出水電器がオーディオ専用アース工事をしたものになります。
うちは田んぼの埋立地というアース抵抗が下がる粘土質に、前に川が流れていていつも地中は湿っているため接地アース工事をするには好環境にあります。
アースの接地抵抗値は1Ω台という好結果が出ました。
通常の緑のアース線ですと、ノンシールドなのでアンテナになりかねません。
そこでうちでは電波や電磁波の導体への飛び込みを防ぐためにアコリバ特注のシールド着きアースケーブルとしているのは以前に書いたとおりです。
また、アースケーブルはオーディオの信号ラインには非接触なものの、再生音に大きく影響することは知られていますので、シールドだけではなく導体や絶縁材、緩衝材などもアコリバの最高級グレードのもので製作してもらいました。
青い小さな箱は産業用アースノイズカット装置のグラウンドナイトというものです。
これはアースから回ってくるノイズをカットするものです。
ここから先は安直に出水電器のアース工事を推奨しているオーディオアクセサリー誌と工事をした者、検討されている方への声を大にして警告します。
まずリアル(接地)アース工事を検討される方はアースのバイブルとも呼べる、イトケンこと伊藤健一「アースとノイズ」シリーズを是非読破してください。
優秀なリアルアース、つまり接地抵抗値が低ければ低いほど、地中に撒かれた電気ノイズを拾ってきます。
具体的には自宅近くに工作機械などがある大きな製造工場、タワーマンションなどの大型集合住宅、パチンコ屋などの商業施設があるのであれば、リアルアースはない方がいい場合が多いです。
何故なら、工作機械やマンションの各家庭からの電気ノイズが地中に大量にばら撒かれるため、それを接地抵抗値が低い優秀なアースがしっかりキャッチして引き込んでしまうからです。
うちの周りには工場もマンションもありませんが、用心のためリアルアースに装着しています。
さて、リアルアースは基本的にオーディオシステムのうち1台のみに落とすのが原則になります。
これが一点アースというものになります。
この一点アースを守らないでリアルアースをあちこち落とすとたちまちアースループを形成して音質が劣化しますし、アンテナとなり電波や電磁波を拾い、さらにはハムノイズの発生まで起こります。
リアルアースはとにかく落とす数を増やせば良いと勘違いしているマニアが多いようです。
オーディオ専用リアルアース工事を売りにしている出水電気ですら、デジタルアナログ分離接地工事などと言って高額な接地工事を2箇所も行って巨大なアースループを引き起こす始末ですから、業者ですらアースループの認識がないので本当に注意が必要です。
3Pの電源ケーブルを使っているオーディオマニアは特に要注意です。
3Pの電源ケーブルを複数使った場合、壁コンセントや電源タップが3P電源ケーブルを介してアースループを形成してしまいます。
出水電気は接地抵抗値が低いリアルアースではアースループは発生しないなどと宣伝していますが、これは真っ赤な嘘になります。
アースループは接地抵抗値に関係なく必ず発生します。
では一点アースはオーディオのどの機器を落とすべきなのか?それは一番シャーシ電位の低い機器のアースに繋ぐのが正解です。
うちの場合はパッシブプリアンプ、コントロールマイスター Phasemation CM-2000。
なにせ電源を使わないタイプなので、シャーシ電位は元々ゼロですから。
ご自身のシステムのシャーシ電位を測る際はかならず電源ケーブル以外の全てのケーブルを外して電源スイッチを入れた状態で計測されて下さい。
ラインケーブルなどが繋がっていたり、電源スイッチが入ってない状態では機器単体の正しいシャーシ電位は計測出来ませんので。
リアルアースを繋ぐと、聴感上のS/Nが上がっている。特にローエンドが伸びたような、一段と深い低音(の解像度)、空間はますます広がって音場は3Dに広がります。
そうしてボーカルはぽっと空中に唇が見えるかのようになります。
うちではリアルアースを繋げた方が良かったですが、もしもリアルアースのアース線やアース端子にFMなりAMのラジオを近付けてオーディオ装置からラジオ音声や聞こえたり、ノイズが出るようならば、そのリアルアースは駄目な証拠になるので繋がない方がいいでしょう。
うちのリアルアースはノイズが増えるどころか、ラジオ音声は一切受信しない無音状態です。
明日は一つ一つ考察してきた仮想アース機器やリアルアース全体をまとめて、要は何をどう使うべきかまとめてオーディオアース考察は終わります。
お付き合いありがとうございました。