朝から一面真っ白で
ただでさえよく知らないこの場所が
今日はほんとに知らない世界のようだった。
吹雪かれて帰宅したあと
ゆきだるまのように着込んで
カメラを片手に空を見上げた。
きれーだなあ、雪。
細かくやわらかく舞うそれは
ほんとに真っ白で
降り積もるその世界は
全部を覆うほどで
洗われてゆくようだった。
ほんとうに大切なものは
目には見えないから
心で探そうと思っていたけれど
目に見えるものにはちゃんと
心も映っているはずだって
薄明るい空を見上げて、顔を濡らしてはシャッターを切りながら
ぼんやりそんなことを考えていた。
心の温度は、ちゃんと伝わる。
温かいものも 冷たいものも。
乗せた想いは
何処かに視える。
そして嘘は
つき慣れて、つかれ慣れる。
掛けていたフィルターをそっと外せたとき
わたしはわたしを思い出す。
すきな歌を歌うとき
夢中でシャッターを切るとき
無駄にしたくない自分の心を思い出す。
あげた心は、そのままでいい。
勿体無くもなんともない。
それもちゃんとわたしだったから。
可哀想でもないし
時間が戻ればいいとも思わない。
踏みつけられたと思ったなら
またちゃんと立てばいいだけの事だよ。
わたしはわたしを
ちゃんと愛せる。
降る雪のように
ただただ泣く日々が、あったとしても。
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