演技派な定評のある超人気俳優陣を揃えて、「家族」をテーマにしたドラマを描く・・・というのはなかなかおいしい企画だと思う。
ただ、残念なのは、何故そのテーマで脚本が武藤将吾なのだろう。

「家族」をテーマに描くことが得意な脚本家は何人もいる。
例えば、岡田惠和は血のつながらない人たちに家族のような空間を作り出すことがとても上手くて、遊川和彦はどこにでもありそうな家族の問題をドラマチックに描き出すことがても上手い。
確かに武藤将吾は最近の人気ドラマで脚本を手がけてて『家族ゲーム』なんかもあった。
でも、何だか残念なのである。
私に言わせると武藤将吾という脚本家は「それぞれのキャラクターを際立たせることに長けている」のであって、決して家族を描くことに長けているわけではないからだ。

このドラマ、面白いのは面白い。
妻夫木聡演じる、暑苦しすぎるほど昔気質で不器用な長男。
瑛太演じる、頭が良くて要領もいいけど人間臭くて前科者な次男。
満島ひかり演じる、冷静でしっかりしているのに不倫に溺れる情熱家な長女。
柄本佑演じる、常に傍観者的なスタンスでいながらも弟思いで芸術家肌な三男。
野村修平演じる、甘ったれで子供っぽくて愛嬌だけが取り柄な浪人生の末っ子。
5人兄弟はそれぞれいい感じにキャラが立っている。
初回で妻夫木聡の不自然な暑苦しさに拒否感は少しあったものの、それも慣れてしまえばどうということはない。
各役者ともに芝居が上手いメンバーだ。悪くない。

おまけに脇を固める役者陣もすごいのだ。
長男が孕ませてできちゃった結婚する相手に蒼井優。
次男が犯した犯罪の被害者の娘に長澤まさみ。
長女の不倫相手の医者に吉岡秀隆。(しかもその嫁に斉藤由貴)
三男に惚れながらも末っ子とつき合い始める女優の卵に橋本愛。
間違いなく超豪華キャスティングと言える。

これだけ上手い役者を揃えていて「家族」というテーマもドラマには向いている。
なのに、だ。
このドラマ、一言で言うと「つながり感」が全く感じられない。
いや、役者陣は芝居が上手い。役者同士の絡みが悪いわけではない。
何と言うか、それぞれのエピソードがぶつ切れになりすぎているように思う。
次回も見なくては、と思わせるミステリアスな伏線がなさすぎないか?
「多分、こうなるだろう」と思っているとおりにストーリーが進んで行き、「あーおもしろかった」で終わる。
勧善懲悪の時代劇ならまだしも、このドラマに求められているのはそういうことではないのでは??

全話を通してのキーとなる問題がない、ということだろうか。
そもそも、次男の和解が早すぎる。
その問題を解決してしまったら、あとは何も残らないじゃないか。
確か『ひとつ屋根の下』では長女の小雪が一人だけ血のつながらないという設定があって、だからこその長男と次男の間で長女をめぐっての恋愛事情が描かれていた。
このドラマでそういったキーとなる兄弟の問題は何だ??
次男が過去に犯した犯罪ではない・・・という時点で私には全くわからなくなってしまった。

役者陣の芝居は見応えがあって楽しめる。
残念ながらそれだけのドラマかもしれない。
来た来た。(笑)
というのが最初に思った感想。
このドラマ、素晴らしく「女目線」が満載で楽しすぎる。

不倫モノ、というのは別に新しいジャンルではないし、過去にも数多くドラマが存在している。
でも、多くの不倫モノは「妻VS愛人」を描いているのがほとんどで、「ダンナVS愛人」というのはそんなに多くないように思う。
だから面白いのである。
更に愛人役は彫刻のような肉体美でフェロモン満開の男前、とくれば、アラフォー女にはたまらないご馳走。
女優陣も女性から見て好感の持てるキャスティングだし、私は今回のクールで一番「押し」ているドラマだ。

あ、ただ1点。主題歌はどうせカバー曲使うなら別の人に歌わせた方がよかったかもね・・・。

ちょうど先週くらいから本格的に不倫が始まっていよいよ面白くなってきたのだが、このドラマで私のお気に入りポイントは何と言っても男優陣のフェロモン調整技術だ。
最初に驚いたのは鈴木浩介。この人、そんなにイケてないわけでもないのに、上戸彩と一緒にいる時は本当に魅力のない男に見える。
いや、子供もいないのに嫁のことを「ママ」と呼ぶとか、ありえないっしょ。
ものすごくわかりやすい「不倫される夫」の典型な気がした。
で、その鈴木浩介を見ているから斉藤工がすっごく素敵に見えるんだけど、この斎藤工でさえも妻の伊藤歩の前では何だかイケてないのだ。フェロモンの欠片も感じない。
なるほど、妻の前ではどんな男もフェロモンを無駄に放出しないのねえ・・・とか思って見ていたわけだが、そこではっと気付いた。
嫁のいない役の北村一輝は、だから終始フェロモン満開なのか!(笑)

