『諦める』を教えるのが躾? | タンタンとパパの子犬の社会化ブログ

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私が以前お世話になっていた職場にとても気分屋で理不尽に後輩を叱るチーフさんがいました。

 

昼食にそのチーフさんと一緒の部屋にいると誰も一言も喋りません。

 

そのチーフさんが機嫌がいいときは、

みんな顔色を伺いながら受け答えしたり愛想笑いをしたりします。

 

そしてチーフさんが先に退室したりすると、

みんなため息をついて、それから話したり笑ったりしだします。

 

さらにその後から来た職員に「今日の○○さんは機嫌がいい」などと伝え合います。

 

チーフさんはいつも後輩に何かをやらせて「ちがーう!」と言い、

後輩がやり方を変えてやっても「ちがーう!」としか言いません。

 

何度もやり直させたあげく、

後輩が「私にはどうしたらいいのか分かりません」と言うと

「それでいいのよ」と言って終わりにするそうです。

 

結局何が違っていたのか後輩さんたちにはまるで分かりません...

 

ある日、私は偶然帰りにそのチーフさんと一緒になったので、

少し話していると「お昼休みに私がいなくなるとみんなホッとして話し出すでしょ?」

そう言い出したのでどう答えて良いのか困ってしまいました。

 

「上下関係をしっかり教えてるとどうしてもそうなっちゃうのよね」

 

チーフさんは自慢そうにそう付け加えます。

 

私には言えませんでした。

 

「いやいや、誰もあなたを尊敬したり恐れ敬ってるんじゃないですよ。

 みんなあなたの気分屋で理不尽に怒るとこが怖くて萎縮しているんです。

 言い返したらその何倍も怒鳴られるでしょうし

 職場を辞められないから諦めてじっと我慢してるだけです」と...

 

 

 

犬を支配して言うことをきかせることがトレーニングだと考えている訓練士やトレーナーの中にも同じような勘違いをしたまま犬を混乱させ、単に「もうなにやっても無駄だ...」と諦めた(学習性無力感)ところを褒める、まるで的外れなことをしている人がたくさんいます。

 

まずはこの短い動画をご覧ください。

 

 

 

皆さんはこの動画をご覧になって、

「自分もこんなふうに犬を制御できたらなぁ」って思いますか?

 

「食べ物を目の前に出されても、

 それに関心を持ってはいけない...

 その食べ物の所有権は私にあること、

 そして『諦めること』を教えるのだ」

 

そうこのトレーナーさんは言っていますが、

自分の目の前に食べ物を差し出されて

関心を持ってはいけないと脅すことで、

『所有権』などという概念を教えられると思いますか?

 

『犬が咥えたものはその犬のもの』

 

それが犬の動物行動学です。

 

犬の世界における常識です。

 

相手が口から放して差し出したら所有権はなくなるはずですから、自分が食べてもいいはずです。

 

にもかかわらず

差し出されているのに食べようとすると怒られる...

 

まさに以前私がやってはいけないとお話しした

『ダブルバインド』の状態で犬を混乱させています。

 

正解が示されないのでどうすればいいのかまるでわからず萎縮してビクビクする犬。

 

短く断尾されている尻尾の付け根が恐怖で異常に下がってます。

 

カボンくんが何度もクジラ目をしているので白目がめだちますね。

 

とてもストレスを感じ困惑しています...

 

 

そして、最終的にはあのフード自体が『わるいもの』のように感じられて

近づくことすらできなくなります。

 

精神的に弱い犬なら拒食症になってしまうかもしれません...

 

そしてこんなに怖い目にあうならいらないやと思ったところで、

なぜか褒められてフードが口におしつけられます

 

犬たちには何が褒められたのかまるで分かっていません。

 

トレーナーさんはドヤ顔ですが明らかに本人の目指している『所有権』の所在など何一つ伝わっていないでしょうね😞

 

犬のストレスシグナルやカーミングシグナルを読むことができれば、

こんな訓練が犬に与える悪影響が手に取るようにわかるはずなのですが...

 

何かを学習したことを自分が理解していて、

それが褒められたら犬はもっと嬉しそうにするはずです。

 

この動画には犬たちの喜びがまるで感じられません...

 

みなさんはどう思われますか?

 

少なくとも絶対に真似しないでください!😰

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 

 

 

 
 

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