポート番号)
switch(config-if)#switchport mode access(アクセスリンク-1つのVLANに所属)
switch(config-if)#switchport access vlan 2(番号を指定)
switch(config-if)#end


上記の操作でポート5をVLAN2に所属さしています。これをほかのVLANに移動する全てのポートに対して行います。

2、設定を確認します

switch#show vlan


特殊用途のVLAN ID

番号
0,4095 = システムVLAN
1 = CiscoデフォルトVLAN(標準VLAN)
1002-1005 = FDDI及びトークンリング用のCiscoデフォルトVLAN(標準VLAN)
1024-4095 = 拡張VLAN (VLANデータベースモードでは設定不可)

※VLAN名は1文字以上、32文字以下のASCII文字列で設定する

Cisco RSTPの説明

■RSTP (Rapid Spanning Tree Protocol)の説明

・802.1wで規定されている
・ネットワークトポロジが変化したときのスパニングツリーの再計算にかかる時間を大幅に短縮する。
・Alternate(代替)とBackup(バックアップ)というポートの役割を追加し、ディスカーニング、
  ラーニング、フォワ―ディングというポートの状態を定義する。


■802.1Dポートの状態とRSTPポートの状態の比較
STPポートの状態 RSTPポートの状態 MACアドレスの学習
ディセーブルド
ディスカーニング
No
ブロッキング
ディスカーニング
No
リスニング
ディスカーニング
No
ラーニング
ラーニング
Yes
フォワーディング
フォワーディング
Yes
■RSTPのポート役割 ・Rootポート (ルートポート) 802.1dと同様の基準で選択される ・Designated Port (指定ポート) 802.1dと同様の基準で選択される ・Alternate Port (代替ポート) 802.1dで非指定ポートとして認識されていたポート役割。ルートポートに障害が発生した場合、 ルートポートに昇格する。 ・Backup Port (バックアップポート) 802.1dでは非指定ポートとして認識されていたポート役割。指定ポートに障害が発生した場合、 指定ポートに昇格する。 ・Diseble Port (ディセーブルポート) 802.1dでは日指定ポートとして認識されていたポート役割。RSTPの動作において特別な意味は 持たない。

Cisco STPの説明

■STPの説明
冗長構成をとりながら、ループのないループフリー環境を作り出す

■BPDUが持つ情報(2秒に1回送信される)
・ルート情報・・・ルートに設定されたブリッジのID
・パスコスト・・・そのリンクのルートブリッジからの距離
・ブリッジ情報・・BPDUを送信したブリッジの情報
・ポート情報・・・BPDUを送信したポートの情報
・タイマ・・・・・スパニングツリーを構成するための時間
           ↓
ループが起きないように転送を停止するポートを決める
STPはルートブリッジを中心としてループの有無を判断する


■STPの順序

①ルートブリッジ の選択

  最も小さいブリッジIDを持つものが、ルートブリッジとなる。
  STPが稼動(enable)されているブリッジでは、BPDU(STPのHelloパケット)が交換される。
  BPDUには、ブリッジID (※ブリッジのプライオリティ+ブリッジのMACアドレス)が含まれている。
  このブリッジIDが最も小さい値を持つものが、ルートブリッジとなる。
  
  ※0~65535の値が入る。デフォルトはCatalystでは32768。Switchが起動した直後は全てのSwitchが
    自分がRoot Bridgeであると認識している

  1、各ブリッジは自分がルートブリッジだと思っている。
             ↓
  2、自分のブリッジIDをBPDUにいれブロードキャストを発信
             ↓
  3、他のブリッジが自分のブリッジIDよりも低いブリッジIDを受信
             ↓
  4、自分よりも低いブリッジIDを受け取ったブリッジはルートブリッジ
    を自分から他のブリッジに変更する。
             ↓
  5、変更したルートブリッジ情報を今度から発信するようになり、これを
    繰り返し全体の中のルートブリッジを決定する。

②Rootポートの選択

  ブリッジから、ルートブリッジへ最短経路となるポートがRootポートになる。
  最短経路とは通信速度のことであり、10Mbps と 100Mbps のポートでは、後者が最短経路のポートとなる。
  通信速度が同じ場合、最も小さいブリッジIDを受け取ったポートがRootポートになる。
  ブリッジIDも同じ場合、上位ブリッジの最も小さいポート番号と接続しているポートがRootポートになる。
  