主演の上戸彩についてもちょっと触れておくと、残念なことに彼女はやっぱり可愛すぎる。生活に疲れた飾り気のないオバサンを気取っても、あまり説得力がない。
むしろそんな可愛い妻に何の魅力も感じていないダンナの鈴木浩介の方がおかしくねえか?とか思ってしまう。
まあ、でも、だからこそ斎藤工演じる高校教師といきなり恋に落ちるとかいうドラマチックな展開の方は違和感がないので、それはそれでいいのか。
あとは吉瀬美智子とのバランスがとてもいい。
吉瀬美智子の大人っぽい美しさに上戸彩が食われることもなければ、上戸彩の存在感に吉瀬美智子が霞んでしまうこともない。
うん、絶妙なコンビ。

確かに不倫はよくない。そんなことはわかっている。
だからこそドラマで疑似体験させてもらえるのはとてもいい。世の嫁たちはみんな斎藤工と恋をして、北村一輝に抱かれる夢を見る。
男性から見ると「こわいドラマ」以外の何者でもないんだろうけど、1クールに一本くらいはこういう女性の願望を具現化したドラマがあってもいいと思う。
ドラマのストーリーや結末なんか、この際どうでもいいのだ。
まず思うのは、とっても残念なことにジャニーズのアイドルであってもあの水球スタイルはかっこよくみえない、ということ。
『ウォーターボーイズ』や『ROOKIES』といった男子学園スポーツモノの流れは確かに面白い。でも、その流れは『タンブリング』が限界だったのではないだろうか。シンクロほどの華やかさもなければ、野球ほどのわかりやすいルールもない水球というスポーツは、マンガでならともかくドラマにするにはちょっとムリがある・・・。

まあ、そんな企画そのものへのダメ出しは置いておいて。

もしかしたら、このドラマ、私のようなアラフォー世代はデジャブを覚えたのでは?
いかにもヤンキーな主人公がやったこともないスポーツで驚異的な身体能力を見せつけ、チームのみんなっを引っ張って強豪校に立ちうかう・・・そう、『スラムダンク』だ!
登場人物はそこらじゅうかぶってるし、バスケットボールと水球というスポーツは違えど主人公が高さを武器に強くなっていくってとこも同じじゃないか。
きっと、おそらく、原作者がものすごく『スラムダンク』を好きで影響されたクチなんだろう。
と思うことで、とりあえずそこは考えないようにした。

このドラマの見どころは、実は女優陣ではないかと私は思っている。
いや、水着を着ている方ではない。
水着を全く着ていない女優陣、である。
大政絢と倉科カナの教師対決がちょっと面白い。
最初、この二人のキャスティングはちょっと意外な感じがした。どちらかと言えば倉科カナの方が売れてる感があるのに、このドラマでは大政絢の方がメインチームの顧問なのだ。
さすがにいい役作りをする倉科カナ。何とも嫌味でやな女に見える。
これは大政絢にもうちょっと頑張ってほしいところ。
今のところ、酔っ払ってやさぐれてる感じはカワイイけど、まだまだ対等な感じがしないあたりがこのドラマのメインストーリーと程よくマッチしている。
チーム同様に大政絢がどれだけ強く(?)なっていくかが見もの。

あとはやっぱり大原櫻子がいい。
この子、芸能界への登場のしかたがミムラっぽくないか?
ズバ抜けてカワイイとかズバ抜けて芝居が上手いとかではなく、ただただ「いい」と思う。
田舎の高校にいるちょっとカワイイ女の子。うん、そんな感じ。
むしろ、女子水球部にいる女の子たちの方が不自然。
田舎のスポーツ少女はそんなにオンナオンナしてないのではないだろうか。
まあ、正直な話、水球部でロングヘアとか意味わからんよね。
プールでの練習後にいちいち丁寧なブローでもしてんのかよ・・・とか思ってしまった。
さてはこのドラマ、完全に男目線だな?

個人的には脇を固める千葉雄大あたりに期待しているのだが、ドラマとしてイマイチ盛り上がりに欠ける気がするのはやっぱりメインのジャニーズ2人の弱さだろうか。
いや、男前なのはわかる。わかるけど、「華がない」というか何というか・・・。
そもそも二人とも芝居もあまり上手くないし。
これはやっぱり、初回のみに出てきた伝説のヤンキー役、横山裕の再登場に期待かな。
いや、横山裕も芝居が上手いわけではないけど。