キッチンのシンクの素材に関する勘違い | 還暦建築士の日記:リフォーム百科事典

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システムキッチンのシンクの中の素材についてお話しします。これまで、カウンターが人工大理石でも、シンクの中はステンレスを使うのが一般的でした。しかし、最近ではシンクも人工大理石で作られたものを選ぶ方が増えています。そこで、人工大理石のシンクを選ぶ際に注意してほしいポイントをお伝えします。

 

人工大理石のシンクは完璧ではない

人工大理石のシンクだからといって、常に新品のような輝きを保てるわけではありません。ショールームなどでは、「傷に強い」「汚れがつきにくい」といった説明を受けるかもしれませんが、それを鵜呑みにするのは危険です。

 

シンクの中は水や食材などが直接触れる場所です。そのため、汚れや傷がつくのは避けられません。これは、ステンレス製のシンクでも人工大理石のシンクでも同じことです。ただ、ステンレスの場合は今までの経験から傷がつくのが当然だと思いますが、人工大理石のシンクで「こんなに傷がつくとは思わなかった」「汚れが取れない」と感じる方もいます。

 

汚れや傷は「お手入れ」で解決できる

人工大理石のシンクに傷や汚れがついても、適切なお手入れをすれば元に戻すことが可能です。例えば目の粗いスポンジで擦るとか液体クレンザーを使って磨くとかです。

表面の薄い層を一皮剥くことで、新しい樹脂の層が現れ、シンクが新品同様の状態に戻るのです。ただし、これは日々のお手入れや定期的なメンテナンスが前提となります。

 

シンク素材選びで気をつけること

人工大理石のシンクを選ぶ際には、以下のポイントを理解しておくことが大切です:

    1.    汚れや傷はつくものと考える

汚れが全くつかないわけではありません。ほうれん草の絞り汁など色素の濃いものを放置すると、翌朝にはシミが残ることもあります。

    2.    お手入れが必要な素材であることを認識する

メンテナンスをしないと汚れや傷が目立ちやすくなるため、定期的なお手入れを心がけましょう。

    3.    ステンレスとの違いを理解する

ステンレスは傷や汚れが目立つ一方で「味」として受け入れられることもあります。一方、人工大理石はメンテナンスで綺麗に戻せる素材ですが、放置すると目立つシミや汚れが気になることも多いです。

 

まとめ

人工大理石のシンクは、デザイン性や高級感が魅力的ですが、汚れや傷がつく可能性があることをしっかり理解しておきましょう。重要なのは、日々のお手入れを忘れないこと。そうすれば、美しい状態を長く保つことができます。

 

「手入れを惜しまず使いたい」「見た目を重視したい」という方には人工大理石のシンクは素晴らしい選択肢です。ただし、「手軽さ」や「耐久性」を重視するならステンレス製も検討してみてください。素材選びの参考にしていただければ幸いです。

 

田口寛英