  ※1)RootブリッジからRoot Path Cost = "0"のBPDUが下流のSwitchめがけて送信される
    2)BPDUを受信したSwitchは受信したPortのCostをBPDUに付加する
    3)新たなRoot Path CostとなったBPDUを更に下流のSwitchに対して送信する。
      送信時にはPort Costは付加されない。
      上述の作業を延々と繰り返し、複数のBPDUを受信し、最も値が小さかったBPDUを受信したPortが
      Rootポートとなる。


③Designatedポート(代表ポート)とBlockedポートの選択

  セグメントから、ルートブリッジへ最短経路となるポートがDesignatedポートになる。
  RootポートにもDesignatedポートにも選択されなかったポートが、Blockedポートになる。
  ループ構成のポートにおいて、ルートブリッジの全てのポートはDesignatedポートになる。
  代表ポートは、ネットワークループを防ぐためのもので、各セグメントへのパスが複数ある場合に
  選択される。
  
  ※ルートポートは上から下(つまり、ルートブリッジから各スイッチ)をイメージし、
    代表ポートは下から上(つまり、各スイッチからルートブリッジをイメージ)




■さまざまなリンク速度のスパニングツリー パスコスト
リンク速度 コスト(改正後のIEEE仕様) コスト(改正前のIEEE仕様)
10Gbps
2
1
1Gbps
4
1
100Mbps
19
10
10Mbps
100
100
■STPステータスの移行 初期納入時等では、全てのBridgeが自身をRootと認識しているためRootが複数存在していると いったような状態となり、全てのBridgeのInterfaceが常にForwarding状態であったとした場合 深刻な Loop 障害を引き起こす原因となってしまう。 こういった障害を防ぐため、STPには5つの状態があり、まず、Blocking状態から開始し BPDUの受信のみを行いデータフレームの転送は実施しない。 Loop状態にならない事を確認した上で初めてPortはForwarding状態となり、データフレームの 転送を可能にする。 ①ブロッキング状態(20秒 Switchの電源投入時にはSwitchのどれかのPortからBPDUを受信するのを待つ。 BPDUを自身のどのPortからも受信しなかった場合、Switchは自分がRootであると判断する。 自分以外の他のSwitchからBPDUを受信した場合には、BPDUを受信したPortはListening状態となり BLocking状態から解除される。 ・Neighbore Segment から受信したFrameを破棄する ・自身の他のPortから内部SwitchingされたFrameを破棄する ・MAC Addressの学習を行わない ・BPDUを受信のみ実施し、Sytem Moduleに転送する ・System Moduleから受信したBPDUを送信しない ②リスニング状態(15秒 ブロッキング状態の次にSTPはListening Stateの状態になる。 この状態からBPDUの送受信を行う事が出来るようになり、Root情報の比較による、Rootの決定 Cost等の比較による最適経路を決定する。 ・Neighbore Segment から受信したFrameを破棄する ・自身の他のPortから内部SwitchingされたFrameを破棄する ・MAC Addressの学習を行わない ・BPDUを受信しSystem Moduleに転送する ・System Moduleから受信したBPDUを処理する ・Network 管理メッセージを受信して応答する ③ラーニング状態(15秒 リスニング状態が終了すると、次はラーニング状態となる。 この状態でもPortはまだ監視状態であり、Frameの転送は行えない。 但し、リスニング状態とは異なりMACアドレスの情報を学習し、 Frame転送の準備を行います。 ・Neighbore Segment から受信したFrameを破棄する ・自身の他のPortから内部SwitchingされたFrameを破棄する ・MAC Addressの学習を行う ・BPDUを受信しSystem Moduleに転送する ・System Moduleから受信したBPDUを処理して送信する ・Network 管理メッセージを受信して応答する ④フォワーディング状態 最終的にフォワーディング状態になるとSwitchは初めてData Frameの送受信を行う事が 出来るようになる。 ・Neighbore Segment から受信したFrameを転送する ・自身の他のPortから内部SwitchingされたFrameを転送する ・MAC Addressの学習を行う ・BPDUを受信しSystem Moduleに転送する ・System Moduleから受信したBPDUを処理して送信する ・Network 管理メッセージを受信して応答する