インスペクション=建物状況調査や住宅診断と言う意味です。
中古住宅の売買するときに、インスペクションを行うことが多くなってきていますね。
今回のテーマは『調査する立場からのインスペクションの目的について』 です。
結論から言ってしまうと、インスペクションを行う会社や設計事務所や個人の建築士は収益事業です。
ですから、目的は収益になります。
中古物件の調査に行ったときの体験です。
私は購入予定の方から依頼で、依頼者さんと会話しながら住宅について調べていました。
そこに不動産屋からの依頼でインスペクター(調査員)が来ました。
彼は私たちをほぼ無視して黙々と調査を進めました。
インスペクションは調査項目が決められているので、マニュアルに従って手際よく計測したり写真を撮っていきます。
床の勾配を測ったり、外壁の写真を撮ったり、基礎のクラックの幅を測ったりし、それらを撮影します。
インスペクションでは、状況を調べるだけですので原因調査は不要です。
ですから、「雨漏りのシミがある」 これを写真に撮って、「●●部屋の天井に水染みあり」と報告書に書けば終了です。
つまり、『報告書作成がインスペクター(調査員)の仕事』とも言えます。
そして、調査書の提出によって収益を得ます。
その調査書に、どれくらい価値があるのでしょうか?
私は購入予定者と会話して住宅を見ていきます。
天井のシミの原因は? 構造的に問題ありますか? 修理するのにいくらくらいかかりますか?
そういった質問があり、それにお答えしていきます。
皆さんが求めるのは、どんなインスペクションでしょうか。
田口寛英