面白いツイートがありましたので紹介します。
中日新聞の連載原稿だん。「中高年サラリーマンの思考停止」について書きました。僕が選んだトピックじゃなくてそういう寄稿依頼があったのです。依頼してきた記者の方は自分の周りを見回してほんとうに困っているみたいでした。「どうしてそんな寄稿依頼があるのか」について考察しました。
中高年サラリーマンは「たぶん今の仕事を定年まで勤め上げることはできないだろうし、悠々自適の年金生活も無理だろうし、いまさら転職の当てもないし、仕事以外の生き甲斐もないし・・・」というところで先のことが考えられなくなっているのだそうです。
でも、何かのはずみで仕事を失って食えなくなった時に備えて「それでもなんとか食える技能」「それでも人生を楽しめる手立て」を身につける工夫は若い頃からしておいた方がよかったんじゃないでしょうか。
以前ある媒体から「定年後の趣味として能楽はどうでしょう?」と訊かれたことがありました。60過ぎてから舞と謡の稽古を始めるより、40代から始めておく方がいいですとお答えしました。20年間稽古していれば、定年の頃にはかなり楽しめるようになってますから。そういう「先手」って必要ですよ。
「転ばぬ先の杖」ということもとんと言わなくなりましたね。でも、「そのうち必ず転ぶだろう」と予測して備えておくって、とてもたいせつなことですよ。新自由主義の「選択と集中」はこの「万一への備え」という常識を破壊してしまったみたいですね。
以上
中日新聞の連載原稿だん。「中高年サラリーマンの思考停止」について書きました。僕が選んだトピックじゃなくてそういう寄稿依頼があったのです。依頼してきた記者の方は自分の周りを見回してほんとうに困っているみたいでした。「どうしてそんな寄稿依頼があるのか」について考察しました。
— 内田樹 (@levinassien) December 7, 2021