古い躾け本を読まないで! | タンタンとパパの子犬の社会化ブログ

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よく、アマゾンなどで出版年の古い本が中古で安く売っていますが、

ドッグトレーニングの本はできるだけ新しいものを選んでください...

 

同じ著者でも、5年も経つと認識も変化します。

 

昔は『支配製理論』(アルファ論・パックリーダー論)を信じて、

「犬は体罰を使っても厳しく躾け、主従関係を叩き込まなければ!」

その著書で書いていた専門家の皆さんも、

現在は海外の多くの学術団体が

「強制服従訓練など時代遅れで、心理学に基づいたポジティブなトレーニングを行うべき!」という発表をしたため、きちんと学び続けている人なら考えを変えているからです。

 

 

ですから、2010年代までは飼い主さんたちを原っぱに集め、

迷彩のミリタリーウェアで鬼軍曹のように

「声がちいさ〜い!タイミングが遅〜い!」と怒鳴りちらしながら、

主従関係ベースのしつけ論を指導していたトレーナーさんの中にも、

今では穏やかに「叩いたりしちゃいけませんよ」とにっこり話す方々が少なくありません。

 

 

 

引き合いに出して大変恐縮ですが、

2011年に初版発行された中西典子先生の著書『犬の問題行動の処方箋』の中でも、

当時は天罰方式としてガチャ缶を使ったしつけ方を紹介していますが、

 

 

2017年に発行した「しつけの常識にしばられない 犬とのよりそイズム」では、

そんな天罰方式など薦めずにもっと穏やかな犬との暮らしを勧め、

 

 

2019年4月発行の最新刊『やってはいけない 愛犬のしつけ』では、

過去に当たり前と言われていた、

「犬はこう躾けなければいけない!」という考えの多くが間違っていたことを説明し、

「これだけできればあとはあまり気にしないでいいですよ」と伝えていらっしゃいます。

 

 

 

 

あれほど犬に優しいトレーニングを提唱なさっていたダンバー博士の本も、

古いものには若干犬に対する偏見が見受けられます...

 

ただ、初めて子犬を迎える方々が入門的に読む分には、

素晴らしいものだと思いますが...

 

 

上記2冊の本は古い本ですが、

それほど悪影響があるようなことは書いていないので是非読んでみてください。

 

 

 

 

ちなみに、JKC(ジャパン・ケネル・クラブ)や日本警察犬協会は、
いまだに『支配性理論』(アルファ論・パックリーダー論)を否定しておらず、

その傘下で活躍している訓練士やドッグトレーナーも古臭い知識を、

あたかも新しい発見のように書いているケースがあるのでご注意ください!

 

2014年発行と比較的新しいにも関わらず、この本などもひどいものです!

 

 

JKC公認家庭犬トレーニングインストラクターという肩書きの

著者で、AMAZONの販売ページで『なか見検索』という機能を使い、
本の表紙画像をクリックして数ページ読めるようになっているので、
数ページ見たらもう驚愕の誤認識率😵


顔をしつこく舐めるのは飼い主を甘く見てるからだとか、


家の中でついて回るのはあなたを監視する行動だとか、


飼い主の腕や足にしがみついてマウンティングするのは
自分の方が優位であることを確認するための支配的行動
だとか!


犬と飼い主を仲違いさせようとしてるのかと思うレベル😞

 

きっと、犬が飼い主さんの感じていることと正反対の意図で

こういう行動をしているのだというインパクトを与えることで、

本の購入意欲を掻き立てようとしているのでしょうが...

 

 

中西先生のおっしゃるとおり、

余計な情報で間違ったしつけをして信頼関係を壊してしまうくらいなら、

何もしない方がよっぽどいいと思います。


一般の飼い主さんは、こういう綺麗な本にジャパンケネルクラブなどという肩書きの専門家が

さもまことしやかに書いていると、ついつい鵜呑みにしてしまいます。

 

それが多くの家庭にどれほど取り返しのつかない不和をもたらし、

不幸なわんこと飼い主の関係を作ってしまっていることか…😢

 

古い犬の躾け本は読まないでください...