外壁塗装 3回塗りの真実 | 還暦建築士の日記:リフォーム百科事典

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塗装工事の「3回塗り」に隠された真実

 

良心的な職人は、下塗りから上塗りまで5回〜6回と塗るのは常識です。

なのに、なぜ3回塗りを謳うのか。それは塗装業界のアリバイ作りのためとも言えます。

 

今日は塗装工事についてのお話です。「うちは3回塗りだから安心です」とか、「4回塗りでさらにしっかり仕上げます」と宣伝している業者を目にすることがあります。でも、実際のところ、塗装工事は「3回塗ったから大丈夫」というものではありません。むしろ、この言葉をそのまま鵜呑みにするのは危険です。

 

塗装工事の本質:「3回塗り」ではなく「3工程」

塗装工事には3つの重要な工程があります。それが、下塗り、中塗り、上塗り。この3工程をきちんと行うことが塗装工事の基本です。注意してほしいのは、この「工程」を終わらせるために、必ずしも1回塗りで済むわけではないということです。

 

例えば、下塗りの段階で表面の状態が悪ければ、1回塗りでは不十分です。特に、東西南北で外壁の痛み具合は異なります。日当たりや風雨の影響を強く受けた面は、痛みが激しいため、下塗りを2回、3回と重ねる必要があります。一方、それほど劣化していない面は1回で十分な場合もあります。このように、塗る回数は壁の状態に応じて変わるべきなのです。

 

「3回塗りで安心」という業者の危うさ

「3回塗りだから安心」と言う業者には注意が必要です。この場合、3工程をしっかり行ったのか、それともただ回数だけを優先したのかが問題です。いい職人は、必要に応じて5回、6回と塗り重ねるのが当たり前です。工程を完璧に仕上げるためには、回数が重要ではなく、その場所ごとの適切な処理が大切なのです。

 

信頼できる業者の見極め方

信頼できる業者は、単に「回数」をアピールするのではなく、次のポイントを重視しています:

    1.    外壁の状態を丁寧に見極め、傷みの程度に応じて適切な下処理や塗り重ねを行う。

    2.    3工程をしっかり説明する。下塗り、中塗り、上塗り、それぞれの役割と必要な作業を明確に伝える。

    3.    回数だけを基準にしない。壁の状態や仕上がりの品質を最優先に考える。

 

結論:塗装工事は「3回塗り」で満足しない

塗装工事は、「3回塗ったから大丈夫」という単純な話ではありません。重要なのは、3工程をきちんとこなすことと、外壁の状態に応じて必要な塗り重ねを行うことです。「3回塗りだから安心」という宣伝文句に惑わされず、しっかりとした仕事をしてくれる業者を選んでください